浅野ゆうじの独り言

社会・政治に関連する本の感想や日々の出来事についての私なりの考え方を書いています。

「移行期的混乱」平川克美を読んで

2013-02-25 08:36:21 | 日記・エッセイ・コラム
 副題には『経済成長神話の終わり』とあります。

 戦略的な側面でいえば、経済成長そのものの否定ではなく、歴史的に未経験の領域となる人口減少する時代に対する思考の転換とそれによる制度設計が求められているということになるのでしょう。その転換を必要とする移行期において、私たちはもがき苦しむ試行錯誤の時代に突入していると言えるわけです。

 すべての価値判断基準がお金または経済効率に換算されるとする自由主義による経済成長は、日本人なら誰しも疑問に思うところでしょうが、私たちの生活習慣は自由主義や個人主義の名のもとに、すでに知らず知らず侵されているという恐れがあります。こうした転換は頭では理解しても、現実的な行動の上ではなかなかできないのです。つまり、お金がすべてではないと頭でわかっていても、現実的な目先の判断はお金で判断するという価値観に支配されてしまっているということです。

 合理的な行動と同時に、行動の価値判断、私たちはどこにも飛べるべきなのでしょうか。

以上