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Symphonyeel!(シンフォニエール!)

ようこそ。閲覧者の皆さんとのメッセージが響き合う場となってほしいナ―という想いで綴ってます

その名は「UT-X」

2010-12-19 20:20:15 | Stream of Tears 心の手帳
前回の「心の手帳」に記した、私の一回り年下の後輩ちゃんが手にした楽器について―


記事はこちら。
http://blog.goo.ne.jp/yusuke573/e/a40b9b3b1498afac13ec460afb8f7960

18日(土)に行われた、所属アンサンブルグループの練習に、彼女はやってきた。
黒く輝くハードケースを抱えて。

メイカー選びのための中古だけの試奏をしたのが12月5日。そのあとすぐに輸入元に発注をかけ、届いたのが13日くらいだと聞いた。
正確には、スライド等の不具合があり、一度輸入元会社に送り返していたのだが、それもすぐにチューンされ、楽器屋さんに戻ってきたという。
今年中には手に入らないだろうと思っていたが・・・あまりにも早すぎる。
その事実にまず驚いたのだが。


中を開いてもらってさらに驚き。

通常、XO社製テナーバストロンボーンは、型式番号が3つ。
F管を、まとめて巻いたオーソドックスなスタイルの「SR」
F管を、大きく緩やかに巻き、さらに通常演奏時のクリアな吹奏感を求めた「UT」
バルブ部分に、アキシャル・フローバルブ(通称:セイヤーバルブ)を採用した「BT」

彼女のものは、緩やかにF管が巻かれたものに、先に紹介した、「ROTAXロータリーシステム」が搭載された、まったく新しいトロンボーン。

「ロタックスバルブシステム(特許CH687485A5)の考案者クリスチャン・シュルツ氏のアイデアとウィルソン社の高度な工作技術の融合により、非常に優れた通気システムのロータリーが生まれました。主な特長は、
(1)ケーシングとロータリーの隙間から漏れる空気のロスを限りなくゼロにした。
(2)クイック且つ滑らかなレバーアクションを得た。
(3)ロータリー内の空気の乱れを少なくし、スムーズな息の流れを得られた
…等、非常に優れたロータリーシステムです。
より転載


その型式名は・・・「UT-X」
ROTAXロータリーのスペルの一部をとったものか
それとも、未知の可能性を秘めたカタチのトロンボーンにふさわしいと思って名づけたのか
いずれにせよ、トロンボーンという基本的なカタチや、温かみのある音色は21世紀になった今も何も変わらないまま、新たな時代へ向けて、もっとよい響きを、さまざまな音楽に融合させるための楽器を生み出していく。

そのクラフトマンシップが、これでもかといわんばかりにオーラのようににじみ出たその姿―
そして、彼女の発する明るく輝かしい鳴りの音―
私はもちろん、練習に来ていたメンバーの誰もが驚愕した。


彼女は言った。
「ホントは日曜日の午後に、のんびり取りに行こうかと思ったんですけど、先輩に早く見せたくって。本当にありがとうございました。」


彼女にお願いして実際に吹かせてもらうと、まあ何と明るい広がるような透明感のある音!
コントロールしやすい音量
持ちやすく仕上げの丁寧な管体
一瞬にして虜になった彼女の気持ちがよくわかる感じがした。

ついでに思ったのが(楽器を売ってくださった楽器店の社長さんとも話したことだが)
「これを2つ搭載してバストロンボーンを作ったらどうなっちゃうんだろう?いくらくらいになるかな?」
そんな期待させ感じさせる素晴らしい楽器に仕上がっていたのだった。

まだ楽器になれていないこともあって、大変そうではあったが、アンサンブルの練習に加わった彼女はとても楽しそうだった。


新たなる名器が、彼女の音楽人生を変えていくことだろう。



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