『笑う警官』
マイ・シューヴァル (著), ペール・ヴァールー (著), 高見 浩 (翻訳)
1971年アメリカ推理作家クラブ最優秀長編賞受賞
本作は過日ある方から勧められ図書館に赴くものの書架に無く、
係りの方にお聞きして奥の倉庫(閉架というらしい)からわざわざ出していただいて読んだ。
予てから述べていたように私には海外小説の翻訳ものに偏見があり、これまでほとんど読むことが無く、
しかも37年も前の作品でもあり、あまり期待することなく『ふ~ん、どれどれ、、』というような気分で読み始めた。
読み進めるうちに私はいつしかストックホルムの寒い街角にたたずみ、
この奇怪な事件を真横で傍観し、
マルティン・ベックやコルベリたちと共に事件解決への糸口を探っているような錯覚に囚われた。
この著者夫妻の緻密な調書描写は驚くべきものであり、いささかの手抜きも無く、
また寸毫の無駄も無い、、、息をつかせぬとはこの事なのだろう。
またこの小説は37年も前に書かれたものであるにも拘らず、
むろん時代背景はベトナム戦争など懐かしいもではあるのだが、まったく古臭さを感じさせず、
おそらくこの小説が今発表されたとしても高い評価を得るであろう。
いや、参りました。
今後、海外ミステリーをもっと読んでみます。
★★★★★
これも参考にしてみます。
ありがとうございます。
私は年末に出る「このミステリーがすごい」のランキングを見て選んでいました。
このところあまり読んでいないので
Pさんに教えていただきたいです。
「笑う警官」のおかげで私はまた新しい楽しみの分野を見い出す事ができたようです。
今のところ「アメリカ推理作家クラブ」受賞作をかたっぱしから読んでみようと思っていますが、
何かお勧めがありましたら教えてくださいませ。
よろしくお願いします。
人間関係がべたつかず、おしゃべりが多くないのもいいですね。推理小説はやはり外国のものがずっとレベルが高いと思います(数が多いから当たり前ですが)。翻訳のもどかしさや理解しにくい文化の違いはありますが、それを超えた面白さがありますね。