陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

アニメ「川の光」

2009-06-20 | テレビドラマ・アニメ

1クールのアニメを観る(はっきりいうと、観たいシーンだけつまみ食いすりゃいんじゃないか、時間の無駄)より、映画一本分の一、二時間強のアニメを見せてくれたほうが後腐れなくて、いいなと思う今日この頃。

そういえば、去年の今ごろはNHKの「精霊の守り人」にハマってたのに、いまのNHKアニメが何をやってるのかノーチェック。
さて、そんなNHKで本日十九時半よりやっていた長編アニメーション「川の光」(公式サイトはこちら

ある川のほとりに父と暮らすクマネズミの兄弟。
兄のチッチと違い、弟のタータは母譲りで毛並みが白く目立ってしまうため、襲われやすい。妻をうしなった父は、心配性。
ある日、一家が根城とする河が開発工事のため潰されることに。
三匹はしかたなく、新天地を求めて旅に出ます。

しかし、その道中は受難の日々。うっかりドブネズミの縄張りでくつろいでいた三匹は、追いかけ回される羽目に。
そこを助けてくれたのが、一匹狼的なドブネズミのグレン。彼は図書館の隠れ家に三匹を誘い、一時の平和をあたえる。
このグレン(CV大塚明夫)というのが、なかなか哲人肌で、詩的なことを言ってくれます。タイトルの「川の光」は、彼の言葉からきているんですね。
しかし、一家はやはり、懐かしい河近くの暮らしが恋してくてたまらない。

グレンの元を離れて、河をめざす一家は下水道の濁流に溺れたところを、なんと猫のブルーに救われる。
この猫の声が、なんと田中敦子さん。キツい女性役しか知らなかったので、こういう世話焼きおばさんタイプは意外ですね。
自分の毛の色のコンプレックスに悩むタータを、抱擁してあげたりと、なかなかいい役どころ。

しかし、その親切に甘えることもなく、父子は目的地をめざす。
とちゅう、雀の親子(母親役が、なんと藤原紀香!)とひと悶着しながらやっと手頃な川辺に辿り着いたとき、もうその場所は冬を迎えていました。旅の疲れで眠りそうになる父子、はたしてどうなるのか?

最後はいちおうハッピーエンド。
ネズミの視線から、文明社会の汚物がいろいろ見えますが、さほど批判精神はなく、むしろほのぼの家族愛アニメというべきか。
それなりにネズミらしい動きはするので、リアリティーはあります。
図書館でネズミがどうやってケーキの食べきれ持ちこんだんだとか、つっこみどころはありますが(笑)

ちなみに、あのタミーという能天気な犬が、うちの駄犬の性格に似すぎてる…(苦笑)
犬にも、ボクっ子がいるんだろうか(謎)

新しい場所に旅するときにも、自然と自分の生まれ育った風景を探してみたりするものですが、環境に依存して生きる動物ならば、なおさらそうなのかもしれないですね。


松浦寿輝原作の同名小説をアニメ化したもの。
哲学研究者なのかと思ってたけど、小説家で詩人だったんですね。


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