陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

学校給食にまつわる想い出話

2023-07-26 | 教育・資格・学問・子ども

パンがセールされていると、かならず買うのは餡やジャム入りではなく。
フランスパンのような塩味のきいたものか、ブドウパン。パンの生地そのものを中身で殺さないようなパンが好きなのです。ふだん食べているのが四角形の食パンなので、丸型の皮がカリカリしたパンか、イギリスパンみたいな山があるのが好みなのですね。ロールパンも好きです。

勤め先の近くに、創業半世紀近くの、かなり古い個人経営のパン屋さんがあります。
いまではだいぶラインナップを減らしていますが、かつてはきなこパンがありました。学校給食で出てくるコッペパンを揚げてきなこをまぶしたものです。二箇月にいちどぐらしかメニューに登場しないので、その日はアタリでした。給食の献立は事前に黒板近くに貼り出されていた覚えがあり、お気に入りメニューのときはウキウキで、休まないようにしたものでした。

私が学校給食に預かったのは公立の小中学校まで。
県立の高校は学食か、購買のパンか、もしくはお弁当持参。近くにおいしいベーカリーもありました。お小遣い節約のため、二年生からはほとんど弁当を自分でつくっていました。この習慣は今も変わらず、職場のランチも事務室の奥の見えない位置でひとり弁当。会食恐怖症の私には天国の空間なのです。これがあるために、今の職場が長続きしているようなものです。

学校給食には嫌な思い出もあります。
小学校一年時に当時の老女教師に食べ残しを許されず、ひとりだけ教室に残されて完食するまで帰してくれませんでした。私の身内にも、むりやり食わされたのでトマト嫌いになったりもしました。いまだとアレルギーもあるので、教師たちは無理強いしないでしょうし、むしろひとりひとりの健康状態に気遣いしなくてがならないので気苦労も多いでしょう。

好きだったメニューは「揚げパンやブドウパン」「ミートスパゲッティ」「フルーツポンチ」「シチュ―」。嫌いだったのは「肉うどん」「カレーうどん」「ハヤシライス」「けんちん汁」。

小3ぐらいからコメ余りだったのか、白飯になる日が週3に増やされてパンが少なくなり、哀しかったのを覚えています。ご飯も栗ご飯とか五目御飯、赤飯とかなら大歓迎なのだけども、アルミ入りで金くさく、量も多くていつもあずっていました。男の子は足りなかったんだろうけれども。

先生はいつも大盛りにされていましたが、ときおり、いたずらをしかける子もいました。よく考えたら、生徒の方を向いて食べているクラス担任って、なかなか勇気があったのでは。私には出来っこない芸当です。

給食といえば当番制。
フルーツポンチみたいな人気のおかずは、クラス内では強そうな男子や女子には大盛りで、地味で大人しめな子には減らされているなんていう罰ゲームもありました。大鍋から盛る係になったことはなく、運搬か、各自の机へ配膳する係だったので、私はやったことありませんが。あれって、担当の女の子がクラスの人気男子におもねっていたんでしょうね。運搬中に廊下にぶちまけて台無しになる…といった事故はさいわい遭遇したことはなかったです。異物混入とか物騒な事件もなかったですしね。

給食のおばさんこと栄養士さんは、かなりカロリーを考えてつくってくださっていたのでしょう。でも、やはり、あのうすい三角形容器の牛乳だけは嫌でした。まずい。フルーツや果物がつく日はもちろん楽しいに違いない。

数年前から家庭の貧困が叫ばれて、朝食もまともに取れない子には給食だけがゆいいつの栄養分だと聞いたことがあります。いつもほとんど完食させたことがなかった私には申し訳ない気分になります。

私立とか国立のいわゆるお受験校は初等部でもお弁当持参だそうです。
給食がないと、共働きのお母さんは大変なのでは。逆に食事制限がある子はそのほうがいいかもしれませんが。給食ってあんがい食わず嫌いを治すいい機会だったのかもしれません。


もう、この年で学校給食を味わうこともなくて、大学の生協に行くこともありません。
でもたまに、あの味気ないアルミの食器で食べたあの時間を懐かしく思うのですね。なので、どこかの食堂で学校給食のメニュー再現したら、あんがい流行ったりするんじゃないかしらって無謀にも考えてしまいます。今度、入院するので、病院の食事メニューがそれに近いのかもしれませんが…(嘆息)。



(2023/07/23)


※追記:検索したら、なんと給食メニューを出すレストランが東京ほかにあるそうです。詳しくはこちら→個室居酒屋6年4組スタッフが先生って、メイド喫茶みたいなコンセプトの飲食店なわけですね、楽しそうだ。























この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 二次創作がモーレツに捗るこ... | TOP | 在宅作業、ほんとうに働きや... »
最新の画像もっと見る

Recent Entries | 教育・資格・学問・子ども