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Symphonyeel!(シンフォニエール!)

ようこそ。閲覧者の皆さんとのメッセージが響き合う場となってほしいナ―という想いで綴ってます

今週のHibiki―っ 23 「蒼く輝く星」

2008-10-23 23:45:13 | Stream of Tears 心の手帳
気が付けば10月も終わりに近づいた。
秋は短い、とよく言うがそれは本当に大当たりで、ついこの間は「涼しくなってきたね」という言葉が聞かれたかと思えば、最近は「夜肌寒いよね」になった。


「心の手帳」の中でも、「今週の~・・・」を綴るのは久しぶりになる。
それもそのはずで・・・
9月末、私は昨年の11月1日付けで入社した会社を辞めていた。
そこに至るまでには、並々ならぬ精神的苦痛を伴った。8月末以降はまさに「針の筵」。会社に出勤するだけでも心苦しかった。おそらくここに長くいたら、また体を壊してしまうだろう、いる場所もなくなってしまうだろう―そう思った。
さらに、海のものとも山のものともつかない事業が立ち上がったものの、諸事情から座礁に乗り上げたまま、私は毎日毎日「待つ」ということが仕事になった。
本来の業務も、気持ちよく行うことができなくなっていった。

「すべては私のせい」
誰がなんと言おうと私のせいなのだ。

私の予感は見事に的中し、私のいた部署は閉鎖となり、業務は直接の上司と事務長が引き継ぐことになった。
しかし、私がいなくなった途端に、顧客の数こそ少ないものの、その部署の業務は急ピッチで回り始め、引継ぎも、私が前任者から引き継いだときは丸二十日かかったのに対し、「上司だから大まかはわかっている」という条件を差し引いても、わずか半日で完了。
(実は手続き的にまだいろいろ問題があるのはここだけの話)
百歩譲って言うならば「体のいい厄介払いだナ」と思った。


でも、こればかりは仕方がない。
大学を卒業してすぐの頃の私とは違う―
すぐに気持ちを切り替え、もう一度考え直すべく、「私の軌跡を知る人」に相談した。
主治医の先生、私の就職相談に乗ってくれた若年職業安定所の臨床心理士さん、私の就職面接に対し、紹介状をたくさん発行してくれた窓口のスタッフの人、etc・・・

「行くか 止まるか」と。
今まで歩んできた道を・・・「医療・福祉の世界」を。

【行くか止まるか フツーの人間にゃ理解できやしねぇだろうが オレたちには結局この2つしかないんだな
行くと決めた以上 とことん行くだけだ
失いたくない 守り続けたい このまま少しでも長く今のままでいたい
お前もオレたちもどこかでそれを望んでいた
だが そんなモノはもうあのZじゃない
何よりもZ自身が望んでいないコトをオレたちはしようとしたんだ
わかりすぎるほどわかっていたクセにな
ただ頭でそうわかっていても 目の前でZが傷つくのを見るのが怖かった
無意識に守ろうとして 目をそらした
まっすぐに見ていたのはただ一人  「(アキオ)レイナだけだった」
Zは走りたいんだ アキオ これだけスピードに飢えている車はいない
それを限界まで引き出してやることが オレたちの務めなんだ
そしてそれができるドライバーは Zに選ばれた お前だけだ
(アニメーション版 湾岸ミッドナイト ACT.18「今、この場所に・・・」より)】

私が下した決断、それは・・・「行く」「最後まで降りない」というコト。

有休を消化する間に、体を休めつつゆっくりと当面の方向性を決めなくては。しかし、収入がなくなるのは困る。迷っている暇はない。
しかし、いろいろと探したり、面接したりしている間に思った。
「就職」は簡単にできる。けれど、自分が納得できる企業に「就社」するのは容易くないと。

さまざまなところに面接に行き、電話をかけまくり、職場体験もした。
だがその中には、現場担当責任者は「ぜひ来てほしい」というところでも、私が「抱えているモノ」を慎重に捉える採用責任者も多く、残念な結果に終わったところもあった。
しかし、偶然とゆーかなんとゆーか、そういったものは実に恐ろしいもので。
私が大学時代目指していたモノに限りなく近いポジションにある、とある施設に面接をした。試験は作文と面接。採否の決定は一週間後となるはずだった。
しかし、電話がかかってきたのは翌日だった。有休最後の日だった。
迷いはなかった。

私は、嬉しい半分、心の底では気になった。
どうして「私が抱えているものを含めて私を採用してくれたのだろうか」と。
しかし、それは杞憂だったことは、電話をかけてきてくれた看護師長さんの言葉ですぐに気が付くことになる。

