陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

映画「ザ・グリード」

2009-07-23 | 映画───サスペンス・ホラー

暑い日がつづいています。こんな夏こそ、背筋が凍るような恐いお話がおすすめ。

本日の映画は98年のアメリカ映画「ザ・グリード」(原題は「Deep rising」)、豪華客船を襲う巨大怪物を相手に死闘する海洋アクション映画。
「グリード」はアニメ「鋼の錬金術師」にも出てきますが、食欲・強欲という意味。三千人を喰らいつくしてもなお足りない貪欲な生き物が、この映画の主役です。

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以下、ネタバレあり。

南シナ海を処女航海していた、豪華客船アルゴーノティカ号が舞台。三千人の乗員乗客は船内のパーティで浮かれていたが、船が事故で緊急停止する。大揺れする船内をパニックになった人びとが逃げ惑う。

いっぽう、その頃。
おなじく海を進む粗末な船があった。非合法の積荷を請け負っているフィネガン船長の密輸船だった。今回の仕事は、武装した傭兵たちをある海域まで送り届けること。だが、突然の衝撃で船が半壊し、動かなくなってしまう。運よく近くにアルゴーノティカ号を発見したフィネガン船長および武装集団は、客船に乗り込むが、船内には人影がなく、不吉な血だまりが広がっていた…。

およそ三千人の乗員を襲ったのが、おぞましい深海のモンスター。蛸のような触手の先が開いて、人を呑み込んで溶かしてしまう。
勇気あるフィネガン船長は、イケすかない荒くれ者たちと共闘しつつ、怪物に銃で立ち向かう。
逃亡中に、客船で生きのびていた美貌の女スリ師のトリリアンと恋仲になったり、インテリぶった船のオーナーが食わせ者だったり、傭兵のニヒルなリーダーがかっこつけてるけど最期は悲惨だったり、と類型的なつくりではありますが、このハラハラドキドキな展開は最後まで飽きさせません。

密輸船に積んであった魚雷が、最終兵器になるのは予想がつきましたが。
最後は、男女ふたりが無人島まで逃げおおせてと思いきや、生存者はさらにひとり。運がいいのは、もしかしたらあのお調子者かもしれません。
しかし、安心もつかのまか。ラストはぞっとするような予感で幕を閉じる。

展開がよく似てるなと思ったら、やはりSFXのスタッフは、あの「ジュラシックパーク」を手がけています。
主演は、フィネガンにトリート・ウィリアムズ。
トリリアンに「X-MEN」で有名な女優ファムケ・ヤンセン。「セレブリティ」にも出演しています。

監督・脚本は、「ハムナプトラ」「ヴァン・ヘルシング」のスティーヴン・ソマーズ。
ソマーズ監督は古典的ホラーがお得意なので、古くさい触手のモンスターなんでしょうかね。「宇宙戦争」や、「パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト」でも登場。

海上でのパニック映画といえば「タイタニック」を想起しますが、船主のたくらみは、まさに実際のタイタニック沈没にまつわる陰謀を思わせます。

にしても、恐怖の敵に対して一枚岩となって闘わなければならないのに、仲間を出し抜こうとして自滅する悪玉は、日本の自民党みたいですね。
傭兵のリーダーがアジア系なので、余計にそう思えます(苦笑)

最近、ホラー物を見慣れたせいか、すっかり苦手意識が消えた管理人です。

(〇九年七月二十二日)

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