陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

映画「X-メン」

2009-07-25 | 映画──SF・アクション・戦争
金曜洋画劇場で放映していた2000年の映画「X-メン」
第三作までシリーズ化されている、その初作。今年は、「ウルヴァリン: X-MEN ZERO」というスピンオフも公開されたとか。

名前からして、ターミネーターのような近未来のアンドロイドのことかと思ったのですが、いやはや。
闇の組織に拉致された主人公ウルヴァリンが改造手術を施されて、特殊能力をもったという設定は、さしづめ日本の仮面ライダーか。

突然変異で超人的能力に長けたがゆえに、普通の人間から迫害を受けてきたミュータントたち。
テレパシー能力をもつミュータント、プロフェッサーXことチャールズ・エグゼビア教授は、ミュータントたちを集めた学園を運営しているが、その裏では武装集団X-メンを組織し、来るべき闘いに備えていた。
X-メンの敵は、おなじくミュータントでありながら人類を支配しようともくろむマグニートー。

触れた相手の治癒能力を奪う少女ともども、マグニートーの手下に襲われたウルヴァリンは、X-メンのメンバーに命を救われる。敵の目的は売るウルヴァリンの特殊能力にあるかと思われたが、じつは他にあった。

けっきょく、マグニートーの手下は倒して、親分の拘束にいたるのですが、続編を匂わせているせいか中途半端。
戦闘シーンも迫力がないし、ラストは飛行機だのコスチュームだのが、まさしくスタートレック。
元が漫画なのでしょうがないのですが。ド派手なガンアクションやカーチェイス、建物爆破なんぞを観慣れてきたので、もの足りなさが募ります。
原作では、「パニッシャー」と共演したことがあるそうですが、あちらの映画はおもしろかったのに。やっぱりチーム戦で数の少ない敵を追いつめるのはどうも、弱い者いじめに見えます。あと相手の凶悪さがさほど感じられない。

X-メンのリーダー格サイクロップスと、ジーン・グレイを巡って、三角関係になっちゃうウルヴァリンもなんだかな~、という感じでした。ウルヴァリンは、狼男をモデルにしてるんでしょうかね。あのひげ面の顔をみると、「猿の惑星」を思い出してしまう。

原作はスタン・リーのベストセラーコミック。「スパイダーマン」の原作者なんですね。
監督は最新作「ワルキューレ」で話題になったブライアン・シンガー。同性愛や社会問題に関心が深く、この映画も彼自身のマイノリティ迫害に対する異議申し立てとなっているようです。

主演は、ウルヴァリン役に「ヴァン・ヘルシング」のヒュー・ジャックマン。01年作の「ニューヨークの恋人」では、タイムスリップしてきた英国の貴公子を演じただけに、ギャップに唖然。プロフェッサーXには、「陰謀のセオリー」でメル・ギブソンを追いつめる冷酷な医師を演じたパトリック・スチュアート。「スタートレック」の顔役でもあるんですね。
才女のジーン・グレイには、「ザ・グリード」で美貌の女スリ師を演じたファムケ・ヤンセン。「アイ・スパイ」でも一癖ある女諜報員を演じてましたね。「ブレス・ザ・チャイルド」のキム・ベイジンガーもそうですが、こういうエキゾチックなキリっとした顔だちの女性は好みです。

(〇九年七月二十四日)


X-メン(2000) - goo 映画

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