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フリー〈無料〉からお金を生みだす新戦略

2010-02-10 08:31:23 | マーケティング関係の成功本
「あなたがどの業界にいようとも、無料との競争が待っている」
筆者/クリス・アンダーソ 出版社/日本放送出版協会 1,890円

◆目次
 フリーの誕生
 無料とは何か?
  ・「フリー」入門─非常に誤解されている言葉の早わかり講座
  ・フリーの歴史─ゼロ、ランチ、資本主義の敵
  ・フリーの心理学─気分はいいけど、よすぎないか?
 デジタル世界のフリー
  ・安すぎて気にならない─ウェブの教訓=毎年価格が半分になるものは、かならず無料になる
  ・「情報はフリーになりたがる」─デジタル時代を定義づけた言葉の歴史
  ・フリーと競争する─その方法を学ぶのにマイクロソフトは数十年かかったのに、ヤフーは数カ月ですんだ
  ・非収益化─グーグルと二一世紀型経済モデルの誕生
  ・新しいメディアのビジネスモデル─無料メディア自体は新しくない。そのモデルがオンライン上のあらゆるものへと拡大していることが新しいのだ
  ・無料経済はどのくらいの規模なのか?─小さいものではない
 無料経済とフリーの世界
  ・ゼロの経済学─一世紀前に一蹴された理論がデジタル経済の法則になったわけ
  ・非貨幣経済─金銭が支配しない場所では、何が支配するのか
 ときには)ムダもいい─潤沢さの持つ可能性をとことんまで追究するためには、コントロールしないことだ
 フリー・ワールド─中国とブラジルは、フリーの最先端を進んでいる。そこから何が学べるだろうか?
 潤沢さを想像する─SFや宗教から、“ポスト稀少”社会を考える
 「お金を払わなければ価値のあるものは手に入らない」─その他、フリーに対する疑念あれこれ)
 結び─経済危機とフリー



この本の著者は、あの世界的ベストセラー『ロングテール─「売れない商品」を宝の山に変える新戦略』を出した人物です。

インターネットの出現によって、人気のあるコンテンツでも無料化の流れが一気に押し寄せました。その流れは、全ての産業に拡大していくと唱えます。

“潤沢さの持つ可能性をとことんまで追究するためには、コントロールしないことだ ”―この言葉には、深い意味があります。

最近読んだIT+PLUSに掲載されていた記事で、これに関連する面白かったものを御紹介します。


◆岸博幸の「メディア業界」改造計画
電子書籍の流通支配に出版社はいかに立ち向かうべきか

米国では「電子出版バブル」という新しいネットバブルが起きている感がある。アマゾン・ドット・コムの「Kindle(キンドル)」という牙城にアップルが「iPad」で挑もうとしており、メディアも両社の覇権争いに興味津々である。しかし、端末の競争やユーザーの使い勝手ばかりに目を奪われてはいけない。コンテンツである書籍を提供する出版社の視点から見ると、まったく違った風景が見えてくる。(岸博幸)

■電子出版のメリット

米国では、ユーザーから見たキンドルのメリットとして3つが指摘されている。無線通信によるダウンロードの簡便性、端末の使い勝手(読みやすさなど)、そして書籍の価格の安さである。それでは、コンテンツを提供する出版社にとってのキンドルのメリットは何か。それは、ユーザーがコンテンツの対価を払うということに尽きる。これはある意味ですごいことである。

ネット上には違法コンテンツや無料コンテンツが氾濫し、パソコン経由でネットを利用する多くのユーザーにとっていまやコンテンツは「タダで当たり前」となっている。これに対し、アップルの「iPhone」などの携帯端末上では、対価を払う習慣がだいぶユーザーに根付いたが、キンドルは電子出版という世界で同様のことを実現したのである。

アップルのiPadでは、書籍だけでなく様々なコンテンツを利用できるが、そこでもユーザーは対価を払うようになるのであろう。キンドルやiPadが本格的に普及すれば、ネット上が無法地帯から市場に進化するのである。(※中略)

■コンテンツへの愛や理解がない

そして第3のデメリットは、ネット上でのコンテンツ流通を担う側にコンテンツに対する愛や理解が欠如していることである。一例を挙げよう。マクミランの書籍の販売を再開した際、アマゾンは以下のような発言をしている。

「マクミランの主張する価格は電子書籍としては不必要に高いと確信しているが、同社は出版している書籍について独占的な立場にあるので、主張を受け入れることにした」
「私たちは、他の出版社はマクミランのような行動を取らないと信じている。また、他の独立系出版社や出版社に属しない作家がこれをよい機会と捉え、魅力的な値段の電子書籍を代替的な選択肢として提供すると信じている」

これらの発言からアマゾンは、自らが価格を決める権利があり、かつユーザーは価格が安い方を好むと判断していると推測される。しかし、活字文化という大事な文化を支える書籍についてもユーザーは価格が安いものを選ぶと決めつけるのは、いかがなものだろうか。例えばTシャツやテレビなどのモノならばそうだろうが、文化については若干違うのではないだろうか。

もちろん、アマゾンだけを非難する気はない。アップルも音楽について同じようなことをしてきたし、グーグルなどもコンテンツを搾取してきた。要は、ネット上のプラットフォームレイヤーでコンテンツの流通独占を獲得したネット企業の行動原理は、マスメディアやコンテンツ企業といったコンテンツレイヤーとは明らかに異なるのである。


“コンテンツの流通独占を獲得したネット企業の行動原理”―このキーワードは、非常に重要です。プラットホームを構築し、それがデファクトスタンダードになれば、後からいくらでも課金できるわけです。


本書で、一番印象に残った言葉があります。


“WEBの世界の評判経済と注目経済を活用すれば、誰でもGoogleになれる可能性がある”


インターネットの限りない可能性を示唆した、良いコトバだと思います。


最後に、著者のプロフィールを以下に記します。

◆アンダーソン,クリス(Anderson,Chris)
『ワイアード』誌編集長。「ロングテール」という言葉を2004年に同誌上ではじめて世に知らしめ、2006年に刊行した同名の著書『ロングテール─「売れない商品」を宝の山に変える新戦略』(早川書房)は世界的ベストセラーとなる。
ジョージ・ワシントン大学で物理学の学位を取得、量子力学と科学ジャーナリズムをカリフォルニア大学バークレー校で学ぶ。ロス・アラモス研究所の調査員を務めたあと、世界的科学雑誌である『ネイチャー』誌と『サイエンス』誌に6年間勤務。


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