
「帆」26号届く。発行人は佐藤よしみ。
「風のなか」30首と「琉歌(うた)の見える場所」(15)が載る。
「琉歌(うた)の見える場所」(15)の印象に残った一節をふたつ紹介。
台風などの自然災害に見舞われることの多い沖縄では、
禍に対しては立ち向かうのではなく、頭を低くして、
禍が通り過ぎるのを待つ思想が育った
という。
私は車の運転中はマスクを外しているからスーパーの入り口まで
行って気づき慌ててマスクを取りに戻ることが何度もある。その
時の正直な意識は「感染予防のため」ではなく「白い目でみられ
ないため」である。
私もまったく同じ思いだし、同じ経験がある。
「風のなか」より、一首紹介。
とけそうな午後の陽ざしにまどろめば世は何ごともなき穏やかさ
佐藤さんと最後にメールを交わしたのは春先だったか。
彼女は沖縄に造詣が深いのでちょっと自慢して
「4月に石垣島行ってくっからさ」と言ったものの
無論、コロナでそれは叶わなかった。