『黒幕と言われた男』の著者の戯言

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新作能「鷹姫」

2017-10-28 11:29:13 | 日記
 哲学者梅原猛氏が新作能を発表して謡の詞が現代語で謡われると聞いたことがあるが、

今回の「鷹姫」は翻訳ものである。アイルランドの詩人・劇作家がフェノロサの影響で

能に関心を寄せ戯曲「鷹の井戸」を書き、その逆輸入である。かつて喜多流で上演された

こともあるそうだが、今回は観世流が書き直して上演した。

 ストーリーは、ある孤島の泉に水が湧くのを待ち続けている老人がいる。そこへ波斯(はし)の

国の王子が来て一緒に水の湧くのを待つ。突然鷹が鳴き水が湧くが鷹の姫がそれを汲み尽くして

去る。老人は水を求め続け輪廻の苦悩を演じる。

 あらすじはそのようなことであるが、能として表現したい哲学はなかなか難しい。

 ただ、この能で斬新な手法がとられているのは、本来ストリーやセリフを説明する

地謡を排してシテ(主人公)や登場人物がセリフのかたちで謡うことである。能が日本人でも

理解がむつかしいのは古文で謡われる謡の詞が聞いても分からないことだ。謡に慣れるまでは

何と言っているのかさえ分からなくて謡本(台本)とにらめっこになる。

 だからこの方法だと聞くと同時に理解できる。ギリシャの仮面劇と通底するところがあり、

外国人でも日本語を母国語に同時通訳すれば理解できるだろう。なかなか面白い試みである。

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