陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

続・コロナに負けない緊急支援経済対策(三)

2020-07-30 | 政治・経済・産業・社会・法務

経済産業省が発表したリーフレット「新型コロナウイルス感染症で 影響を受ける事業者の皆様へ」には、経済的打撃を受けた中小事業主向けの役に立つ案内がふんだんにあります。
私はふだんあまり官公庁のサイトは見ないのですが、外出制限がありましたときには商工会や役所においてあるパンフレットを取りに行けないものですから、参考にさせていただきました。教育機関の遠隔授業がすすむと言われる昨今、コロナの影響でこうしたお役所からの通達も電子化されていくのでしょうね。

先月の記事で紹介しました無利子の融資や各種の給付金についても優遇策や対象者拡大が図られてきましたし。経営相談窓口の開設で、専門家がサポートする態勢も整ってきています。今回の記事は前回を補完するかたちで、触れなかった部分について書き残しておくことにいたします。

・新型コロナ特例リスケジュール
資金繰りに悩む中小企業者に代わり、中小企業再生支援協議会が主要債権者の支援姿勢を確認のうえで、一括して1年間の元金返済猶予の要請を実施します。複数の債権者が要る場合の金融機関調整も行ってくれます。その後の事業再生のためのサポートもあります。政府筋は、金融機関や信用保証協会連合会に掛け合い、事業主向け貸付への柔軟な対応を要請しています。

・持続化給付金の対象拡充
6月29日以後、事業活動にかかわる雑所得・給与所得者であるフリーランスが申請可能になりました。また、電子申請済みの方で不備を自力で修正できない方向けにサポート会場での窓口申請変換もはじまっています。なお、サポート会場は8月以後大幅に縮小予定となっております。

・家賃支援給付金
地代・家賃(賃料)の負担を 軽減することを目的として、テナント事業者に対しての給付金です。5~12月においての売上高減少率によって法人は最大600万円、個人事業者は300万円(それぞれ賃料の半年分として)支給できます。7月14日より申請可能です。手続きは原則としてウェブ申請のみですが、申請サポートの特設会場も予定されています。ただし、持続化給付金に比べ、契約書や振込明細書など確認書類が多いので、給付までにかなりの時間を要すると見込まれます。

・生産性革命推進事業
コロナ感染防止対策のための衛生管理やIT導入のための前向きな投資をおこなう事業主向けの補助金。新製品・サービスの開発や生産性向上の設備投資、販路開拓をおこなうなど。応募枠によって公募スケジュールが異なるので、締切日を要確認。一部はすでに締め切られているものもあります。いわゆる、「持続化補助金」もこの一環に含まれています。

・下請事業者、個人事業主、フリーランス保護
下請企業や個人事業者、フリーランスに対して、親事業者がコロナの影響を理由に値下げなどの不合理な取引を強制することへの禁止、納期や支払いへの配慮、契約継続への努力をするべきなど、適正な対応を求めています。お問い合わせ先は下請け駆け込み寺。

・雇用調整助成金の拡充
労働者に一時的な休業や教育訓練を付した事業者に対して、休業手当などへの助成金を給付するものです。雇用保険被保険者でない雇用者も対象になります。休業手当に対する助成率の引き上げや上限額の上乗せ、教育訓練を行った場合の加算額増加、生産指標や休業規模の要件緩和、さらに申請書類の大幅な簡素化などなど、かなり利用しやすくなっていると思われます。またすでに申請済みの事業主についても、本年4月1日に遡及して適用可能で、追加支給分の差額は労働局やハローワークが計算してくれます。オンライン申請も可能になりました。

・新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金
休業中に賃金(休業手当)をうけることができなかった中小企業の労働者の申請による給付金。近日7月10日から開始した制度です。対象者は4月1日から9月30日間に事業主の指示で休業に応じた労働者。休業前の1日あたり平均賃金額の8割(上限11,000円)×休業日数分を支給。現在は郵送のみ受付ですが、そのうちオンライン申請も開始予定です。

・厚生年金保険料などの納付猶予の特例
納税猶予の特例措置はすでに知られていますが、社会保険・労働保険の納付猶予措置もあります。労働保険料の更新時期は7月10日まででしたね。申請すれば労災・雇用保険料および厚生年金・健康保険料は1年猶予されます。労働保険料については労働局、厚生年金保険料は年金事務所、健康保険料は年金事務所(協会けんぽ)もしくは健康保険組合(組合健保)と申請先が異なるので要注意。申請が受理されれば、猶予期間中の延滞金が免除されます。また、従来は報酬に変動があれば4か月目にやっと標準報酬月額が随時改定される手筈であるところ、特例改定により著しく報酬が下がった翌月から改定できます。これにより、事業主および被保険者の保険料負担が軽くなりますね。申請先は年金事務所です。

・その他の支払い猶予
国民健康保険料、介護保険料、後期高齢者医療保険料、さらに電気ガスの公共料金の支払い猶予、NHK放送受信料の免除(持続化給付金支給対象事業者のみ)など特例措置があります。私の住む自治体は、嬉しいことに水道代の徴収が二箇月免除されました。

・小学校休業等対応支援金の拡充(後日の予定)
主に会社員向けと、フリーランス向けにわかれている小学校等の臨時休校のために子どもの世話で休業せざるを得ない保護者についての支援策。正規、非正規労働者を問わずに従来の年次有給休暇とは別に有給休暇を与えた事業者向けの助成金が創設されます。


★新型コロナウイルス感染症関連の記事一覧★
2020年初春に発生した新型コロナウイルス感染症に関する記事のまとめです。今回のコロナ騒動は、医療崩壊の危機や労務管理の諸問題を含め、実にわたしたちの暮らしを根本から覆すような課題を提示してくれました。


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