プルサーマル計画を憂慮する有志の会

愛媛県伊方発電所3号機におけるプルサーマル発電の問題を考える有志の会です。

やはり放射能汚染水(地下水)の漏出は止まらない?

2011年10月27日 | 日記
 朝刊(『朝日新聞』)によると、「東京電力は・・・敷地内にたまっている放射能で汚染された地下水が海に漏れないようにするための遮水工事を28日に始める」、ただし「陸側の遮水壁効果が薄いとして建設を当面見送る」、「工事は発電所の東側で敷地から4メートル海側に、高さ22メートルの鋼板700個を敷地周辺800メートルにわたって打ち込む」、「さらに敷地と鋼板の間に土を埋める」予定だそうです。

 私の拙い理解では、敷地内にいくら矢板を打っても汚染した地下水を止められない(遮水できない)ので、海に矢板を打ち込んでできるだけ汚染水を囲い込み、土を埋め込んで吸収させるという案のようです。実際、原子炉に注水し続ける限り、その汚染水が漏れ続けるわけで、また地下水と混じって海へ流れる出続けているわけですから、今可能な最善手なのかもしれません。それでも、永久に吸収し続けることもできませんから、結局は溢れ出てしまうか、矢板の隙間から少しづつ漏れるのではないかとは思うのですが・・・

 話は変わりますが、南相馬市のホールボディーカウンターで検査した小中学生(527人)の半数から、放射性セシウムが検出されたそうです。体重1キロ当たり10ベクレル未満が199人、10~20ベクレルが65人、20~30ベクレルが3人、30~35ベクレルが1人とのことです。「新陳代謝が高い小学校低学年で30日程度で半分が出ていく」(大人で100日程度)とのことですから、当初の被曝量はそれなりに大きかったと思われます。ちなみに、「ベラルーシのベルラド放射能安全研究所は、子供の場合、放射性セシウム体重1キロあたり70ベクレル以上を危険レベル、20ベクレル以上を要注意レベルと決めて対策を取っている」とのことです。

少なくとも、今後内部被曝しないように、最善の注意を払ってあげたいところなのですが、暫定基準値以下を「安全」として、放射能汚染した食物を流通させている現在の状況では、それも叶わない現実があるのですが・・・

P.S. 連載している「プロメテウスの罠」によると、原発から5キロに設置された対策本部は、14日夜には撤退を決め、15日午後には原発から60キロ離れた福島県庁にまで退却しています。(さすがに素早い逃げ足です)しかし、浪江町や川俣町には、まだ多くの住民が残っていました。15日夜に放射線の測定を指示された研究者の木村さんは、指示された3ヶ所の放射線を測定、赤宇木では330μSv/時もあったそうです。しかしながら、その数値は住民に伝えられることもなく、避難に使われることもなかったといいます。その指示された3ヶ所は、ピンポイントで高い放射線を示していました。政府は既に、SPEEDIを基にしたシュミレ-ションで、危険な汚染地域を把握していたわけです。にも拘らず、住民や町に伝えることもなく、避難もさせなかった・・・これは明かな犯罪ではないのでしょうか?・・・

P.S.2 1号機で爆発が起こった3月13日未明に、原子力安全委員会の助言組織の鈴木氏は、政府の緊急災害対策本部にヨウ素剤の服用に関する助言をファックスで数回行なっています。しかし当日の自治体へ出す支持案には、ヨウ素剤の服用には触れておらず、氏は再度、「除染及び安定ヨウ素剤服用」を助言したそうですが、政府は結局、原発周辺の自治体に服用の指示を出すことはありませんでした。これに対し対策本部は、その「紙(ファックス)自体が確認されていない」と答えているそうです。まさに緊急災害に対応する資質なしの体たらくです。

助言などなくても、服用の指示を出すのが当たり前の状況ではないのでしょうか?それをそうした助言の事実さえ否定し、隠蔽しようというのですから。これもまた犯罪と断じることのできる行為だと思うのです・・・ちなみに、服用すべきだった(体表面汚染が1万cpmを超える)住民の方々は約900人いるそうです。(1万cpm以下でも、子供には全員飲ませるべきだったのです)「服用していれば、14日、15日に起きた爆発での被曝を軽減できた可能性があ」ったとのことですが・・・