「正直に話すことでわかってくれる人」が世の中にはいるのだ、というコトだ。


そして数日後、私はその施設の制服に身を包み、「福祉」の「ふ」の字は変わらないまま、これまでにない未体験ゾーンに踏み入れた。
今まで出会ったどの利用者とも違う、どの空気とも違う―
勤務の最初の1、2日は、とにかく「新鮮さ」が心に飛び込んできて、不安とかそーゆうものはなかった。
しかし、慣れない業務に加え「1からやり直し」という重くのしかかるプレッシャー、度重なる不安の連続で、体が動かない日々や、頭痛や首・肩の痛みを感じる日々が続いた。
「慣れればどうにかなるだろう」という思いが通じなくなっていった。

自分は新卒のスタッフではない、曲がりなりにも経験を積み、それが初任給にも反映されている。
だから、「こんなこともできないの?と思われてしまったらどうしよう」、「頼りないヤツだって思われていたらどうしよう」
そんな思いばかりが頭をよぎっていた。

いつか弟に言われたことがある。
「『好きなように生きるのと、好きな事をして生きるってゆーのは違う』てことはわかってる。けど、『自分にとって楽しい事を、金銭を得るため・自己啓発のために仕事をするのと、本業は本業で、それとは別にボランティアでそれをやるってゆーのは、同じ“楽しい”でも違う』」と。

せっかく就職が決まったと思って喜んだのもつかの間、私は早くも調子を崩しだした。
そして思った。「頑張ればなんとかなる、はもう通じない」「早まったか」「この世界に生きること自体間違いだったのか」と。



ちょうど、のべ一週間が経った今日、私は配属フロアの看護師長さんと面談をした。
師長さんは、気が付いていた。私の異変に。
ずっと見ていてくれた。
現場に唯一いる男性看護士さんもずっと見ていてくれていた。

ちゃんと見ていてくれる人なんだ、と思った。
「わかってもらおうじゃダメだ、わかろうとしなきゃ」とあせあせおろおろしている私を解ろうとしていた。

上手くはいえないけれど・・・



大きく話は変わるが、「象の背中」の映画をDVDで見た次の日、私は、主演の今井美樹さんが歌う「PRIDE(プライド)」という歌を思い出した。
あの映画の中の今井美樹さん演じる妻も、今井美樹さん自身も、「南のひとつ星を見上げて」いたのではないか、と。


私は東の空に輝く「明けの明星」が好きだが、とにかく星座を含め星を見るのが好き。
特に写真などで見て、蒼い光を放つ星が好きだ。おとめ座のスピカがそうだ、という。
コンパスなどがなかった古代の人たちは、星を見て方角を見ていたのではないかといわれている。自分が目指す方向を、太陽だけでなく、星を見上げることで探し、見つめ続け、歩んでいったのだろう。
強い光を輝く星や月なんかは、誰が見ても同じようにそこにあって、光を放ち続け、まるで、自分が今何をしているのかを見つめてくれているように感じられる。


見失いたくない。
取り戻しかけている、「上手く軌道に乗ればちゃんとパフォーマンスを発揮できる自分」を。

今日私は、新たに加わっていたブログテンプレートに切り替えた。
蒼く輝く「星」のテンプレート。

長く輝き続けていたいから。
「光年」という単位を使って計られる星の距離のように、長く長く、そして強く。

パーソナルバトン! 第二弾

2008-10-19 23:51:27 | バトン集
(use)
■携帯:au WOOOケータイ W53H

■ストラップ:コンビニキャッチャーで取った「ガンダム00」のストラップ

■パソコン:SONY VAIO

■財布:POLO

■ポーチ:使っていない

■バッグ:コムサ、TAKA-Q

■手帳:大学時代に購買で買った、深いブルーの本皮のもの。

■シャンプー:イオン化粧品のシャンプー。地肌にいいらしい。

■ボディ:イオン化粧品のボディソープ。

■歯磨き粉:クリアクリーン、デンタークリアMAX

■歯ブラシ:Ora2

■洗顔:イオンソープ。洗いあがりはサイコーだぜ

■リップクリーム:メンソレータム・ウォーターリップ

■目薬:いろいろなのを使ってます

■香水:人工的なにおいはダメ。絶対に使えない

■愛車:TOYOTA AURIS 180G Sパッケージ

■筆箱:EDWINのペンケース

■シャーペン:お気に入りはパイロットの「ドクターグリップ」

■消しゴム:MONO(しのさんと同じ)

