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掲載点数210点(2011年8月6日時点)-amazon読者評価4以上を中心に、成功に近づく良書を紹介します。

グーグル・アマゾン化する社会

2009-11-12 12:26:37 | マーケティング関係の成功本
「グーグル・アマゾン化社会は、一極集中化を加速させる」
著者/森 健 出版社/光文社 735円

◆目次
第1章 多様化が引き起こす一極集中現象 巨大な一極とフラット化した世界
 アプリケーション化するウェブ
 検索機能の著しい発展
 実現され始めた真の双方向性
 マルチチュード、フラット化、群衆の叡智
 分散化され、ネットワーク状になった世界
 群衆の叡智とグーグル
 技術力のみで情報を整理する
 ミリオンセラーの時代
 多様化の果ての一極集中
 マイクロソフトによる寡占化
 世界ではグーグルの一人勝ち
 固定化する人気サイトほか

第2章 Web2.0の世界―「ユーザー参加型」「膨大なデータベース」
 Web1.0からWeb2.0へ
 ユーザー参加とタグ
 Web2.0を象徴するグーグルとアマゾン
 Web2.0の由来
 Web2.0は、「ユーザー参加型」「膨大なデータベース」
 ユーザー投稿型動画配信サイト・ユーチューブ
 ユーザー参加型百科事典・ウィキペディア
 アマゾンとグーグル
 本当の意味で、ネットの双方向性を実現したブログ
 重要なのは、時系列でURLが生成されることと、トラックバック
 アルファブロガーの存在
 ニュースソースとしてのブログ
 作り手は、どこかの誰かとその他大勢ほか

第3章 Amazon―参加のアーキテクチャー
 アマゾン誕生
 日本進出
 ワンクリック特許、サーチ・インサイド
 リコメンデーションとアソシエイト・プログラム
 リコメンデーションのアルゴリズム
 商品間協調フィルタリングのアルゴリズム
 アフィリエイト・システム
 ブロガーの増加に伴いアフィリエイトが発展
 アマゾンのAPIを利用したサイト
 カスタマー・レビューがプロの書評を駆逐する
 アメとムチ
 日本版にはない、ユーザー参加型の仕組み
 参加のアーキテクチャー
 アマゾンのミッション=顧客中心主義

第4章 Google―半強制的な参加のアーキテクチャー
 なくてはならないインフラのような存在
 検索エンジンの枠を大きく超えるグーグル
 物議を醸したグーグル・アース
 基本的に無料、すべてのサービスがウェブ内で完結
 収入源は「アドワーズ」と「アドセンス」と呼ばれる広告事業
 グーグルは「巨大な広告代理店」
 有料のアクセス解析が無料で可能
 検索エンジンへの最適化
 メタキーワードが多すぎると、スパム扱いされる
 ページランクという手法
 24時間365日、世界中のウェブデータを集め続けるほか

第5章 スケールフリーネットワーク―金持ちほどますます金持ちになる理由
 複雑系からのアプローチ
 「ベーコンの神託」
 六人を介せば、世界の誰とでもつながる
 「中心人物」の存在
 飛行機の航路図
 線虫の神経細胞ネットワーク
 哺乳類の脳に見られる不均等なネットワーク
 ランダムネットワークとの違いほか

第6章 個人への一極集中―タグとパーソナライゼーション
 「彼はなぜ泣いているのか?」
 アラート機能
 関心事の一極集中
 パーソナライゼーションの例
 ウェブ上のキーワード=タグ
 不可避だったタグ化
 デジタル執事の出現
 セマンティックウェブ
 意味から検索を行うほか
  
第7章 「民主主義」によって作られる“主体性ある思考”
 「みんなの意見」が正しくなる条件
 集団内の力関係に左右される意味
 アーキテクチャーは人の振る舞いや思考を想定する
 発言量の多さに意見が引きずられる
 沈黙の螺旋
 空気を読む傾向
 他人の政治知識の影響
 誰もが影響を持てるわけではない
 「感情的なシンパシー」という罠
 ネット選挙
 虚偽情報が事実を駆逐する可能性
 多様な情報をすべて読み込むのは不可能ほか


