陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

神無月の巫女DVD-BOX新装版 その2

2009-05-26 | 感想・二次創作──神無月の巫女・京四郎と永遠の空・姫神の巫女

今かいまかと待ちかねた神無月の巫女DVD-BOXが、届いた。
アマゾンでも安かったようだが、私は楽天で買った。
楽天では八千円代。税込みになると九千円台になったが、去年に魔法少女リリカルなのはStrikerSの公式ガイドブックと、ドラマCDを買った分のポイントが溜まっていたので、オトクだった。楽天は誕生月になるとポイント贈呈があったり(ただし、有効期限は当月末までですが)、たまにポイントの五倍付与キャンペーンがあったり。
さらにいえば、コンビニ受け取りにすれば、会社帰りでも受け取れるし、しかも送料や代引き手数料がタダになるのでオトク。
ほんとうは旧版のDVD全巻セットを買った時みたいにセブンアンドワイを利用したかったのだけど、あまり値引きされていないようなので、やめておいた。
アマゾンは、家に時間もわからずにいきなり直接持ってこられるのがイヤなのと、べつにアフィリエイトでポイントを稼いだりもしていないので(映画レヴューとかで貼っているのは、レヴューをリンクさせるため。いちおう)

さて、このDVD-BOX新装版、すばらしい特典が!!
以前、買わないと公言していたが、この情報を漏れ聞いたので、購入にいたったわけで。


神無月の巫女の名脚本家
植竹須美男先生の短編小説!!

(大狂喜)

なんとブックレットの最後に、見開き四頁を割いてつづられている。
しかも、藤井まきさん画のほうも、うれしいオマケが。

なんというサプライズ!
しかし、どうして植竹先生の書き下ろしがあったことを公表しなかったのだろうか。
公式サイトにも、アマゾンの商品紹介にも、そして帯にもいっさい知らせはなし。たんに「ブックレット封入」と記されたのみ。旧版のブックレットからの引用はあるにせよ、今回のブックレットの文章はほぼ彼が手がけているといっても過言ではない。そんな功労者の脚本家の名前がなぜ表書きされえないのか、ふしぎでふしぎでならない。
アマゾンの紹介では、監督の柳沢テツヤ名義が最初にクレジットされている。
植竹氏の名前をおっぴらに出すとマズいことでも、あるのかどうか、さだかではない。

過去に「孤高の月影・姫宮千歌音の魅力 まとめ」という記事で述べたが、この作品の最大の魅力は、最終回ですべてをひっくり返し、すべてを救い、そしてすべてをつなぐ構成の妙、伏線回収のうまさにある。それに加え評価したいのが、声優たちの演技。その他の視覚的要素はもちろん看過すべきものではないが、黒髪ロングの美少女という類型化された造形のヒロインは、はたしてそれほど重要ではないように感じられる。

ブックレットの解説を読めばわかるが、この名脚本家がシナリオを担当しなければ、あの泣ける感動作にはとうていなりえなかっただろう。さもなくば、この作品はただ美少女がイチャついて、ロボットマニアが趣味でつくっただけ(戦闘レベルが中途半端すぎるので、どんなに頑張ってもガンダムや勇者シリーズには張りえない)のふつうの作品になっていた、と私には思える。要するにただのそこらにある絵柄がきれいなだけの美少女萌え作品とおなじだ。今回の新装DVD-BOX絵にロボットがないのも、ロボットアニメとして売り込むのをやめた姿勢がうかがえる。事実、ネットでは、この作品をロボット物としてはかなり酷評しているレヴューを見かけた。

もちろん、そういうふうにキャラをつくりこんでいった柳沢テツヤ監督や漫画家介錯氏の意向も反映されているだろうが。どこかしら、植竹先生と求める方向性が違っているのでは、という雰囲気を暗に感じてしまう。

あと植竹先生の解説(文章のテンポが軽くなってるので笑ってしまった)から察するに、スタッフはかなりドSなんじゃないか、と思ってしまった(笑)
修羅場のあるストーリーは好物だけどね。

ちなみにときどき思うけど、植竹先生はアニメよりも、実写ドラマの脚本のほうがうまいんじゃないか、という気もする。あまり作風にファンタジー色が感じられないので。

私としては植竹先生の小説がついていたから買ったようなものだけど、それでこのお値段は正直どうかなと思う。
はじめて買うひとにはいいけど、旧版を全巻揃えている身としては。しかもブックレットの八割がたは旧版からの転載だったので。ブックレットの各話解説には空白があったので、そこに旧版からの転載イラストをモノクロでもいいので載せてほしかった。フィギュアに附属でつけて買わせた小冊子のこともあって、この売り方にあまりいい想いはしていない。
短編の小説なら、旧版のブックレットにも、いくつかあったし。

というか、十二話をDVD三枚にできるんだったら、旧版もそう売ればよかったんじゃないか?と疑ってしまう。
あの当時の1クール作品って、みんなそうだったらしいね。DVD-BOXが出た「マリみて」の一期を例にしても。
他の百合アニメにも出資している人の何人が、はたしてこの新装版を買ったのだろうか。
前にも述べたが、やはり旧版のほうが充実しているにはちがいない。

DVDの中身はまだ聞いていないので、絵の感想も含めて詳しいレヴューはまたのちほど。
ただし、かなり辛口です。そういうブログなので。



最後に。
今載せてる記念企画の書きもの「Kannaduki no Miko DVD-BOX NOW ON SALE!!」は、これ届く前に書いていたけど、届いた物をみても中身を修正する気持ちにはなれなかった。怒らないでください(逃)




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2 Comments

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はじめまして! (沙羅)
2014-05-17 20:41:58
万葉さん、はじめまして!
沙羅と言います。

万葉さんのブログを読ませて頂きましたが、「神無月の巫女」を1つ1つ細やかに解説をされていて、とても感動しました!
そこで、万葉さんに質問をしてもよろしいでしょうか?

私も神無月の巫女が大好きで、DVD-BOXを買おうかと思っているのですが、旧版と新装版のどちらがオススメでしょうか?
双方の利点を教えて頂けますか?

長々とすみませんでした
それでは、失礼致します
返信する
神無月の巫女DVD、ご参考までに (万葉樹(陽出る処の書紀))
2014-05-18 05:56:40
ごきげんよう、沙羅さま。
訪問&コメント有難うございます。

おそらく現在放映中のバンダイチャンネル(もしくは動画サイトのEDパロとか)などで内容をご覧になり、ディスクの購入に思い至ったこととお察します。創作者さまがたに代わって、お礼申し上げます(笑)。

さて、有意義なお買い物の手だてとして、役立つ情報提供をしたいところですが。
現在は若干状況が異なっているようですね。
この記事はまだ旧版が売られている段階だったはずでした。
書いた本人とはいえ、いささか笑いと和みのセンスが足りなかったようです。

管理人自身もどういう附録の特典があったのか、ど忘れしてしまいましたので、現物を確認しだい、あらためて記事に起こしたいと思います。
いま少しお待ちくださると嬉しいです。

なお私が現在手元にあるのは

・2005年刊行の六枚組DVD-BOX
・2009年の新装版三枚組DVD-BOX

でして、2011年発売の期間限定生産については判じかねます。
ご参考になれば幸いです。
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