『黒幕と言われた男』の著者の戯言

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全国短歌大会in塩尻

2014-10-02 11:01:27 | 日記
 自分の所属する結社「塔」以外に投稿参加したのは初めてである。
動機は不純ながら茅野や諏訪の観光に近いからであるが、このことは別稿で書くことにする。

 塩尻の歌会は28回を重ねるというが、市を上げての大行事、町おこしなのだ。
駅の改札には和服姿の若い男女が迎えてくれて、1人や2人でない関係者が案内する。
駅から会場まではずらりと紫色の歓迎旗が並んでいて迷いようがない。
 会場横の広場には蕎麦の屋台や赤彦汁という味噌汁が出ていて、ほかに地元の銘菓や手仕事民芸品が売られている。そのスタッフのほとんどが主婦などのボランテイアなのだ。

 歌会の様子は10月25日(土)の午後NHKのETVで放映されるそうだが、
選者は岡野弘彦・馬場あき子・佐々木幸綱の3氏。歌壇では最高峰の方々で、
入選作品については丁寧な評と表彰があった。応募総数は2500を超えていると思われる。その中での40名あまりの入賞者は誉れ高いことであるが、意外と平明でわかりやすい作品が選ばれていて、新しさを狙ったようなものや思索的に難解なものはなかった。

 そのあと、穂村弘・東直子のトークイベント「時代を映す恋歌」が行われた。
この2人は若手として活躍中の方だが、掲出された歌の中にはまさに今風なものがあり、
高齢者の多かった会場では少し受け入れがたい人もいた。
  「したあとの朝日はだるい 自転車に撤去予告の赤紙は揺れ」岡崎裕美子
 何をどう詠んでも自由とはいえこの即物性には共感できない。シモネタみたいだ。
私が穂村氏に拒否感を伝えたら「晶子だって露骨なこと詠っています」との返事。うーん。

 このあと、小学生を中心とした音楽劇が上演された。大人が子どもに地域の昔話を
聞かせる筋になっているが、万葉集や太田水穂の歌、昨年度フォーラムで入選した歌、地元の
小中高校生の歌がふんだんに映し出されて子どもたちの素直な歌に心和んだ。

 さらに選者たちとの懇親会が行われた。ここでもサービスに努めてくれたスタッフは
全員市の職員だった。ウエイターやウエイトレスの衣装にニコニコワインを配ってくれる姿に
大きな都会では考えられない。ちなみに駅頭で和服を着て迎えてくれたのは水道局の職員だった。

 翌日は塩尻の短歌ゆかりの地を小学生の案内でめぐった。町の街灯には27年間の入選歌が
刻まれ、水穂の生家や歌碑などをめぐり、最後は短歌会館へ着いた。そこでも横の広場で地元の主婦たちによる大きなおにぎりや水穂汁をふるまわれた。皆さんのエネルギーを感じ
子どもたちの美しい言葉遣いやきちんと正座しておにぎりを頬原姿勢にも感心した。