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Symphonyeel!(シンフォニエール!)

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『相棒』‐劇場版Ⅱ‐警視庁占拠!特命係の一番長い夜

2010-12-26 23:58:18 | シネマレビュー
【イントロダクション】
「今のは警告だ!次は警視総監を撃つ!!」

「杉下さんは、くやしくないんですか?!」
「いえ、あやしいと思います」

「絶対的な正義が、この世にあるなんて…思ってる?」

「真実は必ず…我々が明らかにしてみせます」

―あなたの正義を問う。―
テレビドラマ「相棒」10周年記念にして、杉下右京と神戸尊の「相棒」が始動してから僅か1年少々で、待望の劇場版第二弾が登場だ!

【ストーリー】
日本警察の要所・警視庁本部内で、前代未聞の人質籠城事件が発生した!人質は、田丸警視総監(品川徹)、長谷川副総監(國村隼)をはじめとした、各部の部長ら幹部12名。現場となった会議室は機動隊と特殊捜査班SITによって完全に包囲されるが、犯人の動機は不明。要求もないまま、いたずらに時間が過ぎていくのだった。
いち早く事件に気づいたのは、偶然にも犯人の男と遭遇した神戸尊(及川光博)とその連絡を受けた杉下右京(水谷豊)。右京は会議室内の様子を把握することが肝心と、鑑識の米沢守(六角精児)や元特命係の陣川公平(原田龍二)の協力を得て、誰も予想しなかった奇策に出た。
内村刑事部長(片桐竜次)ら幹部たちが囚われているため、実質的トップの立場になった中園参事官(小野了)が捜査本部の指揮をとることになった。しかし、一向に進展しない事態に、捜査一課の伊丹憲一(川原和久)、三浦信輔(大谷亮介)、芹沢慶二(山中崇史)らは苛立ちを募らせるばかり。と、そこに右京が持ってきた情報によって、籠城犯が元警視庁刑事の八重樫哲也(小澤征悦)だと判明。にもかかわらず捜査の外に追いやられてしまう特命係の2人だったが、籠城前に尊が八重樫から助け出した女性が総務部装備課の朝比奈圭子(小西真奈美)だとつきとめた。
 そんな時、緊迫する会議室内から2発の銃声が響いた!右京の強固な反対にも関わらず、中園らの指示でSITと機動隊員たちが会議室内に強行突入!!事態は何とか終息し、人質たち12名は無事に保護される。だが、籠城してまで八重樫が求めたものが何だったのか、大河内監察官(神保悟志)の事情聴取に対しても、12名は曖昧にしたまま何も証言しない。皆が一様に口を閉ざすことに疑問を持った右京と尊は、角田課長(山西惇)らの協力を得て、独自に幹部たちへの聞き込みをはじめる。
 一方、事件の報告を受けた警察庁幹部の小野田官房室長(岸部一徳)は、金子警察庁長官(宇津井健)とともに、不穏な動きを見せ始めていた・・・。
 徐々に明らかになってくる事実。それは、八重樫や圭子が関わっていた過去の大きな事件に関する、衝撃の真相だった―。
(http://www.aibou-movie.jp/story/index.htmlより転載)

【キャスト・登場人物】
杉下右京(特命係係長・警部): 水谷豊
神戸尊(特命係刑事・警部補):及川光博
伊丹憲一(捜査一課刑事・巡査部長):川原和久
三浦信輔(捜査一課刑事・巡査部長):大谷亮介
芹沢慶二(捜査一課刑事・巡査):山中崇史
角田六郎(組織犯罪対策部組織犯罪対策第5課課長・警視):山西惇
米沢守(鑑識課鑑識課員・巡査部長):六角精児
大木長十郎(組織犯罪対策部組織犯罪対策第5課):志水正義
小松真琴(組織犯罪対策部組織犯罪対策第5課):久保田龍吉
内村完爾(刑事部刑事部長・警視長):片桐竜次
中園照生(刑事部参事官・警視正):小野了
陣川公平(捜査一課・経理担当):原田龍二
大河内春樹(首席監察官・警視):神保悟志
宮部たまき(花の里・女将):益戸育江
朝比奈圭子(総務部装備課・主任):小西真奈美
八重樫哲也(警視庁人質籠城事件犯人、元組織犯罪対策部刑事):小澤征悦
三宅貞夫(警視庁生活安全部長):石倉三郎
磯村栄吾(故人、公安部外事第三捜査員課):葛山信吾
松下伊知郎(警視庁通信部長):名高達男
鈴木光彦(警視庁地域部長):大森博史
原子嘉和(警視庁公安部長):大出俊
寺門宗佑(警視庁警察学校長):佐々木勝彦
井手実篤(警視庁警備部長):井上高志
鶴岡小太郎(警視庁交通部長):佐渡稔 
田中靖(警視庁総務部長):五王四郎 
川上博康(警視庁組織犯罪対策部長):重松収 
丸山英明(警察庁官房室勤務):平岳大
曹良明 (中国マフィア):本宮泰風
飯島政史 (警視庁警備部警備一課課長):小木茂光
磯村幸恵 (磯村栄吾の母親):丘みつ子
李華来=リー・ファーライ(中華街の住人): 江波杏子
田丸寿三郎(警視庁警視総監):品川徹
金子文郎(警察庁長官):宇津井健
長谷川宗男(警視庁副総監兼警務部長):國村隼
小野田公顕(警察庁官房室長・警視監):岸部一徳

