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Symphonyeel!(シンフォニエール!)

ようこそ。閲覧者の皆さんとのメッセージが響き合う場となってほしいナ―という想いで綴ってます

40th Movement 「愛しい日々、大切なもの」

2010-04-05 23:30:36 | SWEET SWEET SUITE
アリス:「いつか・・・いつの日か私たちにもそういう日が来るんですね。一人前のウンディーネになったら、今のように灯里先輩や藍華先輩と、毎日練習で顔を合わせることもできなくなるんですね」
アテナ:「たしかに・・・今のままではいられないと思う。時間は時には優しく、時には残酷に、すべてを変えていくものだから・・・」
アリス:「そうですよね・・・。わかってます」
アテナ:「でも・・・少なくとも私には、今だってまんざらじゃないわよ。お仕事は楽しいし・・・それに、かわいい後輩たちもできたし・・・とか」
アリシア:【うん、アテナちゃんの言うとおり。あの頃の楽しさに囚われて、今の楽しさが見えなくなっちゃったら・・・、もったいないものね】
:【“あの頃は楽しかった”・・・じゃなくて、“あの頃も楽しかった”、だな】
アテナ:【きっと、本当に楽しいことって、比べるものじゃないのよね・・・。あの頃も、今も、これからも・・・。一緒にいる人の過ごす時間の中に、いくつもの小さな楽しいことが、生まれては消えてゆく・・・。その一つ一つをつかまえることができたら、楽しいことは尽きることがないのよ。いつまでも・・・ずっとね】
アリシア:「それとワンポイントアドヴァイス。今楽しいと思えることは、今が一番楽しめるのよ」
(「ARIA the ANIMATION」 第13話 『その、オレンジ色の日々を…』より)

アニメ「ARIA the ANIMATION」 第13話は、灯里・藍華・アリスの三人娘が、冬、寒い中のゴンドラ漕ぎの合同練習を終えてARIAカンパニーに戻ってきたところから始まる。
それぞれの先輩プリマウンディーネである、アリシア・晃・アテナの3人に、仕事の予約のない日が重なり、晃の提案で3人揃って会おうということでARIAカンパニーへ集まっていたのだ。
アリシアの話によると、シングル時代の3人もまた、会社の垣根を越えて、毎日のように合同練習をしていたという。
その頃の思い出話に思いをはせる面々―

アリシア:「あの頃は楽しかったわね・・・。毎日いつも3人一緒だった」
アテナ:「忙しくてたまにしか会えない今が・・・、なんだか嘘みたいに思えるわよね」
晃:「たしかにな・・・。こうしてアリシアの生クリームのせココアを一緒に飲むのも、どれくらいぶりだか」
アテナ:「私・・・3人で合同練習をする日がずっと続くような気がしてたな・・・」

そして、シングルからプリマに昇格し、3人出会える時間がどんどん少なくなっていった今を思い、3人の会話に耳を傾けていたアリスがぽつりとつぶやいた言葉から、これらの素敵な名言は生まれている。

新年度を迎えたこの春―
新生活を迎えた人も多いことだろう。
有り余る時間を一緒に浪費した学生時代と、次第に忙しくなり、過ぎてゆく時間も自分のためだけくらいになる社会人生活との違い・・・。
距離はさほど離れていないのに、心は遠くなって、時に流されるまま、楽しいことも見つけられず・・・
そしてついには会えなくなり、会わなくなってしまう・・・。
時の流れや、それに伴う環境の変化は、楽しかった日々を少しずつ、まるでセピア色に染めるように換えてゆく物・・・。

人と人との関係や、楽しい時間を大切にすることは、「少しばかりの努力」が大事なのかもしれない。その努力をどうすればいいのか、その回答のサンプルを、この言葉たちは教えてくれるようだ。

その晩、藍華とアリスを見送って戻った灯里が、夜になっても楽しそうに会話を続けている先輩たち3人を見て、心の中でささやく。

【時間が経つと、色々変わってしまう・・・。でも、絶対に変わらないものもある。
変わっていくから大切なもの、変わらないから大切なもの・・・。どちらも同じくらい大切】


この灯里の言葉がすべてをうまくまとめているといっていい。
過去の楽しさは大切にしつつ、今、このすぐ前にある楽しさを大切にする気持ち。
周りの状況は、いつでもどんな時でも生々流転・いつかは必ず変わる。
そのことをしっかりと受け止めた上で、変わらないでほしいと思うものがあるのなら、それは自分の強い気持ちが大事なのだということが言えるだろう。それが「少しばかりの努力」の中身である。
それらは、彼女たちが、出会いや仕事や、その他すべてを通して皆で共有してきた中で教えられたひとつの結論なのだ。
それを、後輩たちに身を以って教えている。

最後にもうひとつ、私が好きな名言を紹介しておこう。

【今は当たり前に会えることが当たり前でなくなるとゆーか 
人は変わると思うんですよその心とかじゃなくて おかれている状況というか そういうのが
かわっていくのが当然のその中でそれでも変わらずにいて欲しい それって 強い気持ちじゃなきゃムリだと思うんですヨ
いつまでも会っていたいと またいつでも会える それはやっぱり違いますよね
今は同じように見えるかもしれないけど 先にいくほどその差は大きいと思うんですよ】
【変わらぬ状況を望むのなら それはお前の気持ちだけ 人も そして他のことも すべてお前しだい それだけだろうって】

(「湾岸ミッドナイト」 コミックVol.27 113P)

小さな楽しいことを 一つ一つつかまえれば、普通の毎日が、愛おしく思えるようになる―
そういう気がする。


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