■靴:REGAL

■お箸:100円均一で手に入れた、PUMAのプラスチック

■お茶碗:青色の水玉模様


(first/初めての)
■おつかい:マヨネーズを買ってきて、といわれたのが最初かな~

■自転車:小学校一年生のときに乗れるようになった。

■1人部屋:なし

■初恋:小学校五年生のとき。中学校一年生まで好きだった。でも、相手が特定の宗教を信仰していたなどの違いもあって告白は断念。

■告白:されたことはない。したことがあるのは中学校三年生。年下の後輩。

(past/昔の)
■将来の夢:小学校の先生、ラジオパーソナリティ

■怖かったもの:暗い夜道。怖い人とか幽霊とかに襲われそうで。でも基本的にビビリ屋なので、なんでも怖がった

■習い事:書道と珠算を小学校時代に―

(other)
■起床時間:普段は6:00

■就寝時間:普段は0時

■風呂何分?:30分くらい

■どこから洗う?:髪

■将来の夢:健康で音楽をし続けられてちゃんと年金がもらえる老後が来ればいいな、なんて―

■電話着信音:Speed of S30Z(アニメ・湾岸ミッドナイトより)

■メール着信音:「STAGAZER~星の扉~」

■家の外壁の色:白

■家の階段の段数:ウチは平屋なのヨ

■自室何畳?:8畳

■カーテンの色:青色のチェック

■自室にある家電製品:ビデオデッキ、クーラー(夏限定)

■縄跳びどこまで飛べる?:2重跳び、2重あや跳び、3重跳び可能

■尊敬してる人:小学校時代の恩師。

■ストレス解消法:寝る、音楽を聴く・演る、「湾岸ミッドナイト」やガンシューティングゲームをやりまくる

■おすすめグッズ:「くつしたにゃんこ」のキャラクターグッズはかわいい。癒される

■何フェチ?:声フェチ

■1番行きたい所:喧嘩などの争い、交通事故がない、静かな山岳地帯

■今の気持ちを漢字一文字で:踏(アクセルを、リズムを)




前回のアップロードに書きそびれましたが、このバトンは、gooブログ友達の「しの」さんからいただいて、一部アレンジを加え私なりの回答をしています。
サンクス!しのさん!

パーソナルバトン! 第一弾

2008-10-18 23:40:00 | バトン集
(personal)
■名前:Hibiki

■住み:石川県

■年齢:30歳

■職業:看護助手

■家族:家には父、母。東京に弟。

■身長:167cm

■体重:あと4キロ落としたい(あれ?今の体重は?)

■視力:0.03

■握力:不明

■所持金:今、財布の中は4500円

■習い事:なし

■小遣い:稼ぎたいねぇ(笑)


(like)
■和食:お味噌汁、湯豆腐、うどん

■洋食:おむにゃいす(オムライス)、パスタ

■菓子:甘すぎず、の和菓子。シフォンケーキ

■おにぎり:昆布、ツナ

■おでん:がんもどき、大根、ちくわ

■ラーメン:ニンニク臭くなければどんな味でもOK。

■パン:くるみパン、おいしいサンドイッチ

■チョコ:なんでも大好き。お酒入りはダメ。

■アイス:しゃくれ→×(ニワトリの名)、サクレ→○

■ガム:ミント系を中心に何でもOK。特にロッテ「キシリトールガム」

■アメ:シークヮーサーのど飴

■駄菓子:うまい棒(味は問わず)

■ジュース:甘くないorブラックのコーヒー、ゼロカロリーコーラ、ジンジャーエール、ポカリスウェットイオンウォーター

■お茶:杜仲茶、緑茶、麦茶、烏龍茶

■色:白、黒、青、赤

■数字:6、7、8

■教科:社会、国語

■音楽:オーケストラ演奏のクラシック、サントラ、吹奏楽

■歌手:清心さん、栗林みな実さん

■俳優:森山未来さん、本木雅弘さん

■女優:松下奈緒さん、菅野美穂さん

■芸人:山口智光さん

■スポーツ:モータースポーツ、バスケットボール

■海外:イギリス~ヨーロッパ全般

■TV:アニメ、ニュース、ためになると思われるクイズ番組、「プロフェッショナル」、題名のない音楽会など

■映画:泣ける映画とスカッと爽快!な映画。今この記事を書いている時点で公開されている映画の中で観たいのは「P.S. アイラブユー」かなぁ。

■ドラマ:基本的に見ない。

■小説:村山由佳さんの「天使の卵」

■漫画:楠みちはる「湾岸ミッドナイト」

■雑誌:車雑誌。でも立ち読み。

■季節:新緑の季節が好き

■動物:猫、犬、ペンギン、イルカ

■香り:人工的で強烈なニオイじゃなければ何とか平気

■キャラ:ガンダム00の「ロックオン・ストラトス」、カウボーイ・ビバップの「スパイク・スピーゲル」

■花:デンドロビウム、ガーベラ、コスモス、カスミソウ

■場所:空気のおいしい山、夜の海

■コンビニ:ファミマ

■マック:てりたまバーガー(期間限定)

