必要な調理器具や調味料(量)は、料理の腕前と好み(目的)で決まります。

「日本人の食事摂取基準」:男性の1日の食塩摂取量の目標値が8g未満,女性が7g未満という目標値があげられています。

ビタミンA

2017年05月29日 | 単身料理教室

  脂溶性ビタミン:体内の脂肪組織に貯蔵されるため「適正な食事」で摂取する量で欠乏症は起こりにくい

 ビタミンA:2種類存在します。『レチノール』と『β(ベータ)カロテン』です。サプリメント摂取では注意が必要。

 代表的な動物性食品成分 →レチノール  体内で効率よく吸収される(豚鶏牛のレバー、鰻、ギンダラ、アナゴ、卵など)

   代表的な植物性食品成分 →カロテン類(α、β、γ) 体内で吸収されにくいが油に溶けると吸収率アップ。炒めたりドレッシ ングをかけたりして食べると良い。カロテンは色素成分なので緑黄食野菜に豊富。(モロヘイヤ、人参、南瓜、ほうれん草、豆苗、春菊、海藻など)

 主な働き: 視覚の正常化、皮膚・粘膜の健康維持、免疫力の強化

  妊娠中に摂取を控えたいのは動物性の『レチノール』の方です。

  レチノールは「脂溶性ビタミン」で、水に溶けにくく油で溶ける性質を持っていることから過剰に摂取してしまうと体内に蓄積(吸収)しやすくなってしまいます。結果、過剰摂取すると体内に蓄積されてしまい、そのことで「奇形」をともなわせてしまうことがあるのです。

 次に、プロビタミンA (前駆物質)であるβ-カロテンは、小腸で吸収される際に必要に応じてレチノール(ビタミンA)へと変換されます。他のカロテノイドに比べて、効率よくレチノールに変換されますが、体内で過剰となるとビタミンAへの変換が減少するので、特定の健康障害を引き起こすことはなく、一般的に安全と考えられています。余剰分のβカロテンはレチノールに変換されず、抗酸化物質として働くため過剰症が現れません。β-カロテンのサプリメントの摂取は、ビタミンA 不足防止の場合は適切としていますが、一般的には勧められていないようです。

 緑黄色野菜は、見た目の色合いが濃い野菜で、カロテンを多く含んでいるという特性があります。食べられる部分100g中にカロテンが600μg(マイクログラム)以上含まれているものが、緑黄色野菜とされています。主に「ホウレンソウ・ニンジン・かぼちゃ」などにカロテンが多く含まれています。ちなみに「トマト・ピーマン」も緑黄色野菜に分類されていますが、100g中に600μg以上のカロテンは含まれていません。しかし、食する回数が多いということや、摂取量が多いという理由で緑黄色野菜と位置付けられています。カロテン以外には、ビタミン類・ミネラル類などが豊富に含まれていて、栄養価が高いと言う野菜に対しても、緑黄色野菜に分類するという傾向にあります。

 基本的に緑黄色野菜ではない野菜の事を区別する為に、淡色野菜という名前を付けて呼んでいます。見た目は色合いが薄い野菜で、水分や食物繊維の量が緑黄色野菜よりも多いという特性があります。基本的に緑黄色野菜よりも栄養価は低い傾向にありますが、緑黄色野菜よりも量を食べやすく、食物繊維を多く摂取できるというメリットがあります。

 緑黄色野菜ばかり脚光を浴びてきましたが、近年淡色野菜の価値が見直されてきています。それは、免疫力を高めるTNF-αという物質を産出してくれるからです。産出量の最も多い淡色野菜はレタス。そして、白菜、小松菜と続きます。

 また、腸内環境の健康に対して、淡色野菜の持つ食物繊維が注目されているなど、単純に緑黄色野菜の方が栄養価が高いとは言えなくなってきています。結局のところ、どちらかに偏るのではなく、緑黄色野菜と淡色野菜をバランス良く摂るのが一番ということですね。

 ひところ、緑黄色野菜の摂取は、喫煙者において肺がんのリスクの軽減につながるものと考えられていました。緑黄色野菜の中のどの栄養素が重要な役割を果たしているかについては一致した見解はありませんが、最も注目されたのはビタミンA の前駆物質であるカロテンでした。カロテン摂取量の多い人、あるいは肺がん発症前に採取された血液中のカロテン(主として、β-カロテン)濃度が高い人の肺がん発症リスクは、20~85%ほど低いことが多くのケース・コントロール研究やコホート研究で示されていました。しかしながら、欧米で行われた大規模な無作為化比較試験の成績では、予想とは反対に高用量のβ-カロテンの服用が喫煙者の肺がんリスクを高めるという結果となりました。食物の中に含まれているβ-カロテンの肺がん抑制効果を否定したことにはならなかった?ようでしたが、少なくとも喫煙者への高用量の β-カロテン投与に肺がん予防効果がないことが示されました。

 ビタミンA 欠乏症の初期段階には夜盲症が起こります。その後、結膜・角膜乾燥症に進行し、失明する場合があります。その他、感染症に対する抵抗力の低下がわかっています。ビタミンA 不足は、発展途上国に見られ、これらの国では年間25 万人から50 万人の栄養不良の子供たちが盲目になると推定されています。

 ビタミンA (レチノール)過剰症には、急性と慢性の症状があります。急性の中毒症状は、腹痛、悪心、嘔吐、めまい、過敏症などが出現した後、全身の皮膚落屑がみられます。一方、慢性の中毒症状では、全身の関節や骨の痛み、皮膚乾燥、脱毛、食欲不振、体重減少、肝脾腫、脳圧亢進による頭痛及びうっ血乳頭などを示します。その他、ビタミンA 過剰症として催奇形性、骨密度の減少、骨粗しょう症も知られています。

 英国では、定期的にレバーを摂取している人及び骨粗しょう症になるリスクの高い人等に対して、ビタミンA 摂取量に関する注意喚起が行われています。内容は以下のとおりです。

① レバー若しくはパテのようなレバー製品を週1 回以上食べている人は、これ以上摂取量を増やさないこと。そしてビタミンA のサプリメントを摂らないこと。

② 閉経後の女性及び65 歳以上の男性といった骨粗しょう症になるリスクの高い人は1 日1.5mg 以上のビタミンA を摂らないこと。具体的には、レバー若しくはレバー製品を週1回以上摂らないこと。

③ 妊娠中又は妊娠を希望する女性は、ビタミンA を含むサプリメントを摂らないこと。また、レバー及びレバー製品を摂らないこと。

 農林水産省:とりすぎに注意、ビタミンA」参照。

  やっぱり、安心なのは、緑黄色野菜 ですネ。