陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

映画「スペース・トレック」

2021-04-08 | 映画──SF・アクション・戦争

拙ブログで公開する映画レヴューの在庫もそろそろ底をついてきました。
DVD視聴がめんどうになって、再生プレイヤーが壊れ、PCでも再生できなくなったのを契機に映画レンタル趣味をやめて、もう数年になります。映画は1000本観ないとわからないと言われて手あたりしだいに借りてみたものの、最後はただ消化するだけ流し見するだけになりがちでした。今回の記事は、そんな中途半端な気持ちでレヴューしてしまったものです。いまから読み返しても、けっこう辛らつですね。

2009年のアメリカ映画「スペース・トレック」は、クローン軍との戦いにいどむ宇宙戦艦クルーたちの活躍を描いたSFファンタジー。…なんですが、これははっきりいって映画として成立するレベルに達していません(酷)。

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人類が宇宙進出を果たし、銀河系を宇宙自由連合が統治する近未来。
連合に与しないクローン枢軸国は人間に似せた兵士を生み出し抵抗、連合軍と死闘のすえ制圧される。

戦争終結後。
同盟軍のジャック・タナー大尉は艦長として戦艦オデッセイに乗り込み、地球をめざす。
しかし、行路途中、クローン軍の残党に襲われてしまい…。

この映画、低予算でつくられたんですかね。
設備とか服装とかがかなり安っぽいです。昔の映画なら許せるけれど、2009年作のSFでこれはないでしょう。キッチンもあきらかに現代のそれと変わらないし。しかも、設定じたいがどこかで見たようなもの。戦艦の外装だけはこだわりがあるのかつくりこんでありますけれど、戦闘シーンの映像が80年代のゲームのレヴェルなのでは。

評議会だのなんだのと「スターウォーズ」っぽいものが出てくるわりには、肉弾戦は素手での殴り合い。光る武器とか魔砲弾みたいなものはまったくありません。いったいこれのどこがSFかと。しかもその動きも緩慢に思えてだるい。

終盤はなぜかそこらの日本の草むら(特撮で撮影場所に使われるような(笑))みたいな場所が舞台になり、まったくSFという感じがしません。動乱を招いた「創造主の意志」みたいな倒しても誰も傷つかない無難なラスボスが登場するも、それもあっさり倒されてしまう。

タナー艦長は同乗の女性医務官のジェシカ・ヴォックス博士とどうやら想い合う仲のようですが、その恋も実ったようでよく分からない。クローン軍出身のハーゴス大臣との葛藤もとくに意味がない。
ラストは新たな敵の戦艦が登場したところで終わってしまい、いったい、何を訴えたいのかわかりません。

とにかく拝啓のお粗末さだけが目に着いてしかたがない作品でした。
製作者側は楽しんで作ってるのでしょうけどね。最後のエンディングのNGシーンとか緊張感がなくなるからいらないです。安っぽいセットに出演者がわざとキレている場面もあったのですが、自虐ネタなんでしょうか。

監督・脚本はジョン・ボネル。
出演はダヴィナ・ジョイ、アダム・リニ、ケヴィン・タイほか。

「スターウォーズ」で育ったSFオタクな監督氏が、憧れと萌えでつくった二次創作っぽいオリジナルと言った感じでした。やはり宇宙ものは背景が命ですよね。


(2011年7月6日視聴)

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