放浪日記

刮目せよ、我等が愚行を。

モグモグ隊台湾遠征 第13話

2017年05月29日 | モグモグ隊


モグモグ隊台湾遠征メンバー
(を):をきな氏
(や):やはぎ氏
(に):にいや


期待していたガチョウが完全不発だったことで、「台湾最後の夜がこれかよ…」という気持ちを全員が持っていた。
宜蘭から基隆、台北とずっと降り続いていた雨もいつの間にかやんでいた。通りにできた水たまりに台北のネオンがキラキラと輝いている。
このままでは終われない…。

「つ、次、行きましょうかね?」と(に)は恐る恐る二人の様子をうかがうと、
「当たり前じゃよ」
「つーか、ガチョウなんて、そもそも喰ってねーし」と頼もしいお言葉。

この期におよんでまだ今夜の宿を決めていなかったが、泊まるところよりも今の食欲を満たすことが先決だった。
しかし、もう夜もかなり更けてきている。
店を探して街をうろつくよりも、なるべくすぐに次のモグモグを。効率を優先し、深夜まで開いているだろう夜市に行くことにした。

着いたのは、台北駅からも頑張れば徒歩圏内という寧夏夜市。
大雨の後であり、時間も遅いということで、人出はかなりスッカスカな感じではあったが、店は営業していた。

「いいねー、こういうの台湾っぽい」
「そういえば、昔に金城武が宣伝してたなー」
「そういえば、うっすらと金城武に似てるところありますよね」
「まあなー。そんないい子には、ビール1本あげちゃう!」
なんて、箸にも棒にもかからない与太話を繰り広げつつ、夜市を巡るも、なぜかどの店もイマイチな感じだった。
我々が求めているものは、これではないのかもしれない。
短い夜市を一通り巡り終えようとしたとき、一軒の店が目に入った。


「客家放山鶏荘」
台湾の人口の中で約12%を占める客家(はっか)の人々の田舎料理を出す店だった。
いま我々が欲しているのは、もしかするとこれかもしれないとひらめき、日本で客家料理はあまり食べる機会がないこと、中国をルーツにする客家について簡単に説明したところ、
「いいんじゃないの、ここで」
「そろそろビールが飲みタイワン」と二人。
さくっと店が決まり、入店。
中には何人もの地元の人たちは食事に勤しんでいた。


さすが台湾の観光地に店を構えているだけあって、運ばれて来たメニューは英語と日本語併記のもの。
(を)も(や)も、これは分かりやすいと、各自適当に好きなものを注文。
もちろんビールも。ビールは台湾スタイルで、自分で冷蔵庫から取り出してくるもの。
今朝飲んだ「18日限定生ビール」も置かれていたので、大のオッサン三人は本気で喜んだ。

ということで、ここで食した品々を公開。
残念ながらメニュー名を失念してしまったため、画像のみでお楽しみあれ。












どの品も脂っぽくなく、台湾料理のやさしい味。
日本の居酒屋にいるような気分で箸も進む。


途中、明らかに観光客と分かる女性3人組が、我々のテーブルと相席になった。
しかし、「うめっ、これ最高!」「ブヒッブヒッ」「あー、いいなー。客家いいなー」「日本にあったら通っちゃうかもー」なんてモグモグしながら勝手に喋りまくるオッサンを見て、ドン引きモード。
「あ、ビールなくなった」「もってきやーす」「あれでー」「これでしょ?」「いいねー」なんて、確かに文字にしてみると話しかけづらさ満開である。
メンバーがメンバーであれば、3対3で、深夜の台北デートに繰り出すアバンチュールも期待できたかもしれないが、そこは天下無双のモグモグ隊。エンドレスに続くビールの注ぎ合いに呆れ果て、女性たちは店を去っていった。


そんなことはおかまいなしに、台湾最後の夜を満喫モグモグ。
ということで、祭りの後。





机の上にぺんぺん草も生えない、見事な喰いっぷりであった。


店を出たときはすでに日付が変わりそうな時間に。
明日の朝は9時前には空港行きのバスに乗らねばならないため、ホテルをとっても実質8時間しか
いられない。であれば、男3人、ここはサウナに泊まろうじゃないかと、客家料理をつつきながらの緊急会議で決定した。

サウナまでは徒歩圏内。
土産を抱え、ぶらぶら散歩しはじめると、夜市もそろそろ店じまいを始めていた。
そんなとき(や)が、目の前のビルを指差し、「あれは?」と聞いてきた。





不敵な笑みを見せるひげ面のオッサン。
そう、そこは魯肉飯が人気のチェーン店「鬍鬚張魯肉飯」。「ひげちょー」の別名でご存知の方も多いのではないか。一時期、日本にもチェーン展開してたはず。


この店はかくかくしかじかで、と説明すると、「シメにいいんじゃないの?」とリーダー。
リーダーの言うことには絶対服従の我らモグモグ隊。
もうゲップとしゃっくりが出始めています。なんて弱音を自分の中で押し殺し、入店&オーダー。





魯肉飯がドン!
魯肉飯が小ぶりで良かったと初めて思った瞬間だった。

シメということで、唇を脂リップクリームでテカテカにしながら、ごちそうさま。

さぁ、サウナに行こうとしたら、今度は屋台でこれを発見。





愛玉子(オーギョーチー)である。
植物の種から使られる寒天のようなもので、レモン風味のシロップをかけているので、さっぱりといただける。
(を)も(や)も特に求めてはいなかったが、(に)が一つだけテイクアウト用をオーダー。
太いストローですすると、爽やかな風味が口の中に広がる。
先ほどの魯肉飯の脂を帳消しにしてくれるかのよう。
(に)が飲みながら歩こうと思っていたら、この味をすっかり気に入った(を)が、ほぼ一人占め。
「デザートまでうめーな、さすが台湾」とご満悦。
リーダーに喜んでいただくこと。それこそが隊員の喜びでございます。



(つづく)







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