陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

NHK企画「あなたが選ぶアニメベスト100」

2017-05-04 | テレビドラマ・アニメ
2017年は日本のアニメが誕生して百周年なんだそう。
戦前の、しかも大正時代にすでに国産アニメーションが制作公開されていたというのが驚きですね。日本でこれまで制作された作品数はすでに1万を超え、現在では日本の主要な文化産業として揺るぎない地位を得ているアニメ。

ジャパニメーション生誕1世紀を記念して企画放映されたのが、NHKのテレビ番組「あなたが選ぶアニメベスト100」。昨日5月3日放映。BSだったので視聴できなかったのですが、今年に入って、ロボットアニメ特集だとか、ベストアニソン特集だとか、楽しい企画あった模様。

で、この番組の目玉はですね、視聴者がウェブ投票で選べたというアニメランキング。
1位、2位は「TIGER & BUNNY」テレビ版と劇場版。ヒーローアクション物で女性に抜群の人気を誇るらしい。アメコミ風の作画でイケメン多いので婦女子人気もさりながら、ハリウッド実写化も予定されているぐらいですから、海外のファンからの票も集めたのかも。
3位は「魔法少女まどか☆マギカ」。まあ、これは分かりますね、社会現象になりましたし。で、その次4・5・9位のランクインは「ラブライブ!」。アイドル目指す美少女だらけのお話ぐらいの知識しかないのですが、川崎で中学生男子が殺した犯人が好きだったな、という印象しかありません。NHKアニメの「CCさくら」やCLAMPの人気作「コードギアス」、「おそ松さん」などはわあわかるとして、意外なのは、「エヴァンゲリオン」「進撃の巨人」「鋼の錬金術師」がやや苦戦しているところ。
いい意味で予想外だったのが、30位の「少女革命ウテナ」。実は男女ともにそこそこの人気。エヴァとほぼ同時期ですが、どうも影が薄い。「銀河英雄伝説」も13位と大健闘。

「風の谷のナウシカ」「天空の城ラピュタ」といったおなじみのジブリ作品や、機動戦士ガンダムシリーズ、「美少女戦士セーラームーン」もうちょっと上でもいいんでは、と思うのですが。NHKアニメとしてはクオリティの高い「ふしぎの海のナディア」やら「精霊の守り人」にしても。投票した主力勢が時間のある中高生だったせいでしょうかね。

500位までNHKサイトで公開中ですが、ストーリーどころか名前すら聞いたことないという作品もいくつかあって、ちょっと面白い結果でしたね。私が好んでいる作品でいえば「魔法少女リリカルなのは」シリーズの第二期がやっと200位にランクイン。「輪るピングドラム」が109位。期待していなかったけれど、もちろん「神無月の巫女」なんてマイナーもいいとこの、見る人を選んでしかたがない作品は、ロボットアニメ特集ですら名前も出てきませんね。ED映像がニコニコ動画で使いまわしされているだけで、観たことない(もしくは、観なかったことにされている(爆))方が多そうです、たぶん。「うしおととら」も名作の誉れ高いけど、あの泥臭い絵柄が受けないんでしょうかね。

視聴者が選ぶアニメランキングというのは過去のテレビ局でもありまして、民放では年に二回は毎年特番であったりしたのですが、だいたい「懐かしのアニメ」というのは顔ぶれが決まっているものでした。その昔、毎週金曜日放映の「はなきんデータランド」という番組があってですね、アニメランキングという特別回ですと、女子が送り付けた大量のイラスト付きで「鎧伝サムライトルーパー」や「幽遊白書」が一位なんてよく見かけたのですが、現代もあまり変わりませんよね(笑)。江戸時代に歌舞伎役者の錦絵が大売れに売れたのと同じで。

しかし、このランキング。
あと十年、二十年たってやってみたら、また違った作品が首位を占めるはず。そう考えれば、すでに古典とされているのにしぶとく500位以内に滑り込んだ名作は、やはり日本の文化史の一端となりえた名作なんでしょうね。日本のアニメの功労者というべき、手塚治虫作品が見受けられないのはなんともはや…。

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