■ケンタ:香辛料のパンチがきいたチキン

■ミスド:チョコファッションをはじめとしたチョコ系ドーナッツ。リッチドーナツもいいねぇ

■モス:パンズがおいしいから基本的になんでも大好き。ポテトもおいしいね

■31:その日の気分によりけりだナ

■ファミレス:ガスト、かな

「象の背中」

2008-10-15 22:59:48 | シネマレビュー
【作品概要】
象は死期を悟ると、群れから離れ、ひっそりと最期を迎える場所を求めて旅立つという―

「自分探しですか?」「自分っていうのはここにいる、ここにいるのが確かな自分ですから」
「生きてください、1日でも、1分でも長く・・・!」

【ストーリー】
妻、そしてしっかり者の息子にかわいらしい娘の子供2人、マイホーム―これまで、何不自由なく暮らしてきた、中堅不動産会社部長の藤山幸弘・48歳は今まさに人生の「円熟期」を迎えようとしていた。だが、ある日突然、末期の肺癌で「余命半年」と宣告されてしまい、残された時間をどう生きるか選択を迫られる。家族の事はもちろん、建設会社の部長として精魂傾けてきたプロジェクトも気掛かり―。しかし、これまでの人生を振り返った彼の選択は、延命治療ではなく、自分なりに人生を全うしよう・「死ぬまで生きる」と決断し、大切な人に見守られて逝く、ということであった。
若い愛人・青木悦子に真っ先に癌であることを告げ弱音を吐くが、できるだけ心配や動揺をさせたくないと、妻・美和子と娘のはるかには伝えず、長男である俊介にだけ伝え、激痛に耐えながら彼は、心残りのないよう、残された時間で今までに知り合った大切な人に直接会って、癌である事実を伝え最後の別れを告げるべく、あちこちを訪ね歩いた。
しかし、日が経つに連れ、妻やはるかにもその事実が発覚してしまい、病状も悪化していき、幸弘は海辺のホスピスに入る。幸弘は、長年口を利いていなかった実の兄幸一に、死後の家族の生活資金として1400万円を工面してもらうのだった。ホスピスを訪ねてきた幸一に「本当は死にたくない、死ぬのが怖いんだ」と語る幸弘。
また幸弘は、「また会いたい」とホスピスに愛人・青木を呼んでしまうのだが、そこで青木は妻と遭遇してしまう。しかし、美和子は自由に振舞っていた夫を想い、何も言わず深々と頭を下げた。幸弘は青木にも遺骨を分けてあげてほしいと頼み、幸一もそれを受け入れる。
そして、力衰える幸弘と必死に看病する美和子は、お互いに手紙を書き、思いを伝えあう。
やがて幸弘は愛する妻と子供達に見守られ・・・。

【登場人物・キャスト】
藤山幸弘:役所広司
藤山美和子:今井美紀
藤山俊介:塩谷瞬
藤山はるか:南沢奈央
青木悦子(幸弘の愛人):井川遥
佐久間清(幸弘の同級生):高橋克実
福岡美穂(幸弘の初恋の女性):手塚理美
高木春雄(幸弘の会社の取引先):笹野高史
今野(幸弘の会社の社長):伊武雅刀
城山(幸弘の会社の同僚):益岡徹
松井(幸弘の主治医):白井晃
藤山幸一:岸部一徳

【スタッフ・詳細情報】
監督:井坂聡
脚本:遠藤察男
音楽:千住明
主題歌:CHEMISTRY「最期の川」

【コメント・感想】
この映画が劇場公開されようとしていた2007年秋、私はとある本屋さんの準社員でした。その時店頭に流れていた予告映像でこの映画を知りました。冒頭部分の、息子に対してがんを告白する場面などのダイジェスト映像を見たので、正直怖くて見ることができませんでした。
しかし、とある番組に流れた「JULEPS」というグループが歌う「旅立つ日」という歌を知り、さらに、母親からとある衝撃の事実を知らされ、涙に暮れる母を見てこの映画を観ようと決意し、DVDをレンタルしました。

人は、いつかは死んでいきます。
突然の事故で死ぬ、病気で死ぬ、自殺してしまう、災害で命を落とす、etc・・・理由はどうあれ、人間が死ぬ確率は100%―。無理をして生きていても、楽しく生きていても、人間いつかは死を迎えます。
「どのように死ぬか」という、人間にとって避けられない大きなテーマがズシッと圧し掛かります。
「死」というものをテーマにした映画はこれまでに何作か観てきましたが、邦画ということ、「男」という自分との共通項、さらに上記の「とある衝撃の事実」が見事にリンクし、素直に映画の世界に入っていくことができました。
原作は本ということで、読んでいませんが、作者が、「川の流れのように」「メロスのように―lonely way―」など私の心に残る詩をたくさん書いている秋元康さんということで、ますます氏の世界観が好きになりました。

