森絵都の『風に舞いあがるビニールシート』という短編小説集に「犬の散歩」という小作品があり、
この中で、ひと頃話題になった米軍による攻撃下のイラクで拉致され、
解放された日本人3人について、
森は、
作品中の、グラスワインを片手にカラフルな前菜をつつきながらランチを楽しんでいる30代半ばの主婦らしい二人連れに、
次のように語らせる。
====
『なんだかねぇ、正義だとか、平和だとか言っちゃ . . . 本文を読む
ポーランド人のフランチシェク・ガヨブニチェク氏は1941年、アウシュビッツ強制収容所の囚人だった。
脱走者が出ると、見せしめのため、10人を餓死室に入れるのがナチスの決まりであった。
7月、脱走事件が起きた。
10人にガヨブニチェク氏も選ばれた。
彼は「私の妻、子どもたち」と泣き崩れた。
そのとき、一人の囚人が身代わりになりたいと申し出た。
「私には妻も子もいません。あ . . . 本文を読む
“精神の過熱を冷ます為に”という言い訳を卑劣のポケットに忍ばせて、
週に一度は仕事を休む事にした。
休んだはよいが為すことも無く、昨朝も普通に目覚め、その後瞑目するも眠れず、
いつものように朝飯を食って、、、仕方がないから、、映画を観た。
『オーシャンズ13』
久しぶりの劇場は音が大きすぎて、静寂に慣れたオジサンには少々喧しい。
心に残った言葉はメキシコの英雄、エミリアノ・サパタの . . . 本文を読む
『Arbeit macht frei』という言葉がある。
「労働はあなたを自由にしますよ」という意味だそうだ。
ところが、この『Arbeit macht frei』、、、ドイツでは忌み嫌われる禁句。
何故なら
、、、、、、、、、、【アウシュビッツ】に掲げられている言葉だから。。。
マクルーハンの『メディアはメッセージである』を地でいく話だ。
. . . 本文を読む
諏訪哲史の著した『アサッテの人』によれば、
生きるという事は、
下り専用のエスカレーターをひたすら上って、
中空に浮いたような状態になっているという事らしい。
別に難しい事ではない。
左の足を出したらすぐに右の足を出せばよい。
ただ、、、、、、、時々、、、躓く。
そして、
作業を停止すれば、、、、、、即ち落下を意味する。。
. . . 本文を読む