『黒幕と言われた男』の著者の戯言

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彬子女王殿下の講演

2015-09-14 14:35:37 | 日記
 泉屋博古館において彬子女王殿下による「海外における陶磁器蒐集と煎茶ー住友春翆の

時代ーなる講演があった。この美術館は住友春翆が蒐集したさまざまな分野にわたる文物を

展示するところであるが、柳居子さんに初めて連れていただいて以来、立地といい佇まいと

いいお気に入りの場所である。

 彬子女王殿下は故三笠宮(髭の殿下)のご長女で先般来 お父上のご逝去とその後の母で

ある妃殿下との対立で週刊誌に取りざたされていて、いくらか野次馬的な偏見を持って聴講に

出かけたが、現れた女王はいかにも学究らしく白いブラウスに黒いスーツという地味な装い

で、遠めには素顔かと思える控えた化粧である。さすがにTPOに応じて自分を演出する訓練

をされておられるしその能力を示された。

 本番の講演は、やや早口で生硬な話しぶりではあるが、聴衆におもねるところやパフォーマ

ンス的なところはなく、実に生真面目な充実した内容であった。早口なのも溢れんばかりの学

識が追いかけてきて、あれもこれも話したい思いがそうさせたのかもしれない。

 イギリスの大学で博士号もとられたそうで、専門的なことは判らないがなかなかの実力で

あろうと感じた。明治の初期に日本の絵画や陶磁器の名品が西欧の王室や富豪の手にわたった

ことについて、流失と嘆くむきがあるが、決して嘆かわしいことではなく高い審美眼に選ばれ

たこととして、外国で日本の優れた物が大切に所を得て展示されていること、それに出会う

ことは嬉しいことであったと率直な感想を述べられた。大変好感の持てる講演会であった。


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