田園調布の山荘

「和を以て貴しとなす」・・ 日本人の気質はこの言葉[平和愛好]に象徴されていると思われる。この観点から現代を透視したい。

150827 女性を見る目(3)

2015年08月28日 10時20分59秒 | 女性を見る目

 

テレビのニュース番組で、組織が行うどのような会議でも女性が混ざっているものは極めて少ない。議会、役所、企業などはいまだに圧倒的に男性社会である。これはいわゆる縦社会の姿である。横社会、例えば町会やPTA等においては女性が多く参加しているが主導権は決して女性が握っていないケースが多いように思われる。町会にしてもPTAにしても、伝統的にまたは法制的に当局が主導している縦社会に従属する横社会組織であるからといえよう。いうまでもなく日本は、女性は家を守り、男性が外で稼ぐというならわしがいまだに支配的でこれは精神の習慣を作ってきた。

そのことは女性が社会運営において極めて狭い範囲の情報しか与えられてこなかったこと、育児において絶対的な立場に置かれていることと無関係ではない。女性が政治経済欄を最初に読むケースは少ない。家庭経済のエンジンは夫の稼ぎ出す収入か動力源がなく、主婦は機関士ではあるが社会と戦う航海士ではないという分業が形態化していたからであろう。

 女性が社会に出て、組織の中で働く割合は近年上昇し、またその必要性も増えている。そこには陰に陽に男性優位の差別が貫徹される。女性もそのことの不条理を気にしない。民間企業においては女性が男性よりも遥かに低い賃金であることが当然のように横行している。女性が外で男そこのけの働きをすると「嫁に行けないぞ」「売れ残り」「女だてらに」というセクハラが男からとんでいく。この不条理をどうして正すのか、是正せねばとの建前は聞かれても実際の現場では大きな抵抗がある。

 核家族が普通になってきたが、そこには共働きの構造が一般的である。この構造は徐々に女系社会的に変わる必然を含むと思われる。女系とまでも言わなくとも男が女に近づくという意味で、家庭内では男女共同参画となるという意味である。自営業においても財布の紐は女性が案配していることが多い。それだけ女性の役割が責任と共に経済的に、家庭の経営の上で重要になって来ていることを表す。これは何をもたらすかと言えば、お上の権力、権威主義に一定の距離を置くと言うことに他ならぬ。身近な権力(地方自治)に関心が高まり、さまざまなコミュニケーションが、草の根のレベルで活発化し、町会やPTAの既存の組織を内部から掘り起こし、変革していく力に代わっていく可能性である。


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