Yumi @ Sudan

北アフリカの国、スーダンでの生活日記

8月2日

2005-08-03 | everyday
8月2日

今日から3日間、スーダン国民は喪に服しています。

昨日のジョンガラン夫人の声明後、もしかしたら少しは落ち着いたのかも知れないと思っていた、国民感情は全く落ち着いてなんかいません。
今日も朝からサイレンの音が聞こえました、
昼過ぎからはハルツーム各地のスーク(市場)が燃やされたり、郊外では、反SPLMの人たちが、南部の子どもが通う学校を襲撃。子どもたちを含む人々が死傷しました。

今日になって、ジョンガラン率いるスーダン人民解放運動(SPLM)の人たちばかりではなく、。反SPLMの人間が報復をはじめたのです。

何がなんだか分からなくなってきたハルツーム。
私の学校の周辺でも、人々は暴れているようです。

幸い私の住む地域は、子どもたちの声や、女性の姿が少なくなった以外は何もかわらず、普段と同じように、朝日が昇り、夕日が沈みます。
優しいスーダン人からは私の無事を気遣う電話がかかってきます。


大学時代、教授がいいました。
「人間に叡智があるならば、かならず平和は訪れる」と。

でも、今の私にはわかりません。ただただ悲しいだけです。
誰が敵で、誰が味方で、彼らに何をどのように、誰が説明するのでしょう。
たとえば、自分の子どもの栄養状態もままならないまま、南部に家族を残してハルツームに出稼ぎに来ていて、「後もう少し、。あともう少し!」って頑張っていた人たちの絶望感は私は計り知れない。
貧困のために子どもを失ったり、教育を受けさせることができなかったり。もちろん、日々の生活の中での差別は苦しくて辛いものだったと思います。

サンちゃんだって、ジョンガランを信じて、教会へ行き、英語を勉強して、働いて家族にお金を送金し、南部が独立したら政治家になるんだって頑張っていた。
サンちゃんは無事なのだろうか。


3月に日本から友人がスーダンに遊びにきてくれました。
二人で行ったオムドゥルマンという場所にあるマーケット。今日はそのマーケットも燃えています。
その時、南部の男の子たちが、彼女のもっていたタミアというヒヨコマメの揚げ物をくれって言うので、「ダメ!」って断ったら、力づくでそのビニール袋を持っていってしまいました。
地面に落ちたタミアを他の子どもたちが食べていました。
スーダンでそんな目に遭ったことはなかったので、二人で悲しい気分になったのを覚えています。よっぽどお腹がすいていたんだねって。だったら、はじめからあげたら良かったねって。

彼らも、もしかしたら今、怒りと悲しみのあまりデモに参加しているのかもしれません。

こんなに優しい国民が、なぜどうしてこんな事をしなくちゃならないのでしょう。
こんな目に遭わなくてはならないのでしょう。
コメント (5)
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