【山妣】

2007-06-24 18:47:05 | 文学







【山妣】(やまはは)坂東眞砂子





久しぶりに重厚な小説を読んだ。



この坂東眞砂子という人は、
日経新聞に『子猫を殺した』と衝撃的な告白をし、
一時期はファンサイト炎上、
今でも彼女の書籍の不買運動が残っている。



まぁ、その事の是非は別としてこの【山妣】である。



物語は雪深い越後を舞台とした明治の頃、
ある寒村に残る山姥(やまんば)の伝説と東京から流れてきた2人の芸人、
そして、その地の大名主の跡取り、これに嫁いだ妖艶な後妻
が織り成す20数年に亘る血と金と愛憎、そして性、



赤子の首を食うと恐れられた山姥(やまんば)が
徐々にその正体が明かされて
実は訳あって奥深き山中に棲む【山妣】(やまはは)である事が判っていく過程は
実に見事に計算された段取りを踏んで、私たちの心に迫ってくる。




世に物書きというのは掃いて捨てるほど居るし、
これから物書きになりたいと思う人も数多居るだろうが、
小説家を目指す人はハナからこういう本を読まないことだ。

ただ自信を喪失するだけの事になろう。




これ、不買運動とは違いまっせ(笑)







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2 コメント

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読みたい!! (ボチボチかめです)
2007-06-25 13:33:17
書籍は よく買いますが、そういえば、ここんとこ小説は ご無沙汰をしています。



読んでみたいし、

読まにゃなるまい

P様の筆の冴え。



早速 書店に出向くといたしますか (笑い)
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クールダウン (P@RAGAZZO)
2007-06-25 13:46:30
やぁ、お元気ですか、かめ様?

相変わらず戦場のようなお仕事ぶりのようですね!
お仕事の熱い頭をクールダウンするには、
たまには小説もいいですよ(^^)/
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