『黒幕と言われた男』の著者の戯言

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ノーベル賞受賞者の一宿一飯

2014-10-13 10:33:55 | 日記
 今回のノーベル賞受賞者については、すでに新聞 TV 雑誌 ブログなどたくさんの解説や評論が出て後追いながら、面白いと感じたことを少々。

 物理学とはいえ、基礎物理学のような素人にわかりづらいものでなく、LEDというすでに実生活に入り込んでいるものだった点が、かつてない親しみと へえ~これもノーベル賞?
しかも今頃? という印象を持った。

 それからお三人のキャラクターの違いが際立つこと。
天野氏は赤崎先生の一番弟子のような位置だから、自分が恩師たる大先生と一緒に受賞したことに喜び以上に驚きと恐縮で言葉にならないようなご様子。
 
 あとの二人は風貌からして大違い。赤崎氏は科学者としての毅然としたところと好々爺的な優しさを持ち合わせれておられて、自分の受賞は周りの協力者・支援者の力の賜物 自分は好きなことを諦めずにやってきただけと遠慮がちに仰る。そして、大学卒業後に松下の研究所に身をおいて研究をさせていただいたことへの感謝を述べられた。一宿一飯の恩義である。

 中村氏は赤崎氏と比べれば年齢もずいぶん若いが、野人的な言動で研究の動機は怒りのエネルギーだとの発言。和解したとはいえ、大学卒業後に就職した日亜化学工業での悔しい思いがしこっているのだろう。かなり古い話になるが、彼の開発した発光ダイオードは1990年に特許申請され7年後に登録されている。本人にすれば会社に大いに貢献したつもりだが、会社は大量生産できるものではないとして高くは評価せず、報奨金として2万円支給した。その研究期間中も成果が出るまでの間月給泥棒のようにいわれ冷遇されたことに腹を立てた彼は2001年特許権の帰属をめぐって会社を提訴した。一般に会社員として会社の研修室での研究成果や開発の成果は会社のものと考えられていた時代に その帰属をめぐっての問題提起は同じ立場の人々の関心をよび、門外漢の私だってうーん一理あるなあと興味を持っていたが、彼の要求した対価が200億円だったことから、天文学的数字に驚くやらそれはあんまりだろうと思った記憶がある。その後2004年の東京高裁が和解勧告してその対価は6億とされ遅延利息と合わせて彼には8億支払われた。弁護士が研究に費やすべきエネルギーを裁判に消費するのはもったいないと説得したようだが、後年彼は無理やり和解させられたと述べていることからも、日亜化学には敵意を抱いたままであったのだろう。赤崎氏の松下への感謝の弁を聞いた彼は、複雑な心境であったろう。自分が入社した当時、多額の研究費を認めてくれた創業者には感謝すると発言している。
 ちなみに、日亜化学は彼が研究開発したもろもろの特許を取り消している。この判断は今から見れば経営者として狭量で先が読めなかったようにも見える。今回も彼の研究をを支えてき会社の名誉であるというコメントを出し、単純に元社員の快挙といった祝意は表わしてない。

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