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ジョンは、ちゃんとスの気持ちを理解していました。
決して自分と結婚したいから出宮したのではなく、それは単に口実に過ぎない事を。
でも、けじめとして、ささやかな婚姻のお祝いをしたようです。衣装も準備していましたからね。
勿論、ソは式の許しをだしませんでしたから・・・。
「心配するな。お前を出宮させたかっただけだ。婚姻後も友達だ。」
無理をしてるのが見えますが、スは気付いていないようです。気づかないフリをしているのかしらね。
スは、ソを忘れたわけじゃありませんし、いつもいつも想っていました。
そしてそれをジョンは優しく見守っていたのです。
ソは、二人の様子が気になり、ずっと監視させていました。
でもね、それを知ってるジョンは、敢えて仲の良いフリをし、疑いを抱かせないようにしていたのです。
だから、ソは、報告を受けて、本当にスが結婚したかったのかと誤解をしてしまっていますよ。
ぺクアから、形式的な婚姻だと聞かされてはいたのですが、やはり報告の内容を見ると・・・ねぇ。
スの妊娠が分かりました。勿論、ソの子供です。
でもね、医師は元々、スの体調を案じていましたからね。子供を産む事に賛成出来ない様子です。
妊娠の所為で、いっそう心臓に大きな負担をかけてしまっているから・・・と。
でも、スは自分の身より子供の事が大切でした。
自分はどうなろうとも、子供だけは・・・と。
ジョンは怒りました。
「そんなこと、冗談じゃない」
しばらく医師に滞在するよう言い、内密に・・・と念を押しました。
不安になったソは、自ら直に様子を見に行きました。
ところが丁度その時、スが体調を崩してしまってね。ジョンがスを抱き抱えて部屋に運ぶのを見ちゃった。
おまけに、その夜は、スが心配だからと、初めて同じ部屋に寝たんですよ、ジョンが。
部屋の中からは仲の良い笑い声なんぞも聞こえたりしてね。
ま~誤解しますわな、ソとすると。
不安で不安でたまらないわけですから、このシチュエーションはどー見たって新婚のカップルとしか思えませんよね。
ショックを受けたソは、今後二人についての報告はするなとジモンに命じました。
そして、6カ月後、スは女の子を産みました。早産でした。
ますますスの体調は悪くなって行きました。
スは、ジョンにソへの手紙を託しました。
子供を見せたいのか?・・・とジョンが聞いたら、首を横に振りました。
「私が会いたいのです。」
ジョンはスの筆跡では、読んでもらい得ないかもしれないと思い、別の封筒にスの手紙を入れ、早く読んでほしいという言葉と共に、ソに出しました。
ところがですよ。
二人の報告を受けたくないソは、敢えてその手紙を読まなかったのです。
スは待っていました。
何度も何度も手紙を出しました。会いたいと・・・。
なのに、ソは来ません。
弱っていくスを見て、ジョンは何とかして元気を出させて上げたいと思い、人気の歌楽団を呼びました。
一番得意な歌を・・・とジョンが頼みました。
「陛下の寵愛をうける宮女が、この1曲で陛下の心を掴んだと言う噂です。」
そう言って歌い始めたのは、スがウンの誕生日のお祝いで歌ったあの曲でした。ウンだけでなく、ぺクアもジョンも、ウクも、そしてムやウォンも、聞き入った曲です。
ソも、歌うスを見て、初めて自分の思いに確信をもった曲でした。
スの脳裏にもジョンの脳裏にも、あの日の皆の笑顔が浮かびました。一番幸せだったあの瞬間の笑顔です。
「私の命を皇子様の命のように思うと言う約束覚えていますか?」
スが、ジョンに言いました。
今にも気を失いそうになるのを必死でこらえて言いました。
「私の子を私の代わりに必ず守ってください。皇宮に送らないでください。」
あの方は来ません・・・スは身体をジョンにもたれかけました。
「スや・・・。来世でも俺を覚えてるな?」
ジョンが聞きました。
「忘れます。全て忘れます。夢の中でも皆を・・・。」
それがスの最期でした。
ジョンは優しく抱きしめてあげました。
身体をぽんぽんと優しく叩いてあげました。寝かせつける時のように・・・。
ソは、知らせを受け、スが何か自分に意地悪をしているのかと思いました。
そして、その時になって、スが何度も何度も手紙をよこしていた事を知ったのです。
自分を愛する気持ちは変わらず、ずっと会いたがっていたことを知ったソ。
後悔と愛しさと呆然自失・・・。
そんな様々な感情が入り乱れたソは、一目散にジョンの屋敷に駆け付けました。供も連れずに・・・。
スの骨壷を抱いたジョンを見て、それが真実だと分かりました。
ジョンから骨壷を無理やり取り上げ、出て行きました。
ジョンは、必死で拒みました。自分の夫人だ・・・と。
でも、ぺクアが言ったのです。スの気持ちを考えろ・・・と。
