プルサーマル計画を憂慮する有志の会

愛媛県伊方発電所3号機におけるプルサーマル発電の問題を考える有志の会です。

無責任かつ間違いだらけの、政府の「除染及び廃棄物処理」のロードマップ

2011年10月09日 | 日記
 政府が今月末に閣議決定する予定の、「放射性物質汚染対処特措法」に基づく基本方針(ロードマップ)の骨子が分かってきました。東電の一義的な責任、そして同時に国の責任を明確化したところまでは良いのですが、実質的に除染の面積や費用、汚染土壌や焼却灰等の中間貯蔵施設等の具体的な見通しがついているとは決して思えない、お粗末なものです。そして何より、放射能汚染の実態に即した施政(認識)の欠如と、除染の優先順位、費用の手当てがなされていない現状を見れば、このようなロードマップを出されたところで、それをどう受け止めればいいのか困惑してしまいます。

 具体的には、「追加被曝線量が年間20mSv以上の地域を段階的かつ迅速に縮小する」(以下、引用は『朝日新聞』)とありますが、この地域は、まず「避難地域」として、住民の方々に避難をして頂かなければならない場所です。除染でなく、避難です。そして「年間20mSv未満の地域は、長期的目標として年間1mSvを目指す」ということですが、そのように1mSv以上の被曝を受ける地域に、「長期」に住民の方々を住まわせてはいけないのです。またそれを規定した法律も、日本にはあるのです。(不法治国家なので、当然守りませんが・・・)やはりここも、除染云々よりもまず、「避難」なのです。

 今朝のTV番組で、福島市で現地調査している大学の先生が、市内には3000ベクレル/kgを超える汚染地域があり、除染しても思うように放射線量が落ちていないそうです。その先生も、まず避難して、除染で放射線量が下がってから、住民に帰ってもらうようにしなければならないと細野原発担当大臣に忠告されましたが、当たり前のことではないでしょうか?しかしその当たり前の判断を、政府はできない、しようとしないのです。チェルノブイリと旧ソビエトの基準に倣っても、少なくとも5mSv以上の地域は、今すぐ避難勧告を出すべきです。そして1mSvから5mSvの地域を最優先として除染を行なうべきなのです。勿論その除染の期間には、住民の方々は一時的に避難すべきであることは言うまでもありません。

 廃棄物処理に関しても、結局は、自治体自らが除染を行い、仮置き場を苦労し悩みながら決めた場所を明記するに留まると考えられます。(しかし現在、「仮置き場が自治体単位ですべて決定しているのは2町村のみ」だそうです)実質、自治体に丸投げの状態です。(チェルノブイリ事故後、30キロ圏内は立ち入り禁止地区となり、その中での放射性廃棄物の保管を300年と規定しているそうですが、)政府がすべきことは、中間貯蔵施設を速やかに確保し、安心して仮置きが設定できるようにすること、除染を含めた費用の手当てを予算に入れることです。第3次補正予算の2、000億ぽっちでは、除染は進みません。兎に角、遅いだけでなく、間違いだらけで無責任なロードマップなど出されても、困惑するのは被災者の方々なのです・・・

P.S. 避難住民への聞き取り調査で、「『戻りたい』という人は43%で、前回6月調査の62%より減った」そうです。「(警戒地区の町は)放射線量が高すぎる。除染してもすぐに元通りにはならない」と考えている方が多いようです。実際に、現在避難している地域は、チェルノブイリのように30年経っても帰ることはできないことを、多くの方が分かっているのです。それを認めないのは政府だけです。その基本軸がずれているから、全ての方針が間違ってくるのです。いえ、故意にそうした方針を立てているというのが真実なのでしょうが・・・

P.S.2 上記の某先生が(お名前が書き取れませんでした、済みません)、ガレキの焼却に関して、(焼却炉からの)排気ガスをもっときちんと計測して、放射性物質の量を確認すべきだと言われていました。細野大臣は、「バグフィルターで99%以上除去できる」と、官僚か専門家から言われた通りの言葉で安全を強調されていましたが、それなら原発事故も起こらなかった道理です。私は99%除去できるなんて信じられませんし、ランニングコストの掛かるバグフィルターを、しかも放射能汚染された危険なフィルター交換を、定期的に行なうなんて思えないのです・・・

ちなみに、東京都が受け入れを表明した岩手県宮古市のガレキですが、焼却した後の(放射性物質の濃縮した)灰を、東京湾に埋め立てるとか、これも政府が8000ベクレル以下は埋め立て可能などと、何の根拠もない間違った基準を決めているからこういう話になるのです。(低レベルであろうが高レベルであろうが、)厳重に管理すべき物ではないのですか?放射性物質はという物は・・・

P.S.3 東電は、「福島第1原発5、6号機に溜まっていた低濃度の放射能汚染水(約1万7千トン)を発電所敷地内」に浄化した後、まき始めたそうです。国の基準地以下だそうですが、その理由が、「敷地内の森林を伐採した木が自然発火しないように」、「放射性物質が風で舞い上がらないように道路やグランドなどにまく」とのこととか・・・汚染水が乾いた後に、木や道路に付着した放射性物質は、その後どうなるのでしょうか?また汚染水をまくのでしょうか?正直、東電や政府の思考にはついていけません・・・