昨夜は右膝が疼き眠れなかった。
このまま歩けなくなるのかとも思い、昔使った湿布薬を貼ると
す~とし、いつしか眠った。
少し歩かねばと図書館への送迎をしてもらい本を返却する。
『日付のある歌』
河野裕子さんの第10歌集。
1999/11/10 ~ 2000/11/09 の1年間、娘の紅さんと同時連載で
1日1首を作った。この歌集には裕子さんの歌だけが掲載されている。
三月九日 朝雪 紅、実験で五時帰宅、永田六時就寝、裕子7時起床
《チグハグに暮らす家族に猫二匹怪しみもせず付き合ひくるる》 (河野裕子 『日付のある歌』)
紅さんは裕子さんの長女で京大生、ご主人の永田さんは京大教授。
この頃裕子さんは主婦業の傍ら、NHK歌壇選者、毎日新聞選者、「塔」選者を
されていた。選歌はほとんど徹夜作業となる。また、地方へも講演、講師で出か
けられる。短歌の仕事が毎日ある。
九月二十日 はれ
夜中過ぎ鏡の前で偶然気づく
《パソコンの青き画面に向きゐるに「何やこれ」と言うて君に触らす》 (河野裕子 『日付のある歌』)
2000/09/20 左脇に大きなしこりを発見。
2000/09/22 診察で乳癌と判明。
「4年前の乳腺外来では見過ごされた。これも運命か」と悔しい思いも歌われている。
十月十日 雨
眠られずハルシオンを酒で嚥みこむ
《わたしよりわたしの乳房をかなしみてかなしみゐる人が二階を歩く》 (河野裕子 『日付のある歌』)
2000/10/11 入院、手術。翌 2000/10/12 退院。
このあと、10年間を乳癌との闘病に費やされた。
今回も他の図書館より取り寄せてもらった。
「すいたとしょかん」とある。
この本は著者のサイン入り。
今回もパソコン入力した。
以前の倍のページ数、118ページあった。
普通のホッチキスでは留まらない。
大きいホッチキスでガシャと留めたが、針が曲がってしまう。
クリップで留めた。