陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

依存症への依存症

2008-10-28 | 医療・健康・食品衛生・福祉


NHK教育の「ハートをつなごう」という番組で、依存症について特集していました。
出演者はギャンブル依存や摂食障害の患者。

こういう番組を観ると、自分にも身に覚えがあるのだけれど、どこかすんなり受け入れがたい自分もいます。
ひと様の状況と似ているが、なにか腑に落ちない。鏡に吸い寄せられてしまうが、しまいに叩き壊したくなる衝動。

ところで。
たとえば身近にこういう方がいらっしゃたら、どうしたらいいのでしょう。

1.「ちょっと風邪引いただけさ、早く治してね、がんばってね」
2.「誰でもあることなんだよ、辛いのは自分だけじゃないんだよ」
3.「苦しいんだね、その気持ち、よくわかるよ」

1は回復を祈ろうとしているが、励ましが負担に思うことも
2は軽く見られたような気もするが、相手も何か抱え込んでいること匂わせているので強く反論できない
3はいちばん理解のある言葉だけれど、へたするといっしょに泥の底へ堕ちていく

もらった言葉をどうとらえるかは自分次第ですが、いちばん気が楽なのは自分の関心のあることを楽しく話してくれるひとに出会うことでしょうかね。
私の場合、高校時代の美術の先生がそうでした。

にしても、この現代。ありとあらゆることが病気として処理されていくのですが、病気も障害も使い勝手のいい逃げ場として用意されています。
要するに、メンタルクリニックはいまや教会なのであって、そしてまた教会は萌え文化のひとつのメッカともなっています。
なにかがあることで救われる。だのに、ひとそれを依存症と呼ぶ。
それを始終いじっていないと落ち着かない。寝食も忘れて取り組みたいものがある。

刻一刻と興味の対象が移っていく広がっていく現代、ひとつのことに没頭して周囲を見失うことはたしかに病気と認定されてもしかたがないのかもしれません。しかし、我々は好きこのんで、自分の病を見出そうとする生き物なのでしょう。

今週の土曜はおもしろそうな特集がまたあるみたいですね。



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