【スタッフ他】
監督:和泉聖治
製作総指揮:早河洋
脚本:輿水泰弘、戸田山雅司
音楽:池頼広
2010年/日本作品
上映時間:119分
製作会社:「相棒-劇場版Ⅱ-」パートナーズ
配給:東映

【コメント】
水谷豊さんという役者さんの代表作のひとつとも言えるドラマ「相棒」。
母親が大ファンで、毎週欠かさず見ている刑事ドラマです。
2000年のpre seasonから今まで、10年続いているというロングラン作品ですが、私は断片的にしか見ていなかったので、杉下右京の過去や現在に至るまでの人間性やキレっぷり、相棒の亀山薫や特命係創設の秘密、現在の相棒・神戸尊の配属の理由(わけ)は、殆どすべて、劇場にあったリーフレットやwikipediaの人物紹介コンテンツで知りました。
映画前作となる「絶体絶命!42.195km東京ビッグシティマラソン」も、スリリングでスピーディ、かつ大どんでん返しの展開が面白かったのですが、それは何をおいても杉下&亀山のコンビが織り成す熱い絆と、各役者さんすべての名演技が光っていたからだと思います。

今回の劇場版は、新しく加わったミッチーこと及川光博さん演じる、神戸尊が相棒となった特命係の二人が「国家に立ち向かう!」という、まさに劇場版にするにふさわしいストーリー基盤を持っています。
「犯人を捕まえるのが警察ではなく、事件そのものを・原因そのものを解体し、解決に導いていく」という、半ば「探偵の要素」を盛り込んでいる、と公開前のスタッフ談話で誰かが語っていたように、単なる刑事ドラマでは終わらない奥深さというか、そこに至った原因に鋭く切り込み、それが現代社会の抱えるさまざまな問題や矛盾、警察をはじめとした組織の腐敗を巧みに描いているのが大きな特徴です。
「スッキリ解決してハイ終わり」というのではなく、そこここに必ずひねりを入れる―今回の劇場版にもそれがふんだんに盛り込まれて、本当に楽しめました。

で、重要なのが「国家に立ち向かう」というのがポイントです。どんな風に立ち向かっていくのか、それはスクリーンで、そして今までのシーズンをチェックする必要がありそうです。
歴代の「相棒」ファンはもちろんのこと、最近になってファンになった方でも思い切り楽しめます。そしてその内容の深さと、ストーリーに織り交ぜられた恐ろしいまでのトリックに、心から感動することでしょう。

演出面や印象ある場面で興味深かったのは、序盤で現れる右京さんの「ムチャ」(笑)、その右京さんに指摘される尊の「ムチャ」、どこまでもデロデロした警察上層部の動きとそれに切り込む右京さん、ヒロインに起用された小西真奈美さんの強いまなざしと演技(拳銃を構えるシーンがありますが、ホントかっこいいんですよ!)、そして、クライマックスです。
もちろん、テレビシリーズでお約束の言い回しやクスッと笑ってしまう部分、キャラクターの特徴を再確認できる演出もふんだんに盛り込まれていますよ。
残念だったのが、初期シーズンではお約束の「亀山のバァカ!」でお約束の捜査一課の面々があまり登場しなかった点、今となってはもう書けてしまいますが、右京さんが「官房長―!!」と叫んでいるシーンが予告映像に入っていたため、わかる人には早々にネタがわかってしまうことです。

しかし、それをわかった上で、犯人をはじめとしたさまざまな人物の視点にたってスクリーンで何度も観たくなる、かめばかむほど味が沁みる「おいしい」映画になっています。

私の中では、完全に「踊る~」シリーズを越えましたね。


今回、男性の役者さんは平成仮面ライダーシリーズに出演されている方が何人かいらっしゃいますが、その第11作『仮面ライダーW』に登場した「フィリップ」が『地球(ほし)の本棚』に入ったら、こう検索するでしょう。

検索を始めよう―キーワードは…
「12人の警視庁幹部」
「テロ組織」
「警視庁公安部」
「4GBのMiniSDメモリ」
「セーリング部」
「ノンキャリア組」
そして、最後のキーワードは―
「『正義』の答え」



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