『女たちのジハード』

2008-01-28 12:08:51 | 文学






『女たちのジハード』篠田節子 第117回直木賞受賞作



バブルがはじけた頃からの女性5名くらいのそれぞれの人生。
女性作家ならではの視点で、テンポ良く、ナカナカ面白く読めた。

ただ、現実の話としては無理のある設定が多く、
特に後半のアメリカでのパイロット資格への挑戦や、無農薬有機トマト展開ビジネスのトントン拍子ぶりには、
映画にもならない安いトレンディードラマを思わせた。
(NHKがドラマ化したらしい。観てないけど、、)


と、こう書くとつまんない小説のようだが、違う。


読んでいる最中は、ヤクザとの駆け引きあり、ドメスティック・バイオレンスありと息をつかせぬ面白さで、
あっという間に450ページが終わったという感じ。
特に女性が読んだら堪らないのかも知れない。


最後の方で純子が康子に
『自分も商品も付加価値をつけて高く売るのよ。安売りはダメ』
という意味の事を言うが、心に残った。







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4 コメント

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篠田節子 (秘密のあっこちゃん)
2008-01-29 09:08:34
偶然図書館から篠田節子著「ロズウェルなんか知らない」を借りていました。読んだら感想をアップします。
忙しくてなかなか本を読む時間が取れませんが、少しづつ寝る前に読んでいます。最近おもしろかったのは山崎ナオコーラ著「カツラ美容室別室」と恩田陸著「いのちのパレード」。「カツラ美容室別室」は確か芥川賞候補になっていたような。淡々とした語り口なんですが、一気に読んでしまう吸引力がある本です。
「いのちのパレード」は御伽噺的な不思議な話を集めた短編集。「夜のピクニック」以来この人の本はできるだけ読むようにしています。まだ、期待を裏切るような作品には出会っていません。
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恩田陸 (P@RAGAZZO)
2008-01-29 16:15:27
こんにちは、あっこちゃん。

「カツラ美容室別室」はもう単行本が在るのですね。
芥川賞作品は文学界とか群像とかの月刊誌に発表されているものが多く、
「ワンちゃん」も読みたいと思って探したら月刊誌はすでに無く、
単行本は中古でプレミアムが付いて2390円位の値がついていました。
(もっとも、現在は新品で1200円の定価で出ていますが、、)

恩田陸の作品は読んだことがありません。
「夜のピクニック」はあらすじを読むとちょっと買うのには躊躇しますが、
図書館にあれば読んでみたいですね。

なごみ系の作品はたまに読むのには良いですが、
続けて読むのは(男だからかもしれませんが)きついです。

今読んでいるのは「ヒート・アイランド」垣根涼介。
大好きなジャンルです。(笑)


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カツラ美容室別室 (秘密のあっこちゃん)
2008-01-29 22:03:16
河出書房新社から出ています。1200円。私は図書館で借りましたが・・・。ナオコーラという名前はコーラが好きだから、なおこの後に付けたんだそうです。
私はシリアスなもの、ハードボイルド、ほのぼの系、心を読みあうもの、饒舌な語り口ものいろいろ取り混ぜて読むようにしています。恩田陸の「木漏れ日に泳ぐ魚」は心理的にきつい作品ですが、今までにない恩田陸の可能性をみせてくれたと思います。気が向いたら読んでみてください。
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ありがとう (P@RAGAZZO)
2008-01-30 12:13:20
恩田陸。ずいぶんたくさんの作品を書いていますね。

是非、どれかを読んでみます。

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