よしべや自然博物館

2022年11月の月蝕を契機に電視観望を始めました。
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天文初心者の悪戦苦闘の記録。

電視観望の記録075(はくちょう座 IC1318A)

2023-06-07 06:00:00 | NGC天体他

はくちょう座 IC1318A (Sh2-108部分)

画像① QBPフィルターⅢ使用、VGA切り出し

IC1318(≒Sh2-108)は、はくちょう座のγ星サドルの周りに広がる散光星雲。

IC1318について浅田さんの本で存在を知った。SynScanProのGOTO機能で自動導入(画像④)。

久方の星雲と言うことで、少し悦に入り観望記録を終えた。

翌日のAstapのディープスカイ・アノテーション(画像②)では、IC1318A・・・Aって何?

資料を探す内に、Sh2-108との記述を見つける。Sh2-108はγ星サドルを取り巻くHⅡ領域(電離した水素が出す光の領域)の名前、英語版WikipediaではIC1313がサドル領域(Sadr Region)として見つかり散光星雲との記述あり。ほとんど同じものだが観測方法とかの違いが名前に表れているようだ。

『サドルを取り巻く1つの大きな散光星雲が、暗黒星雲に分断されている。画像①はそのごく一部分に過ぎない。』ということらしい。他の部分を撮影してディープスカイ・アノテーションするとBとかCとかつくのだろう。

撮影画像では、画像①の右上45°方向にIC1311散開星団があるので、サドルの北西方向の部分であるようだ。アスタップのディープスカイ・アノテーションは、それを認識してIC1318Aと回答したようだ。

なお、SynScanProではIC1313を検索するとIC1318Aが返ってきたが、ステラナビゲーターLiteではサドルが返ってきた。少し驚くがこちらの方が正しいように思う。(もっとも観望で,こちらが出たら驚いて慌てただろうとも思う。) 天体観測は奥が深い!

画像② アスタップによるプレートソルブ、ディープスカイ・アノテーション

画像③ PNG保存画像、視野回転部分トリミング済み(約2250×1250サイズ)

画像④SynScanProのIC1318のデータ

 

画像⑤ステラナビゲータLiteによる観望位置。(今回は浅田さんの本を参考に記入)

 

覚書)

①6月3日に、瞬き星雲をMak127で再観望。大きくは写ったが、大きな青い星のレベル。記録を新しく起すほどではないので、記録070に追記。

②Cr399コートハンガー星団を6月5日に観望。SynScanProのユーザーオブジェクトから導入。美しい、パソコン画面からもそう感じた。しかしライブスタックの失敗で記録失敗。次は中心に導入してから、ライブスタックに入ること。同じミス2回目かも…

③同じく6月5日。4秒露出で、北アメリカ星雲再観望。綺麗に写っていたが、最終盤で雲が覆いライブスタック失敗。切りのよいところで1度fitsファイルを保存すること。

 

参考資料

1)中西昭雄著「メシエ天体&NGC天体ビジュアルガイド」誠文堂新光社

2)浅田英夫著「エリア別ガイド 星雲星団ウォッチング」地人社館

3)Askar 『FMA135』 口径30mmF4.5 EDアポクロマート鏡筒

4)Player One Neptune-C Ⅱ | 株式会社サイトロンジャパン

5)天体望遠鏡セット「VIRTUOSO GTiシリーズ」| Sky-Watcher

6)Quad BPフィルター III | 株式会社サイトロンジャパン

7)はくちょう座~Wikipedia

8)IC1318(はくちょう座γ星付近の散光星雲)~StellaScenes

9)Sh2-108 - Starlight Terrace

10)Sadr Region~英語版Wikipedia

 

撮影データ

2023年6月5日晴れ雲あり、月齢16.5(満月翌日)
メダカ部屋観測所
はくちょう座 IC1318A(散光星雲)
FMA135+Neptune-CⅡ+Virtuoso-GTi+QBPフィルターⅢ
SharpCapPro4.0でSnapShot。png保存
Raw16、Area2712x1538、Offset=120、Gain=380
Exposure=4s×157frames=628s
ホワイトバランス(AUTO)、ダーク補正(あり)
Astapで、fitsファイルをプレートソルブ、自動色補正、α、δ grid表示、Deepsky annotation処理、jpeg保存
Microsoftフォトで、トリミング等