だけどねぇ、ジョンだってスをずっとずっと想って来たんですよ。
決して報われないと知ってて、それでもスを守って来たんですよ、友達として。
ぺクアは、ジョンが懐から出したスの櫛を見て、初めてジョンの気持ちが友情ではなく、愛情だったと知りました。
スがいなくなり、ソはますます孤独な皇帝となって行きました。
ウォンは、結局毒を飲むことになりました。
チェリョンがスに残した手紙を、ぺクアがジョンに渡しました。スの遺言だったようです。
読んだウォンは、チェリョンの想いの深さを初めて知ったようです。
何年も経ちました。
ソとヨンファの関係は、やはりあのままです。
彼女が産んだ皇子を、ソは自分の皇位を狙う存在としか見ていないようです。
甥たちもどうも殺されてしまったようで・・・。結局、血の皇帝と言う名の通りとなったようですね。
そんなある日、ソは一人の女の子と会いました。
自分にぶつかって来ておいて、
「あいやぁ~・・・。」
と、大げさに痛がる様子。それがスの面影と被り、つい、ソは微笑んでしまいました。
お前は誰だ?・・・とソ。
ジョンが駆けよって来て、女の子を後ろに庇いました。
自分の娘だと言うジョン。
再婚を許可した覚えがある・・・とソは言いました。だけど、子供が大きいけど?・・・と。
慌てて女の子を抱きあげ、去って行こうとした時、女の子の髪に刺してる簪が目に入りました。
スにあげたモノです。
その瞬間、スの娘だと察したようです。
「娘を置いて行け。」
冷たくソが言いました。
ジョンは跪いて言いました。自分を殺すまでそれは出来ません・・・と。
「この子は宮中で育てたくないと。怖くて寂しい故、送りたくないと。へ・スはそれだけを心配していました。」
「第14皇子ワン・ジョン、帰郷刑を解く。時々皇宮に来て良い。」
ソが言いました。
自分の娘だと察したのでしょうか。
ウクの母ファンボ氏は、俄然皇位を孫に・・・とやる気になってます。
実際、彼の息子は第6代皇帝になったようです。
ウクは病気のようで、もう余命は残されていません。
ジモンは、ソの傍を離れて行きました。
去り際、ソに言いました。
「へ・ス様はこの世界の人では無かった。そう思える事が多い。ですから、お忘れください。」
スは・・・いえ、コ・ハジンはベッドで目覚めた時、また泣いている自分に気が付きました。
夢に見るのです、何度も同じ人・・・仮面をつけた人のことを。
どうもハジンは、溺れて気を失った状態で助けられたようです。それから1年が経っていました。
ある日、高麗時代の化粧に関するイベントが開かれ、彼女も化粧品販売会社の社員として参加しました。
その講師が、なんとジモン・・・。
そして彼はハジンの事をちゃんと知ってるようです。
意味ありげにハジンを見つめ、言いました。
「高麗時代、コ氏はへ氏だったことをご存じですか?」
ハジンが記憶を失っている事を知り、ヒントとなりそうな事を言うんですよね。
偶然ですね・・・今高麗時代の化粧文化の支援を・・・とハジンが言うと、
「偶然などはなく、全て元に戻るだけ。」
と、言いました。勿論、ハジンには何のことやら・・・です。
「ここはバラの香りがします。」
「ええそうです・・・。」
と、化粧品の説明をし始めた時、耳にふいに浮かんだのです。
“まさか俺が贈ったバラの油を?”
ぺクアの言葉でしたっけ?
これを機に、次々とハジンの脳裏にシーンや台詞が浮かんできました。
めまいがしたようにふらついたハジンを見て、先に帰りなさいと同僚に言われました。
帰ろうとしたハジンは、イベントに飾られた高麗時代の風俗画が目に入りました。
その瞬間、ハジンは全てを思い出したのです。
夢じゃない。夢じゃ無かった・・・。
振り向いたハジンの目の前に、ワン・ソの大きな肖像画が。
そして、結局“血の君主”と呼ばれていることも。
最後に見た一枚の絵は、ワン・ソが一人皇宮に立つ姿でした。
「ごめん。独りにしてごめん。」
ハジンは泣きました。
「私たちが他の世界他の時間に会っていたら、どんなに良かったか。そうできれば、何も怖がらずに思い切り・・・本当に思う存分愛するのに。」
スは、皇宮を出る前にソに言っていました。
トップの二人の笑顔の写真は、そのシーンです。皇帝であるソが、スをおんぶして走るのです。きっと最初で最後だったでしょう。
“俺とお前の世界が違うなら、俺がお前を探しに行く。俺のスや”
ワン・ソは一人思いました。
泣けた泣けた・・・
ラスト、もしかしたら「ポンダンポンダン~」のように、現世で出会うのかと期待したのは私だけじゃ無いと思いますよ。
でも、そうならなかったからこそ、切なさ全開のラストとなりました。
堪能しました。お勧めです
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