子之神社の石段を無事に降り、来た道を引き返す。
用水路にかかる大谷橋を渡って薬師堂へ。
橋からゆるやかな坂道を100mほど歩くと、
右側に薬師堂の案内板。
灯籠に挟まれるようにまた石段である。
半分ほど登った右側に土俵がある。
神社の境内で土俵はときどき見ることがあるが、
薬師堂や観音堂、阿弥陀堂では初めてだ。
この薬師堂は正しくは菅北浦薬師堂といい、
一説では文治3(1187)年の創建。
薬師如来像は地主神として、
先ほど訪ねた子之神社と共に祀られ、
併せてこれもまた訪ねたばかりの
法泉寺の鎮守となっていたとのこと。
元々はこの法泉寺のところで書いた、
焼失した極楽寺の薬師堂だったらしい。
堂宇の左手前には宝篋印塔が金網に保護されて建つ。
堂宇左横には石塔が並ぶ。
馬頭観世音像が集められている。
さらにその奥に六地蔵。
どれも首が落とされ代わりに石が積まれている。
慰霊塔を中心にした石仏群。
裏に回り藪に続く小道の横に
〈マムシに注意〉の貼り紙。
多摩丘陵にはマムシが多い。
管理人の住居らしい建物のそばに、
この薬師堂で開催される〈菅の獅子舞〉のポスターが貼ってある。
五穀豊穣、疫病退散を祈願して雄獅子、
雌獅子、臼獅子と天狗の4人で舞う
一人立ち三頭形式の舞いらしい。
笛と太鼓、唄に合わせての舞なら見てみたい。
小さな宝物殿をガラス越しにのぞくと、獅子舞に使われる衣装が並んでいる。
アホの集まりである各地で行われる
阿波踊りなど見る気もしないが、
こういう少人数での獅子舞はいい。
しかし来週また出直すのもツライものがある。
同時に子どもたちによる相撲大会も開催される。
楽しそうである。
緑の中にたたずむ薬師堂。なかなか美しい形をしている。
約2時間半の寺巡りを終えて、駅近くの蕎麦屋で昼酒。
冷奴一丁は大き過ぎた。あとで気づいたのだが〈半冷奴〉というのもメニューに載っていた。
もり蕎麦は550円と良心的な値段。