東久留米 学習塾 塾長ブログ

東京都東久留米市滝山の個別指導型学習塾 塾長白井精一郎のブログ

いろはがるた

2017-09-09 11:26:35 | 国語の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

ある計測器メーカーの創立30周年記念で頂いた 故事ことわざ辞典(三省堂)の巻末に、東西いろはがるた一覧という項があります。

そこには、江戸、京都、大阪(名古屋)のいろはがるたが記してあって、例えば、「」は、
【江戸】 犬も歩けば棒に当たる
【京都】 一寸先は闇
【大阪】 一を聞いて十を知る

というように、それぞれ異なった諺が挙がっています。

これらの3都市に共通する諺の数を勘定してみると、
江戸・京都・大阪に共通 : 0個
江戸・京都   に共通 : 1個 (「つ」)
江戸・大阪   に共通 : 5個 (「は」「に」「ぬ」「ゆ」「め」)
京都・大阪   に共通 : 9個 (「へ」「ち」「り」「る」「れ」「そ」「や」「ふ」「ゑ」)
となっていて、距離が近いためか、京都・大阪で共通するものが多いようです。

また、今では意味の判り難い諺も多く、例えば、江戸・京都で共通する諺の「月夜に釜を抜かれる」は、「明るい月夜に釜を盗まれる。油断のはなはだしいたとえ」という意味だそうです。

他にも、
盗人の昼寝」:盗人が、夜かせぐために昼のうちに寝ておくこと。何がないふりをしているが、実はちゃんと目的がある、という意。

葦の髄から天井覗」:葦の茎の細い管の穴から天井を見ても、全体を見ることができない。狭い見聞に基づいて大局を判断することはできない。見識の狭いことをいう言葉。

総領の甚六」:長子は他の兄弟に比べてぼんやりしていておとなしい。「総領」は家の跡目を継ぐ者。「甚六」は順禄のなまりで、総領むすこは愚鈍でも順序として父の世禄を継ぐ意という。
など、難解な諺が少なくなく、なかなか面白いです。

興味のある人は調べてみてください。