『キュア』

2008-04-01 18:34:30 | 文学





『キュア』田口ランディ


本書を何故読もうと思ったのか今はもう忘れてしまったが、
何かの書評を見たのだと思う。

この本の書評を読むとどれもこれも満点、五つ星で、ちょっと期待しちゃった♪
読んだのは入院中で、本書の内容が癌患者にまつわる事だったのでなおさら腰を入れて読んだ。


、、、、、まったくつまんなかった(涙)



ストーリーは霊感を持つ医師が自身も癌に蝕まれ、
リストカット少女との出会いなど経て死生観を見つめ、葛藤し、模索する。


まず大体、霊感だとかシャーマン(巫女)とかスピリチュアルなんつー言葉やニュアンスが出てきた段階でもうあきませんわ。

こんなもんが出てきたらもう何でもありで、
本書でも、末期で口も利けなかったがん患者が主人公のスピリチュアルな力で言葉を発し、
安らかに眠るように死ぬシーンが出てくる。

そんなもん「なんでやねん?」って訊いても「霊感だから」とか言われたらそいで終わりやんか。

死生観とか言っても、私も一応『死について、、、』などといっぱしに構えて考えた事があるが、
この本に出てくるようにもう日も夜も無いかのように『生きるとは、、、』な~~んて考えはしないのだ。

人生なんちゅうのはそういう『人生』っちゅう概念にあるのではなく、
日々の、例えば昼に缶詰のミカンが出て嬉しかったとか、血圧が少し下がってよかったとか、そういう日常の中にこそあって、
あぁ、、最後はこういうことの連続が途切れた時にくるんやなぁ、、と、案外さっぱりとしたものだと思う。


皆さんはどないでっか?


★☆☆☆☆







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2 コメント

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スピリチュアリズム (元祖 通りすがり)
2008-04-02 12:34:33
私は誤解を恐れずに言えば、スピリチュアリズムをベースとする霊魂や死後の世界、輪廻転生に関して完全なる肯定派なんですよ。
が、個別の事例に対しては、肯定派の目から見てもインチキあるいは間違いとしか思えないものがあまりにも多いので、まずは疑って掛かりますが…。

肯定派と言っても、否定派の人に自らの考えを強要する気など毛頭ありません。客観的に実証は出来ませんし、第一、私自身わからないことだらけですから(笑)
誰しもいずれは死を迎える…その時になれば、嫌でも身をもって真相を知ることが出来る、それで充分だと思っています。




さて、『キュア』についてですが、この作品は未読です。
ただ、ランディ氏のエッセイ集『もう消費すら快楽じゃない彼女へ』は秀作だと思います。
これは、私が初めて読んだランディ作品で、独自の視点、冷徹な分析力に適度な皮肉を加味した作風には大いに感銘を受けました。中にはスピリチュアルを彷彿とさせるエッセイもありますが、醒めたスタンスを保っているので、嫌みな感じはしませんでした。
これとて主観に過ぎませんから、人によって評価は様々でしょうけどね(笑)
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田口ランディ (P@RAGAZZO)
2008-04-02 13:00:51
こんちは、元祖 通りすがりさん。
正直で率直な意見をありがとうございます。

私は恥ずかしい事に、
スピリチュアルや霊感を否定するくせに輪廻転生を密かに信じています。
自己矛盾ですね。
肌で感じる事にスピリチュアルなものがあっても、
私の何かが理論的でないことに撥水してしまようです。

田口ランディは『キュア』が初めてでした。
エントリーにも書きましたが、
この作品は非常に評価が高いものでしたので、
私の意見はむしろ少数であり一般的ではありません。
通りすがりさんも機会があれば読んでみてください。

『もう消費すら快楽じゃない彼女へ』は題名は知っていましたが未読です。
是非読んでみます。
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