最近ちょっとした新書ブームのようです。

コンパクトで持ちやすく、中身の充実していて、リーズナブルな価格というのが受けているのだと思います。

この『グーグル・アマゾン化する社会』も、そんな新書の一冊です。

読めば読むほど、“現代版資本論”を読んでいるような気がしてきました。そして、インターネット社会の便利さと同時に一気に寡占化が進む危険性も感じました。

著者のまえがきに要約されていますので、紹介します。



昨今ロングテールという言葉をよく聞く。ウェブ(Web)業界のみならず、地方の中小もこの言葉に反応し、活況を呈している。

もともとこの言葉は、オンライン書店の老舗「アマゾン」の商品の売れ行き構成から生まれたものだ。同社の売り上げの三分の一は、売り上げ順位十五万以下の「死に筋」商品から成り立っている。一点あたりの販売数はごくわずかだが、膨大な品数によって、トータルすると大きな売り上げになる。

売り上げ数を縦軸、売り上げ順位を横軸にして描いたグラフを恐竜に見立て、巨大な売り上げを稼ぐ売り上げ順位の部分を「ヘッド(頭)」、そして、果てしなく右に伸び続ける売り上げ下位の部分を「ロングテール(長い尾)」と呼んだのである。

商品点数が限られるリアルな店舗と違い、ウェブの店舗は、在庫を別に置けば、カタログ数に限りがない。そこで、ユーザーは検索を行い、希望の商品を見つけることができる。検索機能によって、広く薄く利益を集める手法が成功する、というわけだ。

同じ観点で注目されたのが、検索エンジンの「グーグル(Google)」が行う検索連動広告の「アドワーズ」と「アドセンス」だ。前者は、誰かが検索を行った際、入力したキーワードに関連する広告を検索結果に表示し、後者はブログなどに含まれる文字と関連するキーワードに連動して、広告を広く配信表示する。広告の最低価格は至って安いが、狙ったターゲットに届きやすいため、効率よくお客を集められる仕組みだ。

そんなロングテール現象を、わたしも取材した。そこで知りえたかぎりでも、ウェウで商品販売をはじめたところ、急激に売り上げを拡大した事例はいくつもあった。

大阪のある薬品店は、検索連動広告を利用することで健康食品等の売り上げを倍以上に増やし、東京の陶器販売を行うサイトは、売り上げを五倍にまで伸ばすことに成功していた。また、東京の女性向け雑貨販売のサイトも、倍近くまで売り上げを伸ばした。

検索エンジンに登録した複数のキーワードから客を拾い上げるという手法は、まさにロングテール現象の表れだった。だが一方で、それらは一時的な現象であったとも彼らは話していた。検索連動広告をやめた途端に売り上げは下がり、「そこそこ」でしかなくなったというのだ。さらにこう語っていた。

「これからウェブの小売りで生き残れるのは、在庫スケールをもっているトップの企業、ヘッドだけではないか」

ロングテールがもてはやされ、喧伝されている様子とは、違っているのだ。

膨大な情報がウェブに広がるなかで、ロングテールのような現実が機能しているのは事実だろう。だが、現実には誰もがグーグルやアマゾンにような成功を享受できるわけでもない。ウェブから広く薄く利益を集められる「勝ち組」は、ごく一部のヘッドでしかなくなりつつあるのだ。

そこで頭に浮かぶのはこんな疑問だ。商品の多様化で利益を得るロングテールは、その裏返しとして、ヘッドという一極集中を招くのではないかと―。

そう考えるのは、ほかでもない、広く世の中を見渡したときに、そんな一極集中的な現象がいくつも、そしてさまざまな分野で散見されるからだ。(※中略)

本書はそんな疑問をもとに出発している。ウェブの世界を代表するとも言えるアマゾンとグーグルのアーキテクチャー(制度設計)を参照しながら、いま世界を訪れている一極集中的なありようを考察してみるというものだ。(※中略)


日本も、アメリカのように独占禁止法の強化が必要になってくるかも知れません。



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