しかしこの映画、言い方は悪いですが、「面白いように」賛否両論。意見が真っ二つ。
「余命わずかの人を主役にして、人気アーティストの音楽を使って泣かせることばかりを狙った映画がゾロゾロ。死の周りには様々なドラマがあるだろうけど、どれも薄っぺらで、映画をなめきったような作品ばかりで、もううんざり!」
「秋元康が考えるストーリーってこんなものなのだろうとか、理想を夢見るバカな男どもが集まってこの映画を作ったんだろう」など、散々なことを言い合う人もいたそうな。

私からすれば「おめでたい人たちだな」と思います。

確かに、癌を宣告された人間に、そんな潔いことができるでしょうか、とは思いました。しかも、一家を支えている父と言える男が、ですヨ―
死に至る癌を宣告されるということを私は経験していませんが、末期がんの宣告はおろか、がん細胞になるかもしれない初期の初期の細胞が見つかっただけでも恐ろしくて眠れないという人だって、世の中にはたくさんいます。
また、私の父方の両親は、「曽祖父母よりも先に」癌で亡くなっています。
死の宣告は本人だけでなく、家族をはじめ周りの人々へも重くのしかかるのは当然です。当人の幸弘は勿論の事、彼の選択を受け入れてゆく周りの人間の「心の過程」は切なく、残酷です。それでも、最後には死に行く者の意思(意志)を尊重し、潔く死を受け入れた幸弘本人と家族の愛は、眩いばかりに輝いたものだと私は思います。
そしてそれは、この世の中に無数に存在する家族の中の、たった一つのサンプルなのかもしれません。もしかしたら、ほとんど同じ境遇の家族が同じ空の下にいるかもしれません。だから私は軽々しく酷評できないと思います(私が映画のレビューをブログにしか書かないのはそのためです)。

序盤に、井川遥さん演じる愛人の青木が出てきた時点でちょっと驚いてしまいましたが、私は「第三者の目線で」すぐに理解をしました。それは、以前観てレビューを載せた、サラ・ポーリー主演の「死ぬまでにしたい10のこと」にも、似たような設定があるからです。
もちろん褒められたことではありませんし、上記の作品と違い、愛人の関係は癌宣告前から(のよう)ですが、「浮気をしていた」という簡単な世俗的なモノではなく、「仕事を通じた出逢いの中でお互いの事を好きになり、良きか悪しきか、信愛する仲になってしまった」ということだと思います。「死ぬまでに・・・」のアンは夫や家族への思いをカセットテープに残すなどしましたが、幸弘はさらに進んで、妻の事をずっと愛し、真剣に考え、尊敬もしている。それでいながら愛人への責任を強く持っているシーンが描かれています。
遺骨を分けてほしいという願いを実兄に、家族が必死になって看病しているホスピス内で告げるということに、「どこまで自分勝手な!」「若い愛人に骨を分け与え、思い出で縛り付けるのか」とレビューに綴っていた人がいましたが、私は100%そうだとは思いませんでした。
幸弘がさまざまな人に会って最後の別れを告げるシーンも、私はその勇気に感服です。色々な人の殆どが、長い間の付き合いではなかったのに、ちゃんと会いにいきたいから、会いに行く―それを「自分勝手」「余命半年という重いモノを背負わされるのは余計に迷惑だ」という人もいましたが、私がもし逆の立場だったら、ある日突然新聞のお悔やみ欄で知るよりも何倍もマシだと思います。癌に侵されて余命半年という人間のスタミナの維持は、生半可なものじゃないという事を、この目で見ているからなのです。その体でなお「私という人間に会いに来てくれた」というだけで幸せなことではないでしょうか。喜ばしいことではないでしょうか。忙しい世の中、真剣に生きることが難しくなっている世の中、自分の事だけで精一杯の中で、自分が触れ合った他人を大切にする、そういう思いを持っている人がこの世にどれだけいるでしょうか。

そして、なんといっても、家族!
「二人の子供も素直に見送る体制が出来ているし、妻も新婚か?と思う程貞淑な女性を演じていて物分りがよすぎる」。という人がいたのが「残念」を通り越して「おめでたき人」に思いました。
物語は、癌の宣告を受ける父の話からスタートしますが、心の底から優しい妻に出会い、幸せな家庭を築き、しっかりとした子供を育て上げるのにどれだけの苦労があったのかが描かれてないだけで、それはそれは大変な苦労が会ったのではないかと私には推測できるのです。悔しかったら、自分もそんな家庭を築いてみなヨ、しっかりものの息子・娘を育て上げてみなヨ、と心の奥深くでそう思いました。


