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大阪大学の物理問題の検証<解答が3個?

2018-01-13 15:03:04 | Weblog
マスコミで問題となっている「大阪大学の物理の問題」に付いて検証してみた。

なお、自分は大学は理科系だったが、事情があって職業は理系とは全く関係のない仕事をしてきた。
現在は年齢を重ねたので仕事を退職し、無職だ。
高校卒業以来、物理の入試試験に付いて真面目に考えたのは40年以上経過しており今回が初めてだ。
だから、自分は物理の受験のプロではなく素人であり、「素人の戯言」として読んでほしいが、何となく問題の本質が見えてきたように思ったので書いてみた。


テレビで放映していたが、正確な問題の内容が不明で考えようが無かったが、昨日の読売新聞に問題文と大学が最初に正解とした解答、追加で正解とした2個の解答が記載されており、高校生に戻ったつもりになって検証してみた。

問題の概要は「音波の共鳴する距離」の問題だった。そして、その具体的な内容は次の通りだった。(長いので自己流で書いた)
モデルは、左側に反射する壁があり、その右側に音叉があり、その右側の遠くに音の観測器としてマイクがある。
壁と音叉の距離をdとし、音の波長の長さをλとして、音源の音叉を右方向に少しづつ移動すると音叉の発する音の大きさが周期的に強くなることがマイクで観測された。
この時の距離dと波長λとの関係を(数式で)表せ。必要とあれば、自然数n(=1,2,3,・・・)を用いてよい。

この問題を解くに当たっては、前提の知識が必要だ。それは次の通り。
「音叉の共鳴は音の波長の半分の位置の時に共鳴する」ということだ。

このことから考えると、音叉の音が強くなる時の位置は「壁から反射した際の往復の距離が波長λの半分の時、及びその整数倍の時にに強くなる」という解釈といえると思う。
「往復の距離が波長の半分」ということは、音叉から壁までの距離はその半分だから、壁から一番近い位置で音叉が共鳴する地点は「波長λの1/4の地点」と特定できる。そして次に共鳴する地点は1/4の地点をを2倍、3倍、4倍・・・となるかといえば、そうはならない。なぜなら反射せずにマイクに直接届く音の共鳴時期は「波長の半分の整数倍」だからである。この様に考えると共鳴する位置は、音叉から壁までの距離は波長1/4λの整数倍だがマイクと音叉までの距離は波長λの1/2の整数倍となる。

上記のことを数値化すれば解答となる。
ということは、反射位置だけを考えてd=n1/4λとすれば間違いとなる。なぜなら、音叉からマイクまでの距離の1/2の整数倍とならないからだ。
それでは、d=n1/2λ → 2d=nλが正しいかといえば、「正しい。しかし、最初の壁から音叉の直近距離1/4λが抜け落ちている」ということとなる。

上記のことをどちらにも当てはまる様に数値化すれば解答となる。さてどうしたもんだ。2d=nλが壁から直近の位置を除いて正しいのであれば、この数式を少し細工して壁から直近の位置も表示できるようにすれば良い、ということだ。

その結果最初の1/4の距離も含めれば、2d=(n-1/2)λが正解となる。試しにn=1を入れれば2d=1/2 → d=1/4λとなる。

なお、もう一つの正解とされた数式 2d=(n-1)λは「音叉の位置が壁の位置と同じ位置もある」ということで、物理学的には反射音との共鳴が発生せず不正解と思うが、実際の実験では誤差1~2㎜もあり得るので不正解とは断言までは至らない。

この様に考えると、大阪大学の当初の正答2d=(n-1/2)λが「正当な正解」といえるが、2d=nλは「音叉と壁との直近の位置の部分が一部抜け落ちているが、不正解ではない」といえよう。
また、2d=(n-1)λは「誤差を考えると正解だが・・・」ということだろう。またこの数式も音叉の直近の位置部分が抜け落ちている。

【感想】

自分は部外者だが、この問題に付いてはマスコミや世間が何と言おうと、やはり当初の大学の「正当な解答」のみを合格として、他の二つの解答は「不正解」とした方が良かったと思う。

なお、プロと言われる大手予備校でも今も2d=nλを正解と主張しているらしいが、噂に聞いた「学力崩壊」は本当だったんだな、と思う今日この頃である。

これでは、日本の科学技術の未来は暗いと思う。

追加で合格となった人達は「公平の原則」からいえば、苦情をいうのはおかしいと思う。

また、誰かは知らないが自称プロの3名がメールで大学に指摘したらしいが、どうかと思う。

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