チホーの生活の知恵

良い人生を過ごす為のコメント。
日常生活・健康・仕事・利殖・etc..

トヨタの世界戦略<生産台数世界一

2008-02-03 08:24:02 | Weblog
自動車生産台数、トヨタがGM抜き世界一に(読売新聞) - goo ニュース

トヨタ製自動車は単に燃費が良いとか、価格が安いとか、性能が良いとか、スタイルが良いとかで世界一に成れたのだろうか? 特にアメリカにおいて、短期間にフォードを抜いて第2位の自動車メーカーになれたのはなぜだろうか?

「良いものを安く作れから売れた」というのは、これは常識的な答ですがそれだけではないと思います。
それでは、先にアメリカに進出したホンダ製の車の燃費や、価格、スタイルはトヨタに劣っていたかというと、それは疑問です。
確かに、ハイブリッドカーのプリウスで、「高技術の会社」の印象を与えたこともありますが、これは一つの原因ににしかすぎないと思います。

大きな原因は、アメリカにおけるトヨタの工場の立地場所が「効率優先」ではなく「アメリカの地域雇用優先」と「政略優先」であることが大きいと思われます。
効率優先であれば、現在の様な中小規模の工場をあちこちに作ることは合理的ではありません。このようにあちこちに散在して工場を立地した主たる理由は「地元の雇用創出」目的と考えられます。アメリカは日本より豊かといえ、日本以上に格差問題が大きいのです。工場を立地する条件でアメリカ人の雇用を第一義に考えたとすれば、例え日本製の自動車に反感を持つ人が居ても、その声は消し去られるでしょう。
また、大物政治家の地元に工場を立地したとなれば、さらに効果は大きくなります。

外国に進出するに当たっての最大のリスクは「国家間の政治問題」です。トヨタはこのリスクを最も恐れて、戦略を立ててアメリカに進出したのです。そして、この戦略が今花を咲かせたといえるでしょう。しかし、07年に世界一となったのにも係わらず「GMに3千台ほど及ばなかった」とコメントした理由は、やはりアメリカの世論やアメリカ国民の感情を恐れている証拠ではないかと思われます。
今後、トヨタはアメリカにおいてはこれ以上の大幅な販売増加を望んでいないのではないでしょうか。車両価格を値上げするとかして、GMやフォードの売れ行きが落ちないような販売戦略を取るのではないでしょうか。
そして、主たる販売増の拠点を中国、ロシアになど新興国に移していくでしょう。

昨年末に、プーチン大統領の故郷のサンクトペテルブルグ工場で「カムリ」第1号が生産されたことは記憶に新しいですね。

また、今日の日経一面に「トヨタ、中国新工場、年産100万台体制に」との見出しがあります。新工場とは「吉林省長春市」で第8番目の工場とのこと。
また、来年の09年には広州市でも稼動を目指して工場を建設中とのこと。

中国とロシアでもアメリカに習った戦略で進出しているように見えるのは、ぼくだけでしょうか。。

(りせっとー)