実話でないのは仕方がないこととして、何よりも、どうしても重いものになりがちな「生と死」のテーマを真正面から捉えている映画の中でも、冷たい感じがせず、温かみを感じられる演出、演技が良いと思いました。
心に引っ掛かることは取り除き未練なく過ごそう、とする反面、病気を伝えることで悲しませてしまう人もいる。そんな葛藤と進行する病状に悩みながら、運命を受け入れ、残された日々を精一杯生きる―「人生のうちで一番輝いた180日間」というのは、本当にピュアな日々だったのだと思います。
そんな日々を過ごしている現代日本人がどれだけいるでしょうか―

兄・幸一と一緒にスイカを食べるシーンのセリフが心にこだまします。
「いいさ、人間なんか所詮、みんな弱虫だ」
そう言って先に逝くことになる弟と一緒に泣くのです。音楽も含め、最高の場面だと思います。


海辺のホスピスに入ってからラストまでは、さまざまな時間帯の海の風景が映され、非常に印象的です。
そう、海といえば、村山由佳さんの小説「天使の卵」内で、こういうセリフがあります。
「象の墓場って聞いたことがあるでしょう?」「でも、鯨にも墓場があるの、知ってる?このあいだ、友達が南極で取ってきた写真をみせてくれたの。すごかった。鯨たちの骨が氷の上を、見渡すかぎりうずめているのよ。湾曲したあばら骨の先が、こう、空をつかんでるみたいに上を向いて並んでいて・・・。みんな自分の死期を悟ると、さいごの力をふりしぼって、そこへたどりついて死ぬのね」
原作の秋元康さんも、もしかすると、このコトを知っていたのかもしれない、とふと思ってしまいました。

私があえて、演出面のみ「オイオーイ」と突っ込みを入れるなら、
「癌になってもタバコはやめられず最後まで吸っていた」ということ(本当は、ドクターストップがかかるはずだし、家族も止めさせるべきなんですが、好きなモノは最後まで好きにさせてあげたいという心がそうさせたのだとも解釈できます)。
あとは、「在宅酸素療法を行っている真っ最中にもタバコを吸っていた」ということですね(これはやっちゃいけません)。

では最後に、男として、父・幸弘が、息子・俊介に語るセリフを。
「そのまま生きろ。そのまま、そのまま、お前のまんまで生きろ。自分を押し殺すな。協調性よりも大切なことがある。嫌われる勇気を持つんだ」


「dream link」 (栗林みな実)

2008-10-14 20:42:59 | 聴いてほしいオススメCD
[CD情報]
Lantis(ランティス)より発売
ディスク番号:LACA-5802
定価:¥3000

[収録曲紹介]
1. dream link
2. Love Jump
3. wonderful worker
4. 抱きしめたその後で
5. BUT,metamorphosis
6. 涙の理由
7. United Force
8. 海から始まる物語
9. Rain Rain
10. Yell !
11. eternity
12. divergence
13. 風と星に抱かれて…
14. Next Season

[コメント]
2008年8月に発売された、「BEST ALBUM」ではない栗林みな実さんのアルバム、第2弾です。
収録曲は、アニメーションやゲーム、ドラマなどのテーマ曲が多いので、「BEST」といっても過言ではないのですが、オリジナルが3曲(純粋な新曲は1曲)収録されていて、そのチューンがまたとても良い!
もちろん、他の既発表曲もバランスよく配置されていて、聴いていて飽きさせません。
コアなファンの方々はシングルその他をチェックしているでしょうけれど、それらがおいしくぎゅーっと詰まったこのアルバムはまさに必携の品。
歌詞・作曲共に、本人が手がけているナンバーが多く、女性らしい歌詞、かつ心に残る曲が多いのが印象的。
タイトルチューンの「dream link」だけを聴いただけで完全にノックアウトを食らいます。
「fantastic arrow」と共に手にすることで、存分に彼女の歌の魅力に浸れることでしょう。

彼女のアルバムにおいていつも思うのですが、「初回プレス限定版」の得点を何かしらつけてほしいなぁということ。
シークレットトラック、ポストカード、ステッカーetc・・・
曲の良さは言わずもがな、なのでそーいった点でもっとプレミアム感を出してみては?と思うのが私の個人的な感想です。

これからの彼女のますますの活躍に期待しましょう!

