プルサーマル計画を憂慮する有志の会

愛媛県伊方発電所3号機におけるプルサーマル発電の問題を考える有志の会です。

世界80カ国のデモと金融(財政)危機

2011年10月16日 | 日記
 この2ヶ月(7月末から9月末)までに、世界全体で18.2%の株安となったそうです。各国別に見れば、米国15.6、英国12.5、中国11.8、印・豪10.0、日本9.1、ブラジル7.5%の下落です。急激に下げたというより、だらだら下がってきたという感じですが、下げ止まったという感じでもありません。この先さらにだらだらと、同じぐらいの下げがあってもおかしくありません。それほど状況は不安定、先が見えない状況のように思います。

 ギリシャの財政赤字が問題のように取り上げられますが、米国は財政赤字が今年度を含め3年連続の1兆ドルを超えて、借金地獄から抜け出せていません。勿論、100兆の累積財政赤字を持つ日本も例外ではありません。EUは先程、欧州金融安定化基金の資金規模を、84兆まで積み上げ、さらにIMFに対して資金規模の増額を要求していますが、拠出金の増額に繋がる米国はこれを拒否していますが、その余力もないというのが実情でしょう。傍目から見ると、EUと米国が、財政赤字をめぐる鞘当をしているようにしかみえません。(EUの財政危機の収束が円高防止にもなるとしかいえない、某国の財務大臣などはもっと無責任なものですが・・・)

 某友人Mさんによれば、現在は過渡期であるとのことです。かつて覇権国であったイギリスから、覇権が米国に移る過渡期に、政治・経済・軍事的な不安定な時代があったように、現在は米国から中国へと覇権が移行しつつある過渡期であり、政治的にも経済的にも、そして軍事的にも不安的な時期に当たると言われます。逆の言葉でいうと、リーダー不在のコントロールの効かない状況ともいえます。現在米国は、そのリーダーの任は重く、ただそれでもトップを張ってきた力の片鱗はまだ残っています。中国も底力を持ってきたとはいえ、完全に米国を凌ぎ、世界をまとめるほどの実力には至っていません。実際、中国もインフレと不良債権に苦しんでいます。

 現在はそれをカバーしようと、既存の先進国と発展を遂げてきた新興国が寄り集まって(G7からG20へと増殖)、なんとかしのごうということなのですが、正直いつ空中分解して、自国保護の方針に走り始めるか分からない恐ろしさがあります。勿論こうなれば、アラブのデモどころではありません。中東や北アフリカを戦場にした、第3次世界大戦などという悪夢も、非現実的なことではなくなるでしょう。米国が帝国主義でもなんでも、中国が1党独裁の共産主義であろうが、そんなことよりも、何千万という死傷者を出し、戦費を浪費する(直接的な)大規模な戦争は避けなければなりません。それを考えると、強力なリーダー(支配者)があってこそ、世情は安定し、安心して経済活動ができ、資本が投資されるのです。こうして、この世界の政治・経済・軍事の「利」のシステムが維持されるのです。それはつまり、この世界のピラミッド型の支配体制が維持され、搾取が横行し、多くの国と地域、人民がその犠牲として下支えしなければいけなくなるということでもあるのですが・・・

 現在米国のみならず、世界80カ国で「格差」を訴えデモが起きているそうです。大企業や金融機関だけが救われる状況に怒っているのです。デクシアは救済されても、民衆はその枠外です。仏パリバ銀行も梃入れされるでしょう。金持ち(資本)を守るようにこの世界はできています。その為のシステムです。何十億の民衆が死に絶えようとも、そんなことを意に介する構造にはなっていないのです。勿論、それに異を唱えているのが現在のデモだということなのでしょう。ただ、この歴史上、そうした民衆の蜂起で、世の中が変わった事があったのでしょうか。あったとして、より良い形になったことがあったのでしょうか?あったとして、それが長く続いたことがあったでしょうか?・・・

 血を流すのは、金持ちや資本家ではありません。一般の、多くの民衆です。民衆同士です。国内においても、世界の中でみても、いがみ合い殺し合うのは、抑圧され、犠牲とされてきた人々同士です。これでは多くの命が無駄に流されたことになります。殺すべきでない人々を、殺すべきでない人が、殺したことになります。なんとも空しいことです。戦争は止められません。世界の8割の人々が反対したイラク戦争は行なわれました。何十億の人々が反戦デモをしても、無理でした。しかし、その帝国主義の米国がまだ(最後の)力を持っていたから、第3次世界大戦は防がれていたのかもしれません。自国の「利」が最も多く得られるシステム(支配の構造)を守ろうとするからです。何とも皮肉な現実です。

 Out of contorl となった原発がどうなったか、皆さんはご存知です。今現在、世界の秩序は、巨大な地震に見舞われ、冷却水が失われた状態です。いつ炉心溶融が始まってもおかしくない危険な状態である、ということだけは間違いのないことだと思います。循環システムも破断し、だだ漏れです。それでも、なんとか水を掛けて冷まそうとしている状況なのです。つまり、金融機関に銀行にお水(お金)を流して、(漏れ続けても)なんとかこれ以上悪くならないように、おまじないを掛けている状態といってもいいでしょうか。おまじないと言っても、随分と金の掛かるおまじないです。それでも、しないよりは良い、大規模な恐慌、そして戦争(大爆発)が起こらない方が良いからです。(哀しいけれど)金持ち(資本)だけが助かろうと、多くの民衆が犠牲になろうと、この(「利の」)「システムを守るしかないというのが、致し方のない現実なのです・・・

P.S. デモをしても仕方がないかのような文章を書いていますが、それを止められるほど私は人間ができてはおりません。デモンストレーション(示威活動)は武(暴力)ですが、愚かな私はそれを止められないのです。(ブログもその一手段です)「仏教徒の会」の方々には申し訳ないのですが、私にとっては、座禅をし、お経を唱える行為も示威活動(暴力)なのです。人々の平和を願うというよりも、自己の主張の、正当化と実現を要求しているのです。衆生を度(救済)するなど、私にできるはずもありません。・・・一昨日、昨日と7,8名の方で行ないました。今日を含めてあと2日です。通りすがりに、お経を聞きに来られるだけでも良いかと思います・・・

P.S.2 愛媛県には約300名の被災者の方々が避難し、そのうち松山に250名おられるそうです。公団住宅は無料で開放されているとのことですが、生活費の支援はありません。未だ東電からの仮払金だけでは、暮らしていくのは難儀なことだとお聞きしました。実際、家族がばらばらになり、家族崩壊に面するほどの厳しい状況があるようです。これも全て、東電と政府の責任だと、無責任に言い放つだけならこれほど容易なことはないのですが・・・