陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

冴羽遼よりも内海俊夫のほうがカッコよくない?

2023-10-09 | テレビドラマ・アニメ

2023年9月の三連休、やりたかったのは突発的にバスに乗って関西の弾丸旅行。
けれども新型コロナだか、インフルエンザだかがじわじわ流行り出しているので、遠出もできない。百歩譲って、ではひさびさに映画館でも行くかと思って目星をつけたのが、現在、絶賛公開中の劇場版シティハンター。ラジオで主演声優の神谷明さんのインタビューを耳にしたこともきっかけでした。

…でもね、やはり二の足を踏んでやらなかったんです。
ひとつは、PVの動画をみたら。ヤッターマンのときもそうなんですが、やはりお声の老化が…。
一部のネットレビューが叩いていた部分はよくわかりませんが。個人的な感情としては、うっかり空き家に保管中の原作漫画を読んでしまったからです。原作ヨイショという意味ではなくて。

単行本の全34巻だかのコレクションは、私の亡ききょうだいが買っていたものでした。
じつは私はそれをすべて読み通したわけではなかったのですが。しかし、北条司氏の絵の上手さかっこよさと、アニメの冴羽遼のイメージがあったので、理想化していたわけですね。

で、この三連休前に積読本を整理がてら、17巻ぐらい目を何気なしに読んでみたのですが。みたのですが…、アニメ版がけっこう原作のもっこりナンパ師ぶりを和らげて見やすくしてくれていたことに気づきました(唖然)。いや、冴羽さん自体は銃を構えれば強いし、かっこいいし、頼れそうだし。でもね、周囲が絵に描いたような美女だらけで、遼さんがそこたしの女性をひっかけるときに、その人の容姿に点数つけたりする言動をしていたのが、ちょっと…と思ってしまったんですね。ああ、昭和のオトコの感覚だなあと。フェミニストのそしりを恐れずに申し上げれば。

インタビューの神谷さんいわく、シティハンターはかなり女性受けがよかったとのこと。
むしろ自分の周囲では男のほうがファンだと名のる人が少なかったぐらいだと。

でもね、私は恐れずに言いますが。
シティハンターの冴羽遼よりは、キャッツアイの内海俊夫のほうが俄然素敵です。ドジオとか呼ばれてるへっぽこサラリーマン刑事だけども、正直で裏がない。実はキャッツアイには、冴羽遼の原形となったような泥棒稼業のナンパ師が出てくるのですけども、多分、その人のモデルって、モンキーパンチのルパン三世なんでしょうね。CVの安原義人さん、洋画の吹き替えをよくやってらして、声質が好きなんです。リチャード・ギアとか、けっこう著名な俳優のものが多い。アニメ北斗の拳の雲のジュウザの飄々とした感じ、好きだったわ。るろうに剣心旧作アニメの四乃森蒼紫役だったのも今知ってびっくりです。

普通に考えたら、家庭を壊しそうな男なのに? 遊び人の遼さんが好きなタイプは、悪いオトコに引っかかって苦労するんじゃないでしょうか? だいたい、いつも命の危険が付きまとうような彼の側にいたがる女性って、現実にはいます? いないでしょ? っと、二次元なのに理不尽なケチをつけたくもなりますね。 

キャッツアイのアニメ版だとどうしても来生三姉妹の華麗な活躍があって、その美しさの影に毎回ドジを踏んで取り逃がすトッシーが薄らいでしまうのですが。原作を読むと、この俊夫さん、瞳とは高校時代からの同級生で、なかなか純情な青年ぶりだったことが伺えます。上司に怒鳴られまくっても、ツンとしたお局オンナ刑事に迫られても、ひたすら幼馴染の瞳ひと筋なところ。そして美貌の怪盗の正体を知らないまま追いかけるのに、イザ追い詰めても甘くしてしまうところなんかも微笑ましい。ふたりの恋を応援したくなります、やはり。遼が美女のお尻を追っかけている姿はとてもじゃないが、拍手喝さいできるものでもなくて、しかも作者はそれを見込んで、いつもいつも遼がしまいには美女にフラれるパターンが多いですよね。見ていて、あまり幸せな気分になれるもんじゃないのです。

シティーハンターがやや泥くさい歌舞伎町の人間模様や裏社会のヤクザたちを登場させているのと比べると、キャッツのほうが美術関連の興味深さがあるというのも、私には好ましく映っているだけなのかもしれませんね。

…というわけで、私、このたびの断捨離作業では。
シティハンターの原作漫画(単行本)は手放しましたが、キャッツアイのほう(文庫版)はめでたく保管継続としました。また読み返したくなったら買えばいいですしね。ちなみに、作画としてはシティハンターのほうが洗練されてはいるので、長年手放しにくかったのです。でも、読み返す時間ももうないですしね。

シティハンターのほうは、続編のエンジェルハートで香が亡くなっていて、心臓移植された中国人娘と、遼が疑似父娘めいた関係に陥るという設定にもショックがあります。いや、香の百トンハンマーですぐぶん殴る暴力ヒロインぶりも相当だと思いますけどね、当時のバブル期のハデハデな女性たちにはバカ受けしたのでしょうが、現在の私からすれば、どつき漫才していた遼と香が死地を共に乗り越えていったからとはいえ、結ばれるのがなんとなく不思議で。どっちかといえば、海坊主さんとそのパートナー女性の絆のほうが好きだったりします。今回の映画では、あまり活躍がなかったと聞いたのも観る気が起きなかった理由の一つです。


余談ですが。
キャッツアイとルパン三世がコラボした企画があったときいて、驚きでした(「『ルパン三世 VS キャッツ・アイ』制作決定 『キャッツ・アイ』原作者・北条司、ルパン三世役・栗田貫一、来生瞳役・戸田恵子からのコメント到着」)。これ地上波放映されていないんすかね? 

表紙画像の今回の映画の公式ノベライズは機会があれば読んでみたいですね。
最近、もう30分以上の映像を観るのが疲れていますので…。


(2023/09/18)








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