『禁断のパンダ』

2008-05-18 11:23:54 | 文学






『禁断のパンダ』 拓未 司 
第6回『このミステリーがすごい!』大賞受賞作


物書きにとって何かを食べる事を題材として物語る事はナカナカ難儀な事であって、
その意味に於いては本書は優れているといえる。

特に前半のフレンチに関する表現は
読むものをして垂涎たらしめるに充分であると思われる。

中盤において足踏みな感があるものの
終わりに近付くと一変しホラー小説の様相となる。

ただ、ミステリーとしてはどうかと問われれば、
物足りないと言わざるを得ない。

しかし、読む分において不快であるかと言えばそうではなく、
むしろ楽しく読めた。




★★★★☆(星三つ半)







最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
同感 (秘密のあっこちゃん)
2008-05-18 17:07:58
フランス料理の内容表現はすばらしかったですね。
作者自身が料理人だったらしいですね。
後ろ四分の一は、ちょっと違うほうへ走りすぎた気がしました。
絶望的な結末を予想させる展開にかなりわくわくしましたが、ちょっと肩透かしでしたね。
返信する
 (P@RAGAZZO)
2008-05-18 18:50:13
こんにちは、あっこちゃん。
そうか、料理人だった人なのですか。
こんな豪華な結婚披露宴のコースがあったら素敵ですね。
でもお祝いをどのくらい包めば良いのか考えちゃいますよね(笑)
美味しいモノをあくまで追求する“人間”は相当に罪深い存在なのかも知れませんね。
返信する