こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。
朝は本降りでしたが少し落ち着いたようです。しかし、夕方から強く降るようで鬱陶しい日が続きます。
昨日は図形問題の解法パターンの一つとして、正三角形や正方形を作る方法があることを述べましたが、今日はその実例を紹介します。
問題は愛読している月刊誌「理系への数学(現、現代数学」に連載されていた「幾何大王からの挑戦状」に出題されたものです。以前にも紹介しましたが、ここに出題される問題は、超難問で入学試験問題とは全くレベルが違い、幾何学好きの人や数学オリンピックを目指す人向きの問題でしょう。
問題は、「図1のような凸四角形ABCDの対角線AC上に点Eがあり、BE=BC、∠ABE=10°、∠EBC=20°、∠ACD=15°、∠DAC=55°のとき、∠AEDを求めよ」というものです。
▲図1.問題
角度についての手掛かりは、
(1)∠ABE=10°で∠CBE=20°の2倍になっている
(2)∠ABC=30°で∠DCE=15°の2倍になっている
(3)BAの延長線上のBと反対側にGを取った場合、∠DAG=55°で、直線ADが∠EAGの2等分線になる
(4)∠BCE=∠BEC=80°で、これは、60°-20°(∠CBE)=40°の2倍になっている
(5)BC=BE
あたりでしょうか。
上記の手掛かりから、「点Bが当面の問題の主役だな」と、あたりを付けます。刑事ドラマなら重要な容疑者のようなもので(外れる場合もままあるのですが)、この点Bを中心に試行錯誤を進めて行きます。
まず、BEを1辺とする正三角形BFEをBEから見てCと同じ側に作ります。
▲図2.正三角形を作ります
次に、直線BAと直線FCとの交点をGとします。
これらの準備ができたところでスタートしましょう。
∠CBF=60°-∠EBC=40°、BC=BEなので、∠CEF=20°(△BCEは二等辺三角形)
さらに、BE=BC=BFなので、Bが△EFCの外心であることから、∠CFE=∠CBE/2=10°(弧CEとする中心角と円周角の関係)
また、∠ACG=∠EFC+∠CEF=30°なので、直線CDは∠ECGの2等分線で、直線ADも∠EAGの2等分線なので、Dは△ACGの内心となります。
あとは、直線EG上にDがあることを言えればOKです。そのためには直線GEが∠BGFの2等分線であることを示せば良いのですが、都合の良いことに、∠GBF=∠GFBなので△GBFは二等辺三角形で、かつ△EBFも正三角形で、△GBE≡△GFEとなり、∠BGE=∠FGEより、Dは直線GE上にあることが判ります。
以上より、∠AED=180°-∠DGA-∠GAC=50° と正解にたどり着きました。
▲図3.解答
このように、2倍角(半角)があると中心角と円周角を思い浮かべたり、長さの等しい辺があれば、それを1辺とする正三角形や正方形を作ってみるテクニックを覚えておくと良いかもしれません。(入学試験には役立たないかも知れませんが)
明日は、正方形を作って解く問題を紹介したいと思います。
朝は本降りでしたが少し落ち着いたようです。しかし、夕方から強く降るようで鬱陶しい日が続きます。
昨日は図形問題の解法パターンの一つとして、正三角形や正方形を作る方法があることを述べましたが、今日はその実例を紹介します。
問題は愛読している月刊誌「理系への数学(現、現代数学」に連載されていた「幾何大王からの挑戦状」に出題されたものです。以前にも紹介しましたが、ここに出題される問題は、超難問で入学試験問題とは全くレベルが違い、幾何学好きの人や数学オリンピックを目指す人向きの問題でしょう。
問題は、「図1のような凸四角形ABCDの対角線AC上に点Eがあり、BE=BC、∠ABE=10°、∠EBC=20°、∠ACD=15°、∠DAC=55°のとき、∠AEDを求めよ」というものです。
▲図1.問題
角度についての手掛かりは、
(1)∠ABE=10°で∠CBE=20°の2倍になっている
(2)∠ABC=30°で∠DCE=15°の2倍になっている
(3)BAの延長線上のBと反対側にGを取った場合、∠DAG=55°で、直線ADが∠EAGの2等分線になる
(4)∠BCE=∠BEC=80°で、これは、60°-20°(∠CBE)=40°の2倍になっている
(5)BC=BE
あたりでしょうか。
上記の手掛かりから、「点Bが当面の問題の主役だな」と、あたりを付けます。刑事ドラマなら重要な容疑者のようなもので(外れる場合もままあるのですが)、この点Bを中心に試行錯誤を進めて行きます。
まず、BEを1辺とする正三角形BFEをBEから見てCと同じ側に作ります。
▲図2.正三角形を作ります
次に、直線BAと直線FCとの交点をGとします。
これらの準備ができたところでスタートしましょう。
∠CBF=60°-∠EBC=40°、BC=BEなので、∠CEF=20°(△BCEは二等辺三角形)
さらに、BE=BC=BFなので、Bが△EFCの外心であることから、∠CFE=∠CBE/2=10°(弧CEとする中心角と円周角の関係)
また、∠ACG=∠EFC+∠CEF=30°なので、直線CDは∠ECGの2等分線で、直線ADも∠EAGの2等分線なので、Dは△ACGの内心となります。
あとは、直線EG上にDがあることを言えればOKです。そのためには直線GEが∠BGFの2等分線であることを示せば良いのですが、都合の良いことに、∠GBF=∠GFBなので△GBFは二等辺三角形で、かつ△EBFも正三角形で、△GBE≡△GFEとなり、∠BGE=∠FGEより、Dは直線GE上にあることが判ります。
以上より、∠AED=180°-∠DGA-∠GAC=50° と正解にたどり着きました。
▲図3.解答
このように、2倍角(半角)があると中心角と円周角を思い浮かべたり、長さの等しい辺があれば、それを1辺とする正三角形や正方形を作ってみるテクニックを覚えておくと良いかもしれません。(入学試験には役立たないかも知れませんが)
明日は、正方形を作って解く問題を紹介したいと思います。
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