あこがれの先輩

2008-10-09 23:57:42 | Stream of Tears 心の手帳
魅力的で、美人で、後輩にも優しい先輩がいるとする

その先輩が、長いこと会っていなくて・・・お互い年齢を重ねたある日突然出会ったりなんかすると、以前の何倍も魅力的に見えるようになったりする

結婚しているってわかっていても、どうしてあんなにまぶしく見えるんだろう


今日、たまたまスーパーで出会った中学校時代の先輩。

歳は2つ上で、吹奏楽部のフルートパート。とにかく上手だった。繊細でまっすぐな音を、透明感ある音を出していたし、ピッコロに持ち替える時もあった。
笑顔がとにかく可憐で、同じく仲がよかったトロンボーンの先輩と2人で、バレンタインのチョコレートをくれたりなんかもした(もちろん、お義理だろーけれど)。
私は、その先輩に恋愛感情を抱いていたわけではないけれど、同級生の部員同士で「憧れの優しい先輩」として名前を挙げるならその先輩であることに間違いはなかった。
あの優しい眼差しは、今でもまったく変わっていない。
一段と深みが増したというか、「あっ、この人といると心地いいだろうな」という直感を抱かずに入られない、そーゆう空気を持っていた。

私の年上好きは、もしかするとここから始まったのかもしれない、なんてことを考えてみたりする。


先輩は、保育の専門学校を出て、ちゃんと保育士として働いているという。
転職(転社)をしたのは一度だけ。本当に保育の仕事が好きで、そして上手に社会人を生きているんだと思う。
結婚して、現在息子さんが小学校二年生。
そして、地元の吹奏楽団でフルートを今も吹いているそうだ。
「県大会で金賞取ったんだよ、むっずかしい曲だったけど」とにこやかに笑った。


遠い日々がよみがえる。
将来に何になるかわからないけれど、楽しかった中学生時代のコト。

「かわいさ」とか「キレイさ」とかいう表現はよく使われる言葉だけれど、先輩の場合は何か特別な感じがした。
それは、中学生になりたての自分が二年も年上の先輩に抱いた「憧れ」だけれど、ただの「憧れ」とかとは違っていたんだ、と今になって思う。

そうして先輩は大人になり、保育士という「人の命を、子供の成長を見守る・預かる仕事」に就き、家族を持って、子供を授かり、趣味もそこそこして、頑張って生きている。
家族の中にある苦労までは解らないけれど、先輩の優しい眼差しを見ているうちに、そんなコトはどうでもよくなった。

心の中に「安心」を持っている人は、大なり小なり人を安心させることができるんだ、と思うんだ―
だから保育の仕事ができる。
チームワークもちゃんと取れるし、多少パニックになっても、失敗して叱られても、うまくハードルを乗り越えられる―
そんな心だ。

そーゆう私自身に「安心」はない・・・


先輩の優しい眼差しの奥にあるのは、きっと、仕事や家族や、その他いろいろなものから得られる、「必要とし、必要とされているというコト、大切にしているものを守ろうとする想うからこそ生まれるパワー」なんだと思う。


何年ぶりか覚えていないくらいに久しぶりのコトだったのだけれど、先輩に会えて本当に良かったと思っている。
なにかこう、「前に進む」とゆーよりも「上に進もうとする、オチないように維持する」力が生まれたような気がするから。



「アイアンマン」 原題:IRON MAN

2008-10-02 23:59:00 | シネマレビュー
【作品概要・ストーリー】
トニー・スタークは、15歳でマサチューセッツ工科大学に入学し、首席で卒業。21歳で両親から莫大な遺産を受け継ぎ、軍事企業「スターク・インダストリーズ」の社長・CEOである。プレイボーイとしても有名だが、天才的な頭脳と強い信念の持ち主で、その人望は社内外を問わず、政財界にまで及んでおり、「スターク・インダストリーズ」はアメリカ政府と契約を結んでいる。武器を作ることでアメリカを守っていると信じており、最強の兵器を見せ付ければ、敵は恐れをなし、戦う意思さえ失うだろうと考えていた。
そのスタークは、アフガニスタンで新型兵器のデモンストレーション実験中に、武装集団に襲撃・拉致される。犯人である武装テロ集団の目的は、トニーに最新鋭ミサイルを製造させることだった。しかしトニーは、医師インセンと共に、犯人の目を盗んで、兵器開発のフリをしながら、「アーク・リアクター」という未知のエネルギーで動く、脱出用のプロトタイプパワードスーツを開発し、どうにか自力で帰国を果たす。だが、自身の発明した武器が人々を苦しめる現場を見た彼は兵器産業からの撤退を表明し、自ら自宅の作業部屋に篭って、新型のパワードスーツの開発に没頭―そしてついに、人々を救うヒーローへと変身をとげる!
しかし、彼の周囲は恐ろしい陰謀がうごめいていた…


