575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

漱石の宿石蕗の人に会う    遅足

2014年11月05日 | Weblog
先月の29日から4日間、熊本・高千穂へ。
熊本は高校生の修学旅行以来。
まず夏目漱石の小説・草枕の舞台となった小天(おあま)温泉へ。
熊本から峠を二つ越えたところまで車で。
漱石は明治30年の大晦日に歩いて・・・
それが草枕の冒頭に。

  山路を登りながら、こう考えた。
  智に働けば角が立つ。情に掉させば流される。意地を通せば窮屈だ。
  とかくに人の世は住みにくい。

車は、あっという間に過ぎて坂を越え、蜜柑畑の中へ。
小高い丘の出ると、眼の前は有明海。普賢岳がくっきりと。
漱石の句碑がありました。

  降りやんで蜜柑まだらに雪の舟

丘をおりると漱石の泊まった温泉宿。
この地の有力者・前田案山子の別邸でした。
前田案山子は肥後藩の槍の指南役。
維新後は自由民権運動に身を投じました。

小説のヒロイン・那美のモデルは案山子の三女・ツナ。
彼女が深夜、漱石がいるとも知らずに湯船に。
このハプニングが小説の核となっているとのこと。

湯船と漱石の宿泊した離れは今も残っていました。
ツワブキの花が今を盛りと咲きそろっていました。

             

この前田ツナの妹・ツチと結婚したのが宮崎滔天。
二人の子・龍介が「アンと花子」に登場した
花子の腹心の友・柳川白蓮の夫だそうです。
九州は中国大陸に近いと改めて感じました。
コメント
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