『行きずりの街』 志水 辰夫 (著)
本書は1991年「このミステリーがすごい」1位、日本冒険小説協会大賞受賞と
輝かしいタイトルを手中にしており、私も俄然期待して読んだ。
、、、ったく、
、、こういう大賞の選者っていうのはどういう感覚してんだろうね?
まず、ほとんど何の関係もない一教え子の女の子が連絡不能になったからといって、
仕事を投げ打って命を賭けてまで長期にわたって探し回る
っていう話の構造自体が在りえんだろう。
しかも、「女の子が無事である事を確認出来れば満足」だとか言っていたのだから、
探し当てたら、おばあさんが危篤である事を告げて去ればいいのに、
女の子が帰郷しないと言っているのにもかかわらず、
『お前は騙されているんだ』とか何とか、、、イラン世話だっちゅうの。
しかも自分自身は、過去に、
別の教え子の在学中に彼女に異常な性的懸想を抱いて彼女が卒業してすぐ結婚し、
『結婚しているから正常な恋愛だ』とけろっとしている。
どこが正常だよ!ってんだよ。
さらに連絡不能だった女の子をカッコよく救出に向かうのは良いが、
、、、、なにさま弱い弱い。
どの場面でも『許さない』とか『睨みつけた』とか言ってるが、
もう一方的にやられまくって、、
しかも正義面だけはイッチョマエっていうアホアホしさ。
もう、この主人公みたいなのが、、私は一番好かん。
かえって悪役の潔さや力強さ、揺るぎない信念のほうがよっぽど魅力的だった。
街や、道具立て、主人公の感情の描写も、ネチネチ、クドクド、、胸糞悪いわ!
★☆☆☆☆