【出演・キャスト】
トニー・スターク:ロバート・ダウニー・JR.
ローディ(空軍中佐):テレンス・ハワード
オバディア・ステイン(スターク・インダストリー最高幹部):ジェフ・ブリッジス
ペッパー・ポッツ(スタークの秘書):グヴィネス・パルトロー


【監督・詳細】
監督:ジョン・ファヴロー
2008年/アメリカ作品
上映時間:125分


【コメント】
マーベル・コミックが新たに放った、『スパイダーマン』をも凌ぐ新ヒーローがついに始動です!
武器開発者から一転、“自家製”パワードスーツを着用して平和に尽くす「アイアンマン」へと転身した男の活躍を描くヒーロー・アクションです。
予告映像を見た瞬間、とにかく派手さが目立って、面白そう!と思い、久しぶりに「ドンパチやらかすモノ」がスクリーンで観たくて、すぐに観に行きました。
武装組織に拉致されて、「パワードスーツなんて完成するはず無いぢゃん!?」っていう洞窟の中で、格好は無骨とはいえ、プロトタイプを作ってしまう!そして帰ってからはさらに改良版まで作ってしまう!そしてテロ撲滅を誓い、戦う!
なんて痛快でカッコイイんでしょう!
全編を通していえるのは、「トニーの心」の揺れ動きの良さですね。武器の恐ろしさを肌で知り、自らの責任を果たさんと、スーツを装着してテロ撲滅を誓う心が生まれる…単なる武器商人から真の平和を求める人間へと変化していく様をダイナミックに描いているのがいいです。そうかと言えば、別な面では「キカイ」とか「ものづくり」が大好きな子供の心が常にあるというのも同じ男として共感できるものがありました。
全体の性格はかなり個性的ですが、パワードスーツを作るシーンは「熱心な職人」を感じさせるもので、コンピューターを駆使しているところなんかは、見ていてカッコよかったです。
予告映像は赤を基調にしたスタイリッシュなスーツだったけれど、脱出用のプロトタイプも、無骨ながら敵をなぎ払い、突き進むシーンでさえも興奮度満点です。
で、開発が進んだ後の「究極の」スーツは着用シーンから最高にかっこいいです。人間であるトニーが「着込む」はずなのに、どこか、スーパーロボットかモビルスーツの発進前のようで。
で、装着後の破壊力が凄まじいのなんのって!ターミネーターも真っ青!(?)手からリパルサー光線放出装置、右腕には対戦車ミサイルが搭載されており、文句なしに「最強」です。しかし最大の注目は飛行シーン。バージョンアップを重ね、マッハ8を出せるジェット噴射装置で、高速飛行でステルス戦闘機と空中戦をするというなんとも痛快なシーンまであるんです。

演出面においては、とにかく「メカ好き」をくすぐる箇所が多く見られたところがいいです。トニー自らが開発し、試作段階から、開発途中の試行錯誤、そして装着シーンまで克明に描いているので、ドラマを感じます。
洒落たセンスを感じさせるコンピューターなどのITメカもいいですが、車好きの私が見た瞬間ときめいたのが、トニーの作業部屋(車庫?)にある車!
AudiR8、シェルビーコブラ427、サリーンS7(だったかな)!外車党ではない私でも一気にはまってしまうくらいでしたからね。映画に登場するスーパーカー・スポーツカーはやっぱり映える!
また、ジョークやギャグのセンスがよく、「ププッ」と笑っちゃう場面が多く、面白かったですね。
ヒロイン役のグウィネス・パルトロウは、ちょっと不器用で、どこにでもいそうな無垢な秘書をコミカルな演技で演じており、「奇跡のシンフォニー」に登場した、テレンス・ハワードをはじめ、トニーの周りの人たちもトニーをさり気なく、「オイオーイ」と突っ込みを入れたくなるように「愉快に」サポートしているところがいいです。


私は、スパイダーマンシリーズをまったく見ておらず、あのような、変身ヒーローよりも、日本の特撮で言うところの「宇宙刑事モノ」が好きだったので、その点から見てもイイ作品だと思いました。アクションエンターテイメント映画として、誰にでもお勧めできます。そーゆうのが好きな方は迷わず見に行ってください。
細かいことは気にせず、「スカッと爽快!それがいいのヨ―」ってヤツですね。

そして実は私、映画を見る前から「この作品には続編がありそう」と思っていたら、図星でした。ちょっとネタバレになりますが、それを喚起させるシーンもありますし、エンドロールの後、実際にお話は続いていきます(続編は2年後に登場予定)。

Don’t miss it!