伊那谷の桜。高遠の桜など、これからが満開です。
作者は井上井月(せいげつ)。
幕末から明治にかけて、伊那谷を放浪した俳人。
越後・長岡の出身で武士だったとも言われますが、本人は沈黙。
祝い事にある家、死者の出た家などを訪れて句を詠み、一宿一飯に。
朝毎のみどりも深し春の草(子供の誕生)
餅配る老の祝や冬牡丹(老いの祝い)
けふの日や泪を包む汗拭ひ(挽歌)
当時の伊那谷は、養蚕が盛んで経済的にも余裕がありました。
人の顔さえ見れば、酒を勧める土地柄であったので、
金銭を持たず蓄えも無かった井月にとって、
酒食の相伴にあずかることの出来る魅力的な土地でした。
咲き急ぐ花や散る日のなきやうに
命ぞと云うては掬う清水かな
朝顔の命は其の日其の日かな
山までは幾度も来て雪おそし
虱だらけで、泥酔しては寝小便をたれるという井月。
女性や子供たちはからは嫌われていましたが、
俳句を趣味とする富裕層の男性たちは井月を優遇。
伊那谷での生活は30年にのぼりました。
続く
作者は井上井月(せいげつ)。
幕末から明治にかけて、伊那谷を放浪した俳人。
越後・長岡の出身で武士だったとも言われますが、本人は沈黙。
祝い事にある家、死者の出た家などを訪れて句を詠み、一宿一飯に。
朝毎のみどりも深し春の草(子供の誕生)
餅配る老の祝や冬牡丹(老いの祝い)
けふの日や泪を包む汗拭ひ(挽歌)
当時の伊那谷は、養蚕が盛んで経済的にも余裕がありました。
人の顔さえ見れば、酒を勧める土地柄であったので、
金銭を持たず蓄えも無かった井月にとって、
酒食の相伴にあずかることの出来る魅力的な土地でした。
咲き急ぐ花や散る日のなきやうに
命ぞと云うては掬う清水かな
朝顔の命は其の日其の日かな
山までは幾度も来て雪おそし
虱だらけで、泥酔しては寝小便をたれるという井月。
女性や子供たちはからは嫌われていましたが、
俳句を趣味とする富裕層の男性たちは井月を優遇。
伊那谷での生活は30年にのぼりました。
続く