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財務次官セクハラ騒動

2018年04月25日 | 時事・雑文


本件に関して、“セクハラ被害者”となった女性記者の雇用主であるテレ朝の対応が非常にお粗末に見えるので、以下に記す。

【財務次官セクハラ問題】女性社員は複数回上司に相談していた テレ朝社長「適切な対応できず反省」 - 産経ニュース
https://www.sankei.com/entertainments/news/180424/ent1804240009-n1.html



この騒動については論点がいくつかある。

(1)次官のセクハラとされる言動
(2)次官と女性記者が夜に1対1で酒の席に共にすることの是非
(3)女性記者による録音を自社で放送せず他媒体(雑誌)に渡したことの是非
(4)女性記者の雇用主であるテレ朝の対応
(5)社会問題としてのセクハラ

(1)(2)(5)は各方面の識者に任せるとして、テレ朝の記者会見の様子を見ると突っ込む側の記者も同じ業界の人であるせいか、(3)の話に終始している点が非常に気になる。ただし、(3)は所詮は業界内のルールとか仁義の話だから、そこは一般人にはある意味どうでもいい。

この記事に記すのは上記の(4)である。なぜか、ほとんど論点に挙げられていない。

だが、セクハラというのは一般企業でも発生し得ることだし、実際に時々発生していることであり、噂なども含めて人事的な処置が取られたことを聞いたことがある人も多いはず。



そもそもセクハラとは、モラルとかマナーとかのイメージで捉えられているかもしれないが、実は「男女雇用機会均等法」に雇用主の義務としてちゃんと規定がある。

男女雇用機会均等法

第二節 事業主の講ずべき措置
(職場における性的な言動に起因する問題に関する雇用管理上の措置)
第十一条 事業主は、職場において行われる性的な言動に対するその雇用する労働者の対応により当該労働者がその労働条件につき不利益を受け、又は当該性的な言動により当該労働者の就業環境が害されることのないよう、当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない。






さらに、雇用主であるテレ朝自身も上記の「男女雇用機会均等法」と整合する形で「テレビ朝日行動基準」を策定し、以下のようにセクハラ対策を宣言している。

第2章 会社と従業員の関係について

2.人権の尊重と差別的取扱いの禁止
人種・信条・肌の色・性・宗教・国籍・言語・身体的特徴・財産・出自・出身地などの理由で、採用を拒絶することはなく、また嫌がらせや差別を受けな い健全な職場環境を確保します。性的嫌がらせ(セクシュアル・ハラスメント) など職場におけるハラスメントに対しては、相談を受ける体制を整備して解決に向けて努力するとともに、迅速に調査し、被害者の救済と再発防止のために断固たる処置をとります。

テレビ朝日行動基準
http://company.tv-asahi.co.jp/contents/corp/koudou.html
http://company.tv-asahi.co.jp/contents/corp/koudou20130509.pdf






従って、女性記者がセクハラを認識し上司に相談した時点から、上述のように雇用主たるテレ朝に対処の義務が生じる。

おそらく、中堅規模以上の企業では人事部あたりにセクハラ相談窓口を設けているはず。テレ朝も自社で上記のように宣言までしているわけだから、社内にそういった相談窓口がないはずがない。

今回の場合に考えられる処置としては例えば次のようになる。
(A) 会社として、相手側(次官)にクレームを申し入れる
(B) 女性記者の担当を替える(その次官の担当から外す)

それにも関わらず、今回の場合にはそういった社内の仕組みが機能した形跡もなければ、その不備を問いただす様子もない。録音を報道するかどうか以前に雇用主としてやるべきことがあったのである。それを1年以上?も放置するとは論外である。
また、女性記者本人にしても、握りつぶそうとする上司を無視し社内の相談窓口に相談する方法もあったはず。

だから、今回の騒動には明白にテレ朝のコンプライアンス違反がある。
コンプライアンスというのは、企業活動において法令を遵守し、社会規範に反することなく、公正・公平に業務遂行することをいう。

この点について、もっと追求されるべきと考える。





(参考)上記の指摘とは全然次元の違う業界特有のお話。w

記者の仕事 by 福島香織さん - Togetter
https://togetter.com/li/1219751





以上。
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