軽く小雨が降っていますが、傘がなくても歩ける程度です。
昨年楽天やユニクロが、会社内での公用語は英語にすると発表しました。
ユニクロは2012年3月から、楽天は2012年度末までに、とのことで
この発表は大きな話題となり、他の企業にも波紋を呼びました。
そんな記憶も新しい中、面白い本を読みました。
「「英語公用語」は何が問題か」(鳥飼玖美子、角川oneテーマ21)
著者の鳥飼玖美子さんは大学の先輩で、同時通訳として活躍されている方です。
現在NHKのテレビ、ラジオ、ネットでやっている「ニュースで英会話」の
監修・講師をされており、私もこの番組をネットで利用しています。
最初この「英語公用化」のニュースを聞いたとき、
やはり海外展開をはかる企業は違うなと思いましたが、ちょっと行きすぎな気もしました。
日本人同士で話す時まで英語??と思うと、正直変です。
著者の鳥飼さんによると、「公用語化」の良い悪いの結論は出していないものの、
いくつか懸念される点を挙げ、これを機に日本人にとっての英語を考える機会になってほしいとのこと。
また、ビジネスで使える英語とはどのようなものか
(TOEICの点数がよいだけでは英語で仕事ができるとは限らない)、
リーダーの英語はどうあるべきで、英語で話すか通訳を介するか、
その戦略を決定する判断が重要ではないのか
(国際的に通用するには、知的な英語を使い、抽象的なことも表現できなくてはならない)、
そして現在の英語教育(日本人教員とネイティブ教員の質)も議論するべき
また、英語ができるだけではなく、「自分だけの「付加価値」をもつことが重要」
としています。
英語以外の外国語であったり、何か専門的なことであったり。
私自身、英語もフランス語も、履歴書には「かなり上級」と思わせるものが書けますが
実際ビジネスの場をちょっと経験して、仕事で使うのは違うと思ったことがあります。
英語でのメールや電話は仕事をしながら出来るようになりましたが、
会話は相手の速度についていけなかったし、専門分野はさっぱりお手上げ。
外国語学部出身の私は、何も専門がないのです。
逆にその道のプロたちは、英語はそこそこでも専門用語で仕事ができるとのこと。
外国語が出来る、というよりも、外国語で出来る、ようになった方がよいし、
英語よりも大切な学ぶべきものがあるのではないかと思います。
そもそも母語の日本語でコミュニケーションがうまくとれない人が英語で出来るわけがなく
日本語で説明できないものを英語で説明できるはずがありません。
よって、英語が出来る=仕事が出来るとは言い切れません。
また、英語の勉強についてもヒントになるようなことが書いてあるので
ビジネスと英語、英語教育、英語の勉強について興味がある方はおススメの本です。