『猛スピードで母は』 長嶋有 第126回芥川賞受賞作
シンプル。無駄がない。非常に気分の良い作品だった。
北海道に暮らす母子家庭。
母は息子をベタベタと甘やかさず、颯爽と生きる。
息子は小さくいじめられるが母は意に介せず、その事によりむしろ息子は救われる。
まったく粘着のない爽やかな、、、オトコマエの母親だ。
★★★★★
近頃つらつら世間を見るに、オトコマエの男という . . . 本文を読む
『夜のピクニック』恩田陸
第26回吉川英治文学新人賞受賞、第2回本屋大賞受賞、「『本の雑誌』が選ぶ2004年度ベスト10」に選出
本書は上記の受賞作であり、
著者の恩田陸は、他の作品でも数々の受賞及び候補作を著わしている実力者であるといって過言ではない。
ただ、この『夜のピクニック』は、私は不快だった。
恩田に並々ならぬ筆力があり、
その臨場感、心理描写にハッと驚かせるよ . . . 本文を読む
『まほろ駅前多田便利軒』三浦しをん 第135回直木賞受賞作
東京郊外まほろ駅前の便利屋と、風変わりなかっての同級生が織りなす
ちょっときな臭い物語。
主人公の多田は『スッキリ』の加藤浩次、同級生行天は豊川悦司ってイメージで読んだ。
心底憎める悪が出てこない弱さがあるが、軽快な文章で気分が良かった。
三浦の本は初めてだったが又違ったものを読んでみたい。
ただ、あとは引かない。
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昨日帰国した。
今朝、病院に行くと竹内結子に似た主治医が
『あぁ、帰ってきたのね!、、どうなる事かと心配したのよ』
と言った。
この黒目の大きな30歳くらいの女医は、
今回、私にイタリア出張があるという事を、事前に何度も念を押していたにもかかわらず、
最後の最後まで
『出来れば行かないでくれ。行かせたくない』
と言い続けていたのだ。
『えぇ、、まぁなんとか、、』
と照れ笑いをしていると、 . . . 本文を読む