必要な調理器具や調味料(量)は、料理の腕前と好み(目的)で決まります。

「日本人の食事摂取基準」:男性の1日の食塩摂取量の目標値が8g未満,女性が7g未満という目標値があげられています。

必須脂肪酸

2017年06月01日 | 単身料理教室

  「必須脂肪酸」は、なぜ「必須」なのかというと、これらは私たちの体の細胞膜やホルモンをつくる原料であり、そのため体のほとんど全ての機能に関係していて、体にとっては不可欠なものだからです。この脂肪酸は体内では作れず、食物から摂るしかありません。

 広義の「必須脂肪酸」は、オメガ3(ω-3、n-3とも)脂肪酸の、α-リノレン酸、エイコサペンタエン酸 (EPA)、ドコサヘキサエン酸 (DHA)と、オメガ6(ω-6、n-6とも)脂肪酸のリノール酸、γ-リノレン酸、アラキドン酸の6つ。

 しかし、脂肪酸は体内でつぎのように変換されます。

      ・オメガ3系:αリノレン酸 → EPA → DHA

      ・オメガ6系:リノール酸 → γリノレン酸 → ジホモγリノレン酸 → アラキドン酸

 このため、狭義の「必須脂肪酸」は、αリノレン酸  リノール酸 となります。

 変換率によっては体内で不足する可能性もあるので、広義も存在しているようです。

 現代の食生活の中では、オメガ-6の脂肪酸は十分に摂取しているといわれていますが、オメガ-3の脂肪酸は不足しがちで、オメガ-6とオメガ-3は互いに変換できないことから両者のバランスが大事。
 オメガ-3脂肪酸の必要量は成人では1日に2g程度とされています。また、EPA及びDHAについては1日に合計で1g以上の摂取が望ましいとされています。

 α-リノレン酸は植物性由来ですが、EPA及びDHAは動物性由来です。α-リノレン酸から変換されるEPA及びDHAは10~15%と言われていますので、特に摂取するには青魚の摂取が大事です。

 また、EPA製剤は高脂血症の薬ですが、サプリメントのEPAとの違いは純度で、前者が95%くらいなのに対し、後者は10%程度といわれてます。

 やっぱりサバ缶

 おまけ。 

 オリーブ油がいいというのは有名です。オリーブ油が健康に良いとする根拠の一つがオレイン酸です。オメガ9系のオレイン酸はステアリン酸から変換することができて体内で合成できるので必須脂肪酸ではありません。

 地中海地域の人々が、食物をたっぷり食べ、ワインを多飲するにもかかわらず冠状動脈性心疾患の発症が少なく、健康が維持されているのはオリーブ油の効果であるという説です。

 そして、オレイン酸のコレステロール挙動に関して、LDLだけを下げ、HDLは下げないことが示された、ということで健康にいいとされ、オリーブ油は健康に良いとの説が広まったようです。

 オレイン酸のコレステロールに対する効果については、いまは、LDLだけを下げるというよりLDLを上昇させない穏やかな脂肪酸であるという方向に変わりつつあります。

 地中海料理は、オリーブ油のみによるものではなく、新鮮な魚介類や野菜をオリーブ油、ニンニク、トウガラシなどで調理することによる相乗的効果であると理解することが適切と考えられています。

 ついでに、「フレンチパラドックス」という言葉について。フランス人が、欧米諸国に比べて、喫煙率が高く、肉類も多く食べるのに、動脈硬化や心疾患の罹患率が低い事を表す言葉です。

 フランス人は、水の代わりにワインを飲むと言われる事に注目した学者が研究を進め、赤ワインのポリフェノールが、悪玉コレステロールの酸化を防ぐとし、これがいいのだと、赤ワインブームが起きました。

 ポリフェノールは、フラボノイド、イソフラボン、タンニン、カテキン、ケルセチン、アントシアニンなど、植物に含まれる色素や苦味、渋み成分などの総称です。

 ポリフェノールには抗酸化作用があり、増えすぎた活性酸素を除去して、悪玉コレステロールと結びつくのを防ぎます。

 つまり、高血圧、動脈硬化を予防することで、心筋梗塞や脳梗塞を防ぎ、また活性酸素が正常な細胞を攻撃して起こる、癌を予防することにもなるということ、らしい・・・です。ブドウの皮と、種に集中しているので、丸ごと使う赤ワインは、ポリフェノールを